秋場所終了時点の成績は
1位:御嶽海、阿炎(45勝)
3位:朝乃山(44勝)
4位:豪栄道(43勝)
5位:遠藤(42勝)
となっている。
関脇以下の2名が1位であり、さらにはその下も1勝ずつしか差はなく、6位には41勝で横綱鶴竜も存在する。
混戦と言えば聞こえは良いが、今年も『60勝未満』になる可能性は高く、上位陣の不甲斐なさが目立つ争いと言える。
そもそも年間最多勝にて初めて60勝未満となったのは2年前の白鵬の56勝が初めてであった。
この時は白鵬が25休ながら年間最多勝を受賞し、白鵬の強さとともに周りの不甲斐なさが目立つ形となった。
昨年も栃ノ心が59勝にて受賞し、2年連続で60勝未満となり、そして今年も確定と言っても良いレベルで60勝未満である。
御嶽海、阿炎のどちらかが全勝すれば60勝に到達するがあまり現実的ではない。
そして何が問題かというと、仮に阿炎が受賞した場合である。
2016年に稀勢の里が史上初の『年間優勝なしによる受賞』を果たしたが、この時の稀勢の里は優勝次点4場所と存在感は示していた。
しかし阿炎はここまでの5場所にて、優勝次点すら果たしていない。
正直このような結果で年間最多勝と言われても興ざめするレベルである。
もちろん阿炎は悪くない。
今年に入ってから三役に昇進し、そこでも勝ち越しを果たすなど力を付けていることは間違いない。
そして九州場所で優勝もしくは優勝次点という可能性もないわけではない。
とはいえそれでもどうだろうかっていうのが私の心情である。
やはり今年は上位陣の不甲斐なさが目立つと言えるだろう。
確かに白鵬、鶴竜はそれぞれ1回ずつ優勝を果たしているが、1年通してみると休場が多く、全盛期を知る者からすれば物足りないを通り越したレベルである。
豪栄道が唯一上位5名(10名に絞っても唯一)に名を連ねている。
7休して43勝だから健闘していると言えばそうなのだが、勝率は0.632と決して高いと言えず、さらには自分より番付の低い力士に3回も優勝を拐われている。
60勝未満でも上記の通り2年前は白鵬の強さが違う方向で垣間見れた年であり、昨年は鶴竜、高安、栃ノ心が2場所終了時点にて24勝で並び、結果として上位陣の争いという点である程度納得できるものだった。
しかし今年は興ざめしている部分が多く存在する。
ちなみにその年最高位関脇で年間最多勝は、大鵬、貴花田の2名存在するが『最高位小結以下が年間最多勝』というのは史上初となる。
阿炎、朝乃山にはその可能性も十分秘められている。
はてさてどのような結果となるだろうか…