きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

753. 2023年九州場所千秋楽を勝手に語る

1年納めの九州場所は霧島の2度目の優勝により幕を閉じた。

自身の取り組み前に熱海富士が敗れたことにより優勝が決定した。
しかし結びの一番もしっかり引き締めて白星とし、自身初の13勝まで星を伸ばした。

霧島としては今年1年で2回の優勝、大関昇進、年間最多勝と躍進した年となった。

私自身、場所前霧島は優勝候補の本命に挙げていた。
しかし正直言うと、今場所はやってくれるという確信はなく、どちらかと言えば期待によるものだった。

場所前精力的に稽古を積んだという話を耳にしたため、期待したい気持ちが強かった。

そして初日から3日間は速攻相撲で圧倒していた。
今場所の霧島は期待通りの活躍を見せてくれていると思った矢先、初黒星を喫してからはやや相撲内容が崩れてしまった。

それでもそこから修正していき、終盤戦の相撲内容はかなり厳しさを増していた。
琴ノ若戦、熱海富士戦は霧島にとって今場所の集大成と呼べる内容だった。

昨日も記載したが、今場所の相撲でかなり自信をつけたのではないだろうか。
そして上を目指せるだけの力を示すことが出来たのではないだろうか。

今場所敗れた相撲を見てもまだまだ課題はあるだろう。
そして関脇時代から後半戦に強い傾向があるが、前半戦も同様の力を発揮出来るかどうか。

霧島がさらに上の番付を目指すにはここらが課題となるだろう。

とにもかくにも霧島おめでとう。

今場所も活躍した熱海富士は千秋楽琴ノ若に敗れ、先場所同様11勝4敗で終えた。

本日の相撲も当たりは良かったと思うが、四つに組めず、廻しにも手がかからず、叩きに落ちてしまった。

琴ノ若としては冷静に捌いた一番と言えるだろう。

何度か記載しているが、今場所の熱海富士の活躍を見て、先場所の活躍がフロックではないことは証明出来たと思う。

何なら先場所よりも番付を上昇させた中で、先場所同様役力士とも割が組まれながら同じ成績を残したのだから、単純に先場所よりも力はついていると言っても良いだろう。
実際取り組みを見ていてもそれを感じ取る事が出来た。

この先期待できる力士であることは間違いない。
しかしまだ上位圏外で取っている力士ということを忘れてはならない。

朝乃山、阿炎、竜電。
この3名の共通点は謹慎により番付を降下させたということだが、彼らは下の番付では力の差を見せ付けていた。

しかし上位圏内ではいまだに二桁の白星を挙げていない。
阿炎は昨年九州場所に優勝を果たしているが、これは上位圏外の地位だった。

話を熱海富士に戻すが、上位圏内と圏外ではそれだけ力が違うということだ。

今場所熱海富士は大関豊昇龍を下した。
昨日も記載したが、これに関しては正真正銘熱海富士の力量であり、ケチなどつける気はない。

しかし単発ではなく、安定して勝てるようにならなければ三役以上は見えてこないということである。

熱海富士や熱海富士ファンには申し訳ないが、私個人としては今場所も熱海富士は優勝しなくて良かったと思っている。

そして熱海富士の上位圏内での優勝をより一層見てみたい気持ちが強くなった。
それを見せてくれるであろう力は秘めていると思う。

2場所連続悔しい思いをしているが、上位圏内でうっぷんを晴らしてほしいと思う。

その他役力士に目を向けると、場所前綱取りとして注目を浴びていた貴景勝が9勝6敗に終わった。

最後2日間は限界が来ていたのか、相撲内容は最悪と言って良いだろう。

ゲンの良い九州場所、そして初日から3連勝すれば過去は次点以上の成績を残すという良いデータも揃っていた。

しかしゲンを担ぐだけで綱取りはそううまくはいかなかった。

成績だけ見たら綱取り白紙はもちろんのこと、優勝力士と星の差4つのため、惨敗と言って良いだろう。
しかしそれでも得たものはあると思う。

1つは『皆勤したこと』。
これに関しては当然と言えば当然なのだが、過去の貴景勝の綱取りは途中休場で終焉だった。
場所前から首の調子が思わしくないという問題がありながらも、皆勤出来たというのは小さいながらも前進したのではないだろうか。

