きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

164. 2020年初場所千秋楽を勝手に語る

徳勝龍が貴景勝を降し、20年ぶりとなる幕尻優勝を果たした大相撲初場所

20年前の貴闘力の幕尻は、厳密に言えば半枚下に若の里が存在していたため、本当の意味での最下位と考えると史上初である。

細かいところで言えば色々あるが、千秋楽は理想の展開だったのではないだろうか。

正代が御嶽海に勝利したことによりその時点で優勝は決まらず、そして徳勝龍が本割りでしっかりと締めて優勝を果たした。

徳勝龍の上位戦が貴景勝戦のみだが、千秋楽の内容を見て批判の声もあまり聞かれないのではないだろうか。

千秋楽貴景勝戦は、伝家の宝刀ではなく、正々堂々攻めきって優勝を手にした。

昨日記載したが、徳勝龍が貴景勝に勝てるイメージが全く湧かなかった。

しかし蓋を開けてみると徳勝龍が立ち合いで先手を取り、得意の左四つに組み、さらには上手も引いた。

その後は突き落としに振られかけたが、がむしゃらに攻め続けた。

こんな積極的な攻めを見せる徳勝龍は見たことがないと言っても過言でない。

千秋楽に最高の相撲内容で締めることが出来た。

勝てば優勝という一番にも重圧はなかった様子である。

今場所の徳勝龍は何度か記載している通り、特段強さを感じさせなかったが、とにかく身体が動いていた印象だった。

そして全てが噛み合ったというような印象だった。

相撲内容にも徐々に積極性が見られるようになってきた。

それは伝家の宝刀突き落としに関してもそうである。

5日間連続の突き落としも最初は攻め込まれての逆転が主体だったが、後半は先手を取ってある程度余裕を持ちながらの突き落としだった。

来場所上位圏内まで一気に番付を上昇させるだろうが、正直大負けするのではないかと予想している。

それでも低迷しているロクイチ組がまだまだやれるというところも見てみたい気持ちもある。

来場所の徳勝龍に注目である。

そして対戦相手の貴景勝だが、本日の一番は考え過ぎていたように感じた。

変化も警戒したのか立ち合いの当たりも弱く、徳勝龍の攻めに対して防戦一方だった。

今場所は横綱が不在となり、出場している力士で最高位となったが、優勝を果たすことは出来なかった。

今場所の内容を見ると貴景勝らしい相撲はやや少なかった。

危ない相撲も多かったが、それでも終盤まで優勝争いに顔を出し、11勝を果たすのは力がある証拠である。

しかし横綱不在の今場所においても優勝出来ないのは、貴景勝横綱になるためにはまだ足りないものが多いということでもある。

上記の通り、11勝を挙げることは大関として合格点だろうが、横綱昇進のためには物足りない数字である。

先場所は怪我の具合が気になる中で大関として初めて勝ち越しを果たし、大関として皆勤したのは今場所で2場所目である。

千秋楽に幕尻に敗れたという屈辱も味わい、それを糧にして強くなれるかどうか。

来場所以降、貴景勝の真価が問われるだろう。

そして今場所もう一人の主役である正代だが、本割りの一番は気迫が全面に出ていた。

立ち合いで左前ミツを狙う御嶽海に対し、構わず挟みつけ、左おっつけで一気に攻めていった。

正直御嶽海の狙い、立ち合いの当たり自体も悪くなかったのだが、今場所の勢いの差、懸ける思いの違いが出た一番だった。

先場所から立ち合いの踏み込み良く、圧力をかけられるようになり、もろ差しに拘らず攻める姿勢が見られるようになった。

そして結果的に横綱が不在になったとはいえ、上位総当たりで13勝は立派である。

終盤戦で顎を上げる悪癖が見られるようになり、来場所以降それを修正していけるかどうか。

おそらくこの癖の完全修正は無理だろうが、今場所のような立ち合いを見せていけば上を狙う力もあるだろう。

新関脇朝乃山が終盤4連勝で目標の二桁に到達した。

本日は立ち合い踏み込み良く、出足で圧倒した。

上手を引いていなかったため一瞬どうかと思ったが、腰高にはならなかったため圧倒出来た。

これで上位圏内で3場所連続二桁勝利となり、三役では2場所連続である。

今場所は中盤戦で勿体無い相撲が続いた。

立ち合いの踏み込み自体は良いが、右差し主体の立ち合いは今後どうなのかという疑問がある。

一時期左前ミツ狙いの立ち合いも見られるようになり、安定感を増していたが、今場所はほぼ見られなかった。

ここ数場所安定した成績を残しているが、更なる高みを目指すならば上手に拘るべきだと思う。

大前提としては廻しに拘らず前に圧力をかけていくことだろうが。

来場所はおそらく大関昇進を目指す場所となるだろうが、期待したいところである。

今場所は豪栄道大関陥落が決定し、高安、栃ノ心琴奨菊と3名の元大関も皆負け越しを喫した。

豪栄道は来場所地元大阪で特例復帰を目指すことになるが、怪我が癒えない限り無理だろう。

癒えてもここ数場所の成績から考えると苦しいと言わざるを得ないが、一矢報いるかどうか。

しっかりと型を持っている力士であり、力を発揮すればまだまだ相撲を取れる可能性は秘めていると思うがどうだろうか。

高安も怪我の影響があったとはいえ、相撲内容が崩壊していた。

一から身体を作る必要があるし、相撲内容も見つめ直す必要があるだろう。

最高位大関として大関在位中の勝率が最も高いのだが、それが伊達じゃないことを証明してほしい。

栃ノ心琴奨菊に関しては今場所を見ている限り、負け方があまりにも脆いため、引退間際の相撲内容に感じた。

琴奨菊に関して言えば前頭二桁台でこの内容である。

以前も記載したが、大関の価値を下げる原因の一つとして『平幕で相撲を取り続ける』ことだと思っている。

栃ノ心は怪我が癒えて再び身体を鍛え直せば可能性はあるかもしれないが、今場所を見ている限りでは厳しいと言わざるを得ない状況である。

それだけ下半身の衰えが顕著である。

その一方、今場所関取復帰した元大関照ノ富士十両優勝を果たした。

欲を言えば全勝して来場所一気に幕内へ戻ってきて欲しかったところだが、すぐに上位へ戻ってくることを期待させる内容だった。

まだ引っ張り込みにいく内容が何番か見られるため、そこを修正していけば怪我も減少するだろう。

三賞だが、遠藤の殊勲賞は喜ばしいことだった。

千秋楽は良い内容で締めたし、来場所の遠藤にも期待である。

懸念していた炎鵬は条件付きの技能賞だったが、本日敗れたため受賞ならず。

昨日も記載したが、今場所は他に主役が多すぎたため、私個人としてはこれで良かったと思う。

今場所は予想できない展開の連続だった。

世代交代かと言われると、以前も記載したようにまだ先に感じた。

相撲観戦しているときの15日間というのは本当に早いものだ。

明日から退屈である。