大相撲名古屋場所は序盤戦を終えた。
まだ序盤戦が終了したばかりのため、優勝争いに関して予想は難しいところである。
現時点で先頭の全勝力士は錦木、高安、豪ノ山の3名である。
『勝手に語る』の方でも記載したが、この中から優勝力士が誕生するとは考えにくい。
しかし豪ノ山に目を向けた時、ここまで新入幕で自分の相撲を取り切って5連勝としているため、今場所だけでなく、今後に期待したくなる力士である。
先場所は東十両筆頭にて14勝の成績で優勝を果たしており、何かと話題は伯桜鵬に集まりがちだが、豪ノ山も決して負けてはいない。
それどころか単純な成績ならば今のところ勝っているくらいである。
新入幕の場所で初日から5連勝としたわけだが、年6場所制となった昭和33年以降どのくらい存在するのだろうか。
以下に詳細をまとめた。
場所 |
四股名(番付) |
初日からの連勝数 |
最終成績 |
昭和33年秋場所 |
豊ノ海(西前頭21枚目) |
5連勝 |
8勝7敗 |
大鵬(西前頭13枚目) |
11連勝 |
12勝3敗(次点、敢) |
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花田(西前頭15枚目) |
5連勝 |
7勝8敗 |
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昭和37年名古屋場所 |
廣川(西前頭13枚目) |
5連勝 |
10勝5敗(敢) |
昭和39年初場所 |
北の冨士(東前頭10枚目) |
5連勝 |
13勝2敗(敢) |
昭和48年夏場所 |
鷲羽山(西前頭13枚目) |
8連勝 |
11勝4敗(次点、敢) |
昭和55年夏場所 |
神幸(東前頭13枚目) |
5連勝 |
9勝6敗 |
昭和55年九州場所 |
佐田の海(西前頭12枚目) |
9連勝 |
11勝4敗(敢) |
平成2年秋場所 |
貴闘力(東前頭13枚目) |
6連勝 |
11勝4敗(敢) |
平成3年九州場所 |
貴ノ浪(東前頭13枚目) |
7連勝 |
8勝7敗 |
平成8年初場所 |
玉春日(東前頭16枚目) |
5連勝 |
10勝5敗(敢) |
平成8年九州場所 |
栃東(西前頭15枚目) |
5連勝 |
10勝5敗(敢) |
平成11年初場所 |
千代天山(東前頭14枚目) |
5連勝 |
10勝5敗(敢) |
魁聖(西前頭16枚目) |
9連勝 |
10勝5敗(敢) |
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逸ノ城(東前頭10枚目) |
6連勝 |
13勝2敗(次点、敢、殊) |
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令和2年7月場所 |
琴勝峰(東前頭15枚目) |
5連勝 |
8勝7敗 |
※四股名は当時
今回で『17回目』である。
令和に突入してからは2回目である。
初日からストレート給金を果たした力士は4名に留まり、10連勝以上は大鵬ただ1人である。
ちなみに新入幕の初日からの連勝は大鵬の11連勝が最高だが、連勝問わず最高成績は陸奥嵐、北の冨士、逸ノ城の3名が『13勝2敗』の成績を残している。
余談だが陸奥嵐は1勝2敗から12連勝して13勝としている。
過去は16名中9名が5連勝で止まっている。
また最終的に二桁に届かなかった力士も5名存在するため、5連勝したからといって油断はできないだろう。
もちろん好成績を収め、三賞を獲得した力士も多い。
このまま白星を積み重ねていけば今場所中にも役力士と割が組まれる可能性もあるだろう。
大関取りの関脇3名にとって、怖いもの知らずの新入幕と割を組まれるのは恐怖かもしれない。
豪ノ山はこの先もここまでと変わらず、押しに徹して好成績を収めてほしいところである。