きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

666. 2023年夏場所千秋楽を勝手に語る

照ノ富士が千秋楽もきっちりと締めて優勝に花を添えて幕を閉じた2023年大相撲夏場所

昨日も照ノ富士に関して記載したが、とにかく素晴らしいの一言である。

私は場所前の展望にて照ノ富士を優勝の本命としていた。

しかし正直な話、ここまでの活躍に至るとは思っていなかった。

序盤戦の相撲を見ていても磐石とは言い難く、この時点で内容面を考慮すれば大栄翔や若元春の方が上に感じたほどである。

場所が進むにつれ、徐々に関脇陣にも黒星が重なっていき『終わってみれば照ノ富士』の流れになりつつあったが、それでも私は何だかんだで12勝による優勝に留まるのではないかと思っていた。

如何せん照ノ富士は12勝による優勝が多く、1年前も12勝による優勝だったからである(余談だが照ノ富士自身、14勝による優勝は初めてである)。

しかし昨日も記載した通り、役力士との取り組みは全て圧巻であり、千秋楽貴景勝戦も貴景勝が万全ではないにしろ寄せ付けなかった。

照ノ富士自身、膝の状態に関しては万全ということはほぼないことだろう。

それでも関脇陣が好調の中、それ以上に横綱としての強さを示したのは素晴らしい他ならない。

場所前に記載したが、今場所は優勝に関する記録として
『別々の力士の連続優勝』
『12勝以下の連続優勝』
名誉とは言い難いこの2つの記録更新なるかという点も注目していたのだが、いずれも照ノ富士の活躍により記録更新に至らなかった。

誰が優勝するかわからない場所は横綱が出場している限り、起こさせはしないという強い意思も感じるし、今後もそうあってほしいと願っている。

上記の通り照ノ富士自身も身体面に不安を抱えているため、いつまでも照ノ富士におんぶに抱っことはいかないが、それでもまだまだ壁として立ちはだかってほしい気持ちは強い。

本当におめでとう、そしてこの素晴らしい場所を支えてくれてありがとう照ノ富士

場所前最大の注目点であった大関取りの霧馬山は、13日目終了時点で11勝目を挙げ、最後2日間は連敗してしまったが大関昇進をほぼ確実とした。

14日目の照ノ富士戦は全力の結果、横綱の力の方が上だったということであり、あの相撲自体は敗れても霧馬山としては価値のある一番だったと思う。

敗れても評価が下がることなく、むしろ上がったと言っても過言ではない。

12日目、13日目の相撲に関しては大関の貫禄が見受けられるような相撲だったし、成績面、内容面ともに文句なしである。

千秋楽は豊昇龍に敗れてしまったが、昨日の熱戦を終えて今場所の疲労が一気にピークへ達してしまったか。

出世争いのライバルに出世争いではリードしたが、千秋楽は悔しい思いをしたため、来場所以降借りを返したいところである。

3場所連続二桁の白星を挙げているが、中身を見ていると序盤戦は磐石と言い難い相撲が続くことが多い。

今場所もそういった傾向であり、ばたついた展開も見受けられていた。

しかしこの辺りをしっかり白星に結びつけることが出来るからこそ大関を勝ち取ったのだろう。

元々この力士は足腰が強く、廻しを引けば強いというのはわかっていた。

だからこそ平幕上位~小結で勝ち越しを続けてきたわけである。

不十分な形からでも白星に結びつけ、成績も伸びてきたため、今後序盤戦も自分の相撲を取ることが出来れば、さらなる爆発力も見込めるのではないだろうか。

大関に昇進するからにはさらに上を目指してほしい。
そのためには霧馬山自身経験のない13勝以上の白星も必要になってくるため、今後問われるは爆発力だろう。

そして残りの3関脇も皆二桁の白星を挙げた。

番付順にいくとまず豊昇龍だが、正直今場所は4関脇の中で最も印象が薄いように感じた。

不戦勝2つ、また14日目終了時点では同格以上から白星を挙げていないこともあったからだろう。

しかし12日目の北青鵬戦の取り口、そして千秋楽霧馬山戦を見ると非凡ではないことは一目瞭然である。

何だかんだで霧馬山と同じ勝ち星であり、数場所前までは大関取りという点で霧馬山より評価も上だったため、負けじと来場所の大関取りに臨んでほしいところである。

今場所大勝すれば大関昇進も夢ではなかった大栄翔だが、今場所は10勝に留まった。

場所前にも記載したが、期待していた一方で関脇在位で勝ち越したことがないというのがどのように影響を及ぼすのかという懸念はあった。

しかしその懸念は序盤戦の相撲を見て払拭された。
掴まる相撲もあったが、いつもの場所と異なり、動いてすぐに振りほどくといった新境地も見られた。

2場所連続二桁の白星を挙げたことが何よりではあるが、それでも先場所以上に課題が浮き彫りにもなっただろう。

敗れた相撲の半数以上が土俵際逆転を食ってしまっている。
ツボにハマった時の大栄翔の強さは数年前から周知の事実であるが、後は土俵際の詰めをどうするかという点だろう。

