きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

884. 2024年秋場所千秋楽を勝手に語る

昨日大の里が2回目の優勝を決め、千秋楽はぜひとも勝って締めてほしいと思っていたが、阿炎の引きにあっさり手をついてしまった。

敗れたこともそうだし、相撲内容としても残念な一番であった。
それでも当たり前の事だが優勝が剥奪されるわけではないし、また大関昇進もほぼ確定となった。

今場所の大の里を振り返ると、ある意味では初日に集約されていたのかもしれない。
熱海富士に出足を止められ、劣勢な展開であった。
土俵際で何とか白星を拾ったものの、この時の私の感想としては『止まった時の対応が出来ていない』というマイナスなものだった。

そこから白星を積み重ねていったが、序盤戦は先場所と相撲内容に大きな違いはないと感じていた。
結局は出足が信条であるため、止まった後の対応に関しては変わっていないと思っていた。

しかし場所が進むにつれ、左おっつけという新たな武器で後続との差を広げていった。

土俵際等も含めれば15日間全て完璧ではなかった。
初日も苦戦を強いられたし、最終的には2敗もしている。
それでも他の力士を寄せ付けない強さで優勝を果たし、さらには苦手としていた琴櫻、豊昇龍の両大関からも白星を挙げている。

期待が大き過ぎるがために、少しのミスでも気になってしまうところだが、今場所15日間の総合評価としては現状の大の里の力量からすれば完璧だったと言って良いだろう。

間違いなく初優勝を果たした2場所前よりも相撲内容も変化し、強くなっているからこそ成績も13勝まで伸びている。

初土俵から9場所での大関昇進
そして新入幕から見ても5場所で大関昇進
いずれも歴代1位の記録である。

とても素晴らしいことだと思うし、大の里の力は本物だと思う。
それでも歴代からすれば24歳で大関昇進は特段早いわけでもないし、ここまで優勝回数2回も特段多いわけではない。
何なら先日引退した貴景勝の方が年齢で見た場合、大関昇進も2回目優勝も若い。

また大横綱と比較するのもなんだが、大鵬貴乃花辺りはこの段階で15回程の優勝を果たしている。

大の里は大卒のため、スタート地点は遅い。
だからこそ横綱を目指すならば大関は数場所に留めるのが理想である。
期待は大きいが、大横綱レベルの期待するならば大関も3〜4場所で駆け抜けるのが理想である。

まだまだ伸びしろはあるため、来場所以降も楽しみである。
まずは優勝&大関昇進おめでとう!

大の里の引き立て役となってしまった琴櫻、豊昇龍の両大関
揃って8勝7敗と完全に優勝争いでは蚊帳の外となり、また大の里の引き立て役になってしまった。

両者ともに言えることは『相撲内容の見直し』だろう。

まず琴櫻だが、私は常々記載しているが、誰問わずもろ差し狙いの立ち合いはやめるべきだと思う。
今場所は何番かそれが功を奏したこともあったが、あれだけの体格をしながら小兵力士相手にもその立ち合いを選択するのが正直理解できない。

右四つが型ではあるが、結局自信がないからもろ差し狙いにいくし、突き放して攻めるにしても中途半端な感じがする。
照ノ富士の相撲をお手本にするのが一番だと思う。

豊昇龍は投げ技を封印するとまではいかなくても、攻めの意識を持つだけでだいぶ変わると思う。
今場所は攻めている相撲に関しては強さを発揮していた。
あとは前ミツを引いて食い下がるような相撲を覚えたら取りこぼしも減ると思っている。
それこそ同郷の霧島のような相撲を取ることが出来れば理想だと思っている。

大関ともに力はあるが、今後も相撲内容を見直さない限り、10〜11勝は出来ても優勝という点はあまり期待出来ないかもしれない。

霧島が千秋楽も締めて12勝目。
今場所は敗れた翌日でもしっかり修正していけたのが良かった。
だいぶ復調しており、大関取りの起点としては最高の成績と言えるだろう。
先場所が8勝のため、来場所は大関取りと位置付けるのは難しいかもしれないが、今場所レベルの相撲を取ることが出来れば大関復帰も近いか。

今場所は三賞なしの結果に終わったが、これに関してはすぐに大関へ復帰するため三賞など必要ないという協会からの親心と思えば良いだろう。

三役で残念だったのが平戸海である。
序盤戦の成績からすると今場所は大関取りの足固めの場所となるのではないかという期待もあった。
それだけ相撲内容が充実していたが、結果は二桁はおろか勝ち越しにも届かなかった。

錦木、髙安といった好調の平幕下位の力士の壁として立ちはだかることも出来なかった。

動きは良いが、左前ミツを引いてもその後相手が叩いてきた場合あっさり手をついてしまう場面が目立った。
来場所以降、この辺の修正が鍵となるだろう。
同学年の大の里が大関昇進を果たしたため、平戸海も負けじと頑張ってほしいところである。

若隆景が12勝まで白星を伸ばし、殊勲賞を受賞した。
若隆景と言えば技能賞のイメージであるが、今場所は横綱大関と割が組まれずに殊勲賞受賞となった。
優勝力士の大の里に勝ったことが評価されたのだろうが、大の里がもはや大関として扱いをされていたという考え方も出来る。

それはともかく、先場所以上に足腰の良さが目立っていた。
元々若隆景は足腰の良さが武器であるが、先場所はあっさり手をついてしまう場面も目立っていた。
今場所は大の里戦、大栄翔戦、千秋楽の髙安戦と引き、叩き、突き落としに手をつくことがなかった。
来場所は上位総当たりの地位まで番付を戻すが楽しみである。

三賞は受賞出来なかったが、王鵬、若元春、正代、宇良、美ノ海といった辺りは今場所相撲内容も白星も伴っていた。

特に王鵬はここ数場所力をつけていたが、勝ち越しには届かない状況であった。
今場所はしぶとさも見せていたし、四つに組んでも積極的に攻める相撲が見受けられた。
来場所新三役かどうかはまだわからないが、来場所の活躍も期待である。

そして地味にと言っては失礼だが、美ノ海が2場所連続二桁白星を挙げた。
左前ミツを引く相撲が型であるが、今場所は前ミツを引けなくても突き放して主導権を握ることが多かった。
相撲内容の幅が広がり力も付けているが、上位総当たりでどれだけ力を発揮出来るか楽しみである。

正代も2場所連続二桁白星である。
しかも今場所はほぼ上位総当たりの中での二桁である。
今場所霧島と割が組まれたら面白かったのではないかと思っていたのだが、それは実現しなかった。

それはさておき、正直この先正代が三役でも活躍する姿はあまり想像出来ないが、それでも今場所のような相撲内容ならば上位にとっても脅威となるだろう。

今場所は貴景勝の引退、両大関が優勝争いに絡めなかったことは残念ではあったが、大の里の優勝&大関昇進、霧島の復活、そして全体を通して熱戦が多かったため、かなり良い場所だったと思っている。

上位陣の顔触れにも変化が見られ、またおそらく来場所は尊富士も幕内へ復帰するため、今後も面白い場所になりそうである。

今場所も15日間おつかれさまでした。
明日からも数日は少しだけブログ投稿を続けていきたいと思います。
今場所もありがとうございました。