きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

833. 2024年夏場所千秋楽を勝手に語る

大の里が本割で阿炎を下し、見事初優勝を果たして幕を閉じた大相撲夏場所

幕下付出から所要7場所目での優勝は史上最速、新小結の優勝は年6場所制以降では史上初の記録である。

本日の相撲も完璧と言って差し支えないだろう。
先手は阿炎のもろ手突きだったが、それに対して大の里は全く下がることはなかった。

そして本日は左からの攻めが冴え、阿炎を圧倒した。

私自身、場所前の展望にて『本命琴櫻、対抗豊昇龍、成績は12勝以下』と予想していた。

成績に関しては予想通りだったが、大の里の四股名は挙げていなかった。

その理由は『初めての上位総当たりの地位だから』である。

上位圏外で好成績かつ上位を数名倒していても、上位圏内は簡単ではない。

不祥事により番付を落とし、復帰後一気に番付を上位圏内に戻した朝乃山、阿炎も上位圏内では二桁の白星を挙げることができていない。

阿炎は一度優勝を果たしているがそれは上位圏外だし、今場所ついに二桁の白星に到達したが2年以上時間を要した。

そして大の里と同じ若手に目を向けても、熱海富士、豪ノ山といった力士はここ数場所勝ち越しと負け越しの境界線上の成績であり、二桁にはまだ遠い印象を受ける。

そのため今場所の大の里も『勝ち越しすれば十分』という認識だった。
そして実際に相撲を見ても白星は積み重ねているが、先場所のように出足で圧倒する相撲は少なくなっていると感じていた。

しかし裏を返せば、完全に十分でなくても白星を積み重ねる辺り、他の力士より力のある証拠だったと言えるか。

今場所は1横綱2大関1小結が休場したが、照ノ富士、霧島とは休場する前に割が組まれ勝っている。
そして初めての上位総当たりの地位で終わってみれば自己最多の12個の白星を積み重ねたため、文句のない成績と言えるだろう。

小結で12勝、さらには優勝の偉業も成し遂げているため、今場所が大関取りの起点の場所となるだろう。

立ち合い止められた後の対応、胸を合わせて四つに組んだ時の対応等、まだ修正しなければならない部分も多いだろう。

まだまだ伸びしろ十分ということである。
先場所の終わりにも記載したが、期待が大きくなり過ぎるがあまり、来場所以降の重圧も相当なものだと思う。

大関の足固めだけならば仮に来場所11勝でも十分だと思うが、今場所の活躍を考慮すると物足りなさを感じるファンも多くなると思う。

ファンの期待を大きく背負ってしまうのも大の里にとっては今後も宿命になるだろう。

まぁとにもかくにも大の里おめでとう!

大関陣にも目を向けよう。

昨日痛恨の4敗目を喫して優勝を逃した琴櫻
この力士の課題は『攻めの強さ』だろう。

数場所前から何度も記載しているが、この力士は守りの強さが主体であり、絶対的な型を持っていない。

根は右四つだが、四つの技量は低く、自信がないためもろ差し狙いにいくことが大半である。

今場所四つの技量が低いことを証明した一番が髙安戦であり、ケンカ四つの相手、そして自身が得意の右四つに組み勝っても勝負には勝てなかった。

遡れば2場所前、照ノ富士相手にも本割、決定戦と完敗している。

さらに先場所、朝乃山相手にも一方的に敗れている。
これも何度も記載しているが、朝乃山も右四つの完成度は決して高いとは言えない力士である。
琴櫻はその朝乃山よりも四つのレベルが低いと思っている。

最低限、朝乃山や髙安といったところに四つに組んで勝てないようでは上の番付は間違いなく見えて来ないだろう。

これで大関昇進以降、10勝、11勝としており、大関として見るならば最高に褒めるわけではないが、よくやっている方だと思う。

では上を目指せる大関かと問われるとそうではない。
まだ琴櫻は良くも悪くも大関である。

それは豊昇龍にもほぼ同じことが言える。
琴櫻のような守りの強さではないが、下手投げの強さが豊昇龍を支えている大半の部分だと言える。

相手十分の上手を引かれても下手投げで返せば良いという考えを持っているのかもしれない。

詳細は不明だが、豊昇龍の弱点は相手の形を許すことが多い点だと思う。

初日の熱海富士戦もそうだし、13日目の翠富士戦も勝ちはしたが一瞬もろ差しを許している。

どんな強い横綱であっても相手十分の形を許して不覚を取ることは見受けられる。
しかし豊昇龍の場合は圧倒的にそれが見受けられるのである。

絶対的な型がないからそうさせるのか、もう少し丁寧に相撲を取れるようになればあと1つ2つと白星を積み重ねることが出来ると思う。

4場所連続二桁の白星は良いと思うが、如何せんその先が見えてこない。

今場所は初日に1横綱4大関2関脇が敗れ『番付崩壊』という言葉をよく耳にした。

そう思う気持ちもわからなくないが、それでも終盤戦を見れば好調の下位の力士をしっかりと役力士が退ける光景が見受けられた。

そして気が付けば役力士の中から優勝が出てくる可能性が高くなり、最終的には小結が優勝を果たした。

ここで『大関の責任』と口にするファンもいるからもしれないが、今場所のように残された大関が必ずしも毎度優勝するかと言われたらそれは違うし、ましてやそこで当たり前のように優勝できる大関はすぐに横綱へ昇進するような力士である。

先場所は尊富士が優勝を果たしたが、昨年初場所から今場所まで役力士の優勝は9場所中8場所である。

確かに『誰が優勝するのかわからない』という流れはまだ拭い去ることが出来ていないかもしれないが、それでも『終わってみれば役力士の優勝』は定着しつつあると思う。

優勝成績に関しては12勝が珍しい成績ではなくなってきているが、星の潰し合いをしているかどうかの問題もあるため、一概に否定はできない。

来場所霧島が関脇へ陥落し、照ノ富士貴景勝も本当の意味での復活は今後も期待ができない。

その中豊昇龍、琴櫻は安定して二桁の白星を挙げており、大の里が一気に駆け上がろうとしている。

時代が動いている瞬間ではないだろうか。

色々話が逸れてしまったが、期待の大きい力士の初優勝はめでたいことである。

私事ですが正直言うと今場所のブログの記載は中々キツイものがありました(肉体的にも精神的にも)。
それでもその日感じた思いと後日の考え方が自分自身でも異なることがあるため、記録に残すことが大切だと思い何とか完走できました。

そして自分自身どんな状況であろうと大相撲が好きという事実は変わらないということが再認識できました。

とりあえずちょいと休みたいと思います。
今場所も15日間お疲れ様でした。