新関脇若元春は今場所の相撲で『本物』だということを証明したような気がする。

ここ数場所活躍著しいし、左四つに組めば強いというのも周知されている。

先場所小結で11勝した実績もあるが、正直場所前の私の予想としては一桁勝ち越しであった。

だからこそ優勝争いでも名前を挙げなかったが、今場所は左四つに拘らなくても力強さを発揮する相撲が見受けられた。

良い意味で荒々しさも出てきており、本気で上を目指しているという強い意思も感じる。

正直序盤戦5日間を見たとき、かなり大勝すると思ったため、終わってみれば10勝が逆に物足りなく感じるレベルであった。

それだけ今の若元春は強さを感じるということである。

上記3関脇が来場所皆大関取りの場所と位置付けられるわけだが、今場所の活躍を見ていると全員に期待したくなる思いである。

大関貴景勝は、何とか角番を脱出し、貴景勝の相撲人生の中で最も苦しかった場所と言っても過言ではなかったのではないだろうか。

白星の中にはらしさが見られる相撲もあったが、やはり15日間を通してみればかなり苦しかっただろう。

それでも見事勝ち越しまでたどり着き、大関の座を死守するという強い意思を感じた。

御嶽海、正代と大関陥落が続いていた場所もあったが、貴景勝は強い意思で乗り切った。

しかし懸念材料はてんこ盛りと言えるのではないだろうか。

膝の怪我に関しては今後も付き合っていかなければならない。
そして今場所を見てもわかるように関脇陣の脅威が迫ってきているため、少しでも気を緩めると負け越してしまう可能性が非常に高い。

貴景勝自身が今場所のような状況が続くならば、かなり厳しい展開に陥ってしまうだろう。

まずは身体のケアに努めてほしいところである。

小結に目を向けると琴ノ若は関脇以上との力量差がかなり開いてしまった感じが否めない。

上位圏内で1年以上勝ち越しを続けているが、二桁に到達することができない。

今場所役力士との対戦成績は1勝6敗と完敗である。
逆に言えば平幕相手に取りこぼしが少ない証明でもあるため、3関脇に割って入れるように期待したいところである。

正代は久しぶりの小結在位だったが、6勝9敗で場所を終えた。

序盤戦終了時にも正代に関して記載したが、やはり現状番付通りの力量だったと言える。

今場所の正代は動きは良かったが、それでも終わってみれば負け越しだった。
しかも終盤戦は3連敗だった。

単純に正代の力量よりも関脇陣の力量の方が上回っている様子である。

大関として悔しい思いもあるだろうが、霧馬山に勝った相撲を見るとまだまだ正代も力を出し切れば脅威という証明にもなった。

最後に朝乃山について触れよう。
私は場所前の展望にて、優勝予想としては対抗に挙げていた。

本命にしなかった理由として、ある程度大勝はするだろうが、上位と割が組まれたときどうかと懸念していたし、そもそも朝乃山自身が幕内で13勝以上の経験がないこともそうである。

結果として照ノ富士と大栄翔には完敗だった。
その他上位圏内力士との対戦では正代、明生からは白星を挙げた。

正代戦は良かったが、明生戦は内容面では完敗したと言っても過言ではないだろう。

現状朝乃山はまだ上位の土俵にブランクがある様子である。。

今場所12勝したが、良くも悪くも朝乃山らしい成績だったと思う。

『朝乃山に敢闘賞』と発言しているファンもいるみたいだが、私からすれば完全に不要だと思っている。

もちろんその理由に『元大関だから』というのはある。

しかしそれ以上に大半を平幕下位から挙げた白星で受賞させるようならば、今まで過大評価に近いファンの見方もその程度だったということになると思う。

朝乃山が十両、幕下で黒星を喫した際、私は『過度な期待をしすぎだから静かに見守るのが良い』という旨の記載をしている。

今場所の朝乃山に対して優勝を予想していたファンも多かっただろう。
これに関しては何ら不思議ではない。

番付下位で大勝してそのまま逃げ切るパターンも考えられただろう。

それだけ期待していた力士にいざ優勝出来ず『12勝したから敢闘賞』はやや矛盾していると思う。

今まで過度な期待を寄せていた力士の期待値はそのレベルなのか?ということだ。

それならば来場所以降『上位圏内で11勝』の方が私は元大関とか関係なく三賞にふさわしいと思っている。

来場所以降が朝乃山にとって本当のスタートラインに立つ時だろう。

素晴らしかった夏場所も15日間終了してしまったが、14日目に優勝が決定してもこれだけ千秋楽も話題が尽きない場所も珍しいだろう。

やはり上位が締める、上位が強い場所は面白い。
その中でたまに見る平幕優勝がこれまた楽しいということを再認識させられた。

本当に素晴らしい場所だった。

今場所は久々に現地観戦もして、東京旅行も満喫し、本日帰省したわけだが、明日から現実に戻ることを考えると憂うつである。

とにもかくにも大相撲ファンの皆様も15日間お疲れ様でした。