きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

165. さようなら、怪物豪栄道。

先日徳勝龍の涙の幕尻優勝により幕を閉じた大相撲初場所

徳勝龍はこれまで目立った実績がなかったものの、いわゆる『花のロクイチ組』の一人である。

そのロクイチ組で目立つ存在であった大関 豪栄道が引退を表明した。

大関在位のまま引退は、2011年名古屋場所魁皇以来である。

大関陥落が決定し、来場所地元大阪で特例復帰を目指すと思っていたが、突然の引退だった。

今場所の相撲を見ていると怪我の影響もあり、力を出し切っていても身体がついていかない状態であった。

それは少し心苦しかったため、私個人としてはホッとしているし、潔さは素晴らしいと思う。

豪栄道は高校時代『澤井』のときから有名であり、高校3年で高校横綱のタイトルを獲得し、全日本相撲選手大会では当時学生横綱の吐合に連勝して3位に入賞するという快挙を成し遂げた。

鳴り物入り角界入りし、2年後には幕内へ昇進し、新入幕の場所でも一度は単独トップに立つなど期待に違わず上位へ昇進した。

しかしその後が鳴かず飛ばずだった。

結局上位に定着したのは入幕から5年後の2012年頃からだった。

ここから歴代最多となる連続関脇在位14場所、白鵬キラーとして存在感を示し、大関へ昇進した。

とはいえ私は豪栄道大関昇進に反対だった。

連続14場所在位と言えば聞こえは良いが、その間負け越しを2度喫しており、番付運に恵まれていたこともあった。

そして大関昇進にあたり、3場所の成績は12→8→12の32勝であり、目安と呼ばれる33勝に届かないこと、また2場所連続二桁勝利を挙げていないことを懸念していた。

結局豪栄道が三役以上で2場所連続二桁勝利を果たしたのは、大関昇進後から4年後の2018年であった。

爆発力はあっても安定感がないため、10場所在位出来るかどうかも怪しいと思っていた。

案の定昇進後は勝ち越しが精一杯であり、優勝争いなど夢のまた夢だった。

だからこそ2016年秋場所の全勝優勝には驚かされた。

『ついに怪物が目覚めたか?』と期待したが、その後は結局鳴かず飛ばずだった。

大関在位33場所は歴代10位であり、誇れる記録であるが、角番は9回と多く、皆勤負け越しも5回経験している。

左前ミツ速攻。
どちら問わず四つに組んで廻しを引けば強い。
相撲技術はピカイチ。
足技もある。

相撲の質で言えば間違いなく稀勢の里より上だった。

なぜ結果を残すことが出来ないのかわからなかった。

豪栄道という力士は関脇でいるには強過ぎる力士だった。

しかし大関でいるには物足りなかった力士だった。

何とも歯痒い力士であった。

上記の通り引退は潔く、この決断は素晴らしいことだと思う。

さようなら、怪物豪栄道