もう1つは『苦手力士に勝ったこと』。

今場所の貴景勝は上記の通り結果を見れば9勝6敗と本来の力量とは異なる結果と言える。

しかしその中でも初日の北勝富士戦、5連敗中だった翔猿戦、優勝決定戦で負けた経験のある阿炎戦など、万全でないながらも苦手力士から白星を挙げていた。

これも今後を考えると前進したと言えるのではないだろうか。

貴景勝は基本押ししかない。
そして押しの威力、当たりの強さがなければ今場所のように苦戦を強いられてしまう。しかし万全でないながらもどのように相撲を取っていくのか。
それを考える場所になったのではないだろうか。

来場所は霧島が綱取りの場所になるだろうが、先輩大関としては先を越されたくない気持ちは強いだろう。

来場所以降の貴景勝の巻き返しに期待である。

大関2場所目の豊昇龍が千秋楽白星とし、二桁に乗せた。
及第点ではあるだろうが、終盤戦はやや影が薄くなってしまった。

やはり豪ノ山戦から崩れたように感じる。
立ち合い考え過ぎて自分を見失ってしまったか。

14日目、千秋楽の相撲は良かったため、迷わず集中して臨んでいくことが出来るかどうかが今後の課題となるだろう。

関脇に目を向けると、琴ノ若が千秋楽熱海富士を下して11勝とした。
来場所が大関取りの足固めの場所か昇進を懸ける場所かは不明だが、どちらにしても本日の白星は大きい。

今場所の琴ノ若は腰の重さを活かした相撲が光っていた。
守りの強さがあることは素晴らしいことだが、正直懸念材料もある。

それは『はっきりとした型がない』ことである。

よく解説者が豊昇龍、霧島に対して型がないと発言している事が多い。
しかし私からすると琴ノ若もここに該当すると思う。

一応根は右四つだが、右四つに組む意思はそこまで感じられないし、もちろん左前ミツを狙いにいくような立ち合いもない。
立ち合いはもろ差しを狙いにいくことが大半である。

何なら霧島の方が廻しを狙いにいくときは明確だし、型を持っていると思う。

今場所の琴ノ若は上記の通り腰の重さを活かした相撲であり、それ自体は強さも見せており良かったと思う。

しかしこれと言って勝ちパターンがないため、何となく勝っているといった印象もある。

これが大関昇進を狙うに当たり、どのような影響を及ぼすのか気になるところではある。

大栄翔は9勝に終わり、2場所連続二桁ならず。
今場所はというよりも今年は大栄翔にとって苦い思い出となる1年となったか。

年間60勝であり総合すれば1場所10勝平均のため、安定感を見せた1年だった。

しかし爆発力には欠けており、唯一爆発力を見せた春場所も霧島(霧馬山)に逆転優勝を許してしまった。

連敗癖、土俵際が課題であり、ここを克服しない限り、大関も中々見えてこないか。

大関取りは再度白紙に戻ったと言えるが、大栄翔も年齢を考慮するとそこまで時間は残されていないだろう。
来場所以降巻き返しなるかどうか。

若元春は6勝9敗に終わり、三役の座を明け渡すことになった。

今場所は腰高であり、右の使い方がいつもの場所以上に悪いように感じた。

いつぞやかも記載したが、こらが今場所だけの不調ならば良いが、この先もこのままだと中々厳しいものがある。

来場所平幕から出直しだが、強いときの若元春の相撲を見せてほしいところである。

今場所は序盤戦上位陣が好調であり、令和に突入してから最高の場所になるのではないかという期待感もあった。

15日間観戦して面白い場所だったし、最後は大関が優勝して締めとしても良かった。
しかし正直序盤戦からの期待からすると拍子抜けとまではいかないものの物足りなさは感じさせる場所だった。

それは結果的に役力士数名で最後まで優勝争いが出来なかったこと、貴景勝が中盤戦で3敗を喫したこと等様々な理由はある。

とにもかくにも今年1年、年6場所全て役力士が優勝を果たしたというは喜ばしいことだと思う。

昨年は誰が優勝するのかわからない時代だった。
今年も誰が優勝するのかわからない事が多いが、それでも役力士が力を示しているため、昨年とは意味合いの異なるものになったと思う。

来年はどのような時代に突入するのだろうか…

今場所も15日間お疲れ様でした。
今年中にまだいくつか投稿しようと思いますのでよろしくお願いいたします。