きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

862. 小結で10勝して翌場所も小結

大相撲秋場所初日まで残り1週間。

番付発表後にもいくつか投稿しようと考えていたがサボってしまい、いつの間にか1週間前となってしまった。

気が付けば本日から9月に突入である。

さて先日の番付発表の時にも少し触れたが、平戸海が小結で10勝したが関脇に昇進出来ず、小結に留まることになった。

私の中では状況によっては11勝しなければ関脇昇進は確実ではないという考え方(というよりも過去のデータ)があるため、これ自体には驚きはない。

問題は東小結で8勝の大栄翔と西小結で10勝の平戸海の東西を入れ替えなかったことにあると思っている。

まぁそれに関しては今は置いといて、過去に何度か見受けられる小結で10勝して翌場所も小結という事例だが、何回存在するのだろうか。

年6場所制となった昭和33年以降では以下の通りである。

四股名

場所

上位人数

翌場所

①昭和40年九州場所

琴櫻(西小結1)

横綱1 大関5 関脇2

※関脇2名勝ち越し

東小結1(8勝7敗)

②昭和60年初場所

北尾(西小結1)

横綱3 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し 

東小結1(10勝5敗)

③昭和60年名古屋場所

保志(西小結1)

横綱2 大関3 関脇3

※関脇2名勝ち越し。その内1名は大関昇進。1名公傷で番付維持。

東小結1(8勝7敗)

④昭和61年初場所

小錦(西小結1)

横綱2 大関5 関脇2

※関脇2名勝ち越し

東小結1(12勝3敗)

⑤昭和63年秋場所

水戸泉(西小結1)

横綱3 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(0勝2敗13休)

⑥平成元年九州場所

霧島(西小結1)

横綱3 大関3 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(11勝4敗)

⑦平成3年九州場所

栃乃和歌(東小結1)

横綱2 大関2 関脇2

※関脇1名負け越しで1枠空いたが、西小結琴錦が12勝3敗で優先。

東小結1(8勝7敗)

⑧平成10年初場所

琴錦(西小結1)

横綱2 大関3 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(6勝9敗)

⑨平成11年九州場所

土佐ノ海(西小結2)

横綱4 大関3 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(8勝7敗)

⑩平成16年九州場所

琴光喜(東小結1)

横綱1 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(7勝8敗)

⑪平成19年秋場所

安馬(西小結1)

横綱2 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(10勝5敗)

⑫平成20年夏場所

稀勢の里(東小結1)

横綱2 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(6勝9敗)

⑬平成25年春場所

栃煌山(東小結1)

横綱2 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(6勝9敗)

平成27年秋場所

栃ノ心(東小結1)

横綱3 大関4 関脇2

※関脇2名勝ち越し。

東小結1(7勝8敗)

⑮令和6年名古屋場所

平戸海(西小結1)

横綱1 大関3 関脇3

※関脇3名勝ち越し。

西小結1

今回で『15回目』である。

昭和で5回、平成で9回、そして令和に入ってから初めてである。

過去の事例を見てみると、基本的には上位陣の人数(横綱大関)が比較的多い事、2名以上いる関脇が全員勝ち越しているため枠がないといった所が理由である。

③だが、この場所の番付は『横綱2、大関3、関脇3』であった。

関脇大乃国が12勝して翌場所大関へ昇進を果たしたため、この場所のように関脇を3名とするならば枠が1つ空くことになるが、その枠は東前頭筆頭で12勝を挙げた北尾が優先される形となった。

そのため保志は不運にも小結に残留することになってしまった。

 

⑥は同じく小結で10勝した水戸泉が翌場所関脇へ昇進を果たしている。

関脇2名が勝ち越しているが、翌場所関脇の脇を3つにして水戸泉が昇進を果たした。

霧島としては番付半枚で泣かされる形となった。

 

⑦は表にも記載しているが、関脇が1名負け越して枠が1つ空いたが、半枚下の琴錦が12勝挙げたため、栃乃和歌が小結残留となってしまった。

 

⑨が今までにない事例とも言えるが、まず土佐ノ海が小結で10勝して関脇昇進を果たせなかった。

これ自体は関脇が2名勝ち越しているためいつも通りなのだが、東小結1の武双山が10勝5敗で関脇昇進を果たしている。

⑥のような関脇の枠を3つにするという考え方なのかもしれないが、この場所は大関貴ノ浪が2場所連続負け越しとなり、翌場所関脇陥落が決定している。

そのため武双山が昇進しなくても関脇3名になることが確定しているのにも関わらず、武双山が10勝5敗で関脇へ昇進することになり、4関脇となった。

さらに面白いのが、この翌場所関脇へ昇進した武双山は優勝を果たしている。

番付が小結に留まった状態ならばこの優勝はなかったのかもしれない。

 

このように小結で10勝しながら翌場所関脇へ昇進出来なかった事例は何度か見受けられるが、平戸海は史上初めての不運を味わっている。

それは『西小結から番付が変動しなかったこと』である。

冒頭の方でも触れたが、10勝して関脇へ昇進できないのは仕方ないが、大栄翔と東西の入れ替えをしなかったことは私自身納得がいかない。

この考え方ならば、仮に関脇の枠が1つ空いていたら10勝した平戸海よりも8勝した大栄翔を優先して関脇へ昇進させることになる。

さすがにそれはおかしいと言えるだろう。

細かい事と言えばそれまでなのだが、『番付の責任・重み』を考慮するならば、こういった細かい部分も重要になってくると思う。

 

平戸海としては番付運に泣かされる形となったが、秋場所も暴れることが出来るかどうか。

過去の事例を見ると北尾、小錦、霧島、安馬が翌場所も二桁の白星を挙げているが、さらに翌場所も二桁勝って大関昇進を果たしたのは霧島だけである。

北尾、小錦安馬は一度跳ね返されたが、1年ないし1年半で大関昇進を果たしている。

平戸海の今後の活躍に期待である。