きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

576. 2022年九州場所3日目を勝手に語る

主要なところでは貴景勝、御嶽海に黒星。

まず貴景勝だが、高安のかち上げからの突っ張りに後退し、引きにばったり落ちてしまった。

ゲンの良い11月場所で初日、2日目と内容良く来ていただけに残念な黒星だが、それ以上に気になる点が『高安に対して苦手意識を持ち始めているか?』という点である。

元々この両者の対戦は高安が大関貴景勝が番付をかけ上がる頃から始まり、最初は番付通り高安が優勢だった。

しかし高安が大関から陥落し、貴景勝大関昇進を果たして立場が逆転した。

しかもこの時期の相撲内容は、貴景勝が当たり勝って圧倒することが多かった。

しかしこの1年は以前と比較すると、高安の突っ張りに後退する場面が増えているのである。

連敗も喫しているし、先場所も貴景勝が勝ったとはいえ劣勢だった。

高安の力量が再度戻りつつあるという見方も出来なくはないが、このまま高安に対して苦手意識を持ってしまうのではないかという心配がある。

ただでさえ貴景勝はここ最近逸ノ城を苦手としているため、これ以上苦手力士を増やしたくないところである。

一方高安だが、やはり昨日は怪我よりも合い口の問題だったか。

日により怪我の状態も異なるということもあるだろうが、正代戦もあれこれ考えず、まずは当たって突っ張った方が良いと思うが、まぁ今さら正代戦を振り返っても仕方ないか。

その正代だが、過去5戦全敗の琴ノ若を下して、5場所ぶりに序盤戦で2勝目を挙げた。

過去全敗の相手とは思えない程、正代の立ち合いの当たり、出足が光っていた。

番付を考えると大関が平幕に勝利しただけなので当然と言えば当然だし、ましてや3日目で2勝1敗も当然の結果である。

しかし正代にとってはかなり大きい白星となるのではないだろうか。

昨日は合い口の良い高安に勝ったということで、まだ正代の調子を予想するのは難しい状態だった。

しかし苦手相手に迷いなく相撲が取れるということは、角番脱出に関しては明るい兆しではないだろうか。

とはいえ正代の場合、明日どうなるかわからない力士であるため、結局は何とも言い難いところはあるが。

それでもこの一番が今後の正代にとってターニングポイントとなる可能性も十分秘められている。

そう思わせる程本日の相撲は素晴らしかった。

さて冒頭にも記載したが、御嶽海が初黒星。

立ち合いの当たりは悪くなかったが、攻め切ることが出来ず、大栄翔に反撃され、足が揃ったところを引かれてしまった。

何度も記載しているが、過去特例復帰場所にて初日から2連勝は絶対条件である。

過去に2連勝して3日目黒星を喫した力士は大受栃東(2回目)、琴奨菊の3名だが、この中で大関復帰を果たしたのは栃東だけである。

あくまで過去のデータだが、御嶽海にとっては嫌なデータである。

さらに私が懸念していることは、昨日も記載したが『先場所も2日目までは良かった』という点である。

ここから崩れず修正できるかどうか。
連敗だけは避けたいところである。

若隆景が明生相手に完勝。
昨年若隆景と明生は同格と呼べる力量、番付であったが、この1年で明生の怪我もあったとはいえ、地力の差が開いたと言える内容だったか(まぁ先場所は明生が勝っているが)。

ここ数場所は序盤戦腰が軽い印象だったが、今場所の若隆景は初日落としたとはいえ、この3日間は足腰がしっかりしている印象を受ける。

このまま星を積み重ねていきたいところである。

役力士の勝ちっぱなしは豊昇龍と翔猿の2名。

豊昇龍に関しては正直あまり強さを感じないのだが、ここ数場所は三役での勝ち越しを継続しているため、地力はつけているのだろう。

本日の相撲は良かったが、変化を多用し、身体能力の高さで何となく勝っていると印象が強い。

それでも三役で勝ち越しを続けているため、ある程度しっかり型にはまって白星を積み重ねる事が出来れば、すぐにでも上の番付が見えてくるのではないだろうか。

翔猿は先場所の活躍がフロックではないことを証明するかのように、自分のやりたいことをやって結果を残しているという印象を受ける。

押す力がついて前に出る圧力があるからこそ、本日のような足を取りにいく相撲も決まりやすくなるのだろう。

そしてその翔猿に敗れて役力士で唯一白星なしが、先場所の覇者玉鷲である。

ここ数場所序盤戦好調であることが多かったが、三役に復帰したことによる問題なのか今場所は逆の展開である。

内容を見ると初日は逸ノ城の当たりに屈し、ここ2日間は対戦力士が玉鷲の押しを警戒し、うまいこと相撲を取られているといったところか。

先場所の覇者、ましてや優勝回数2回の実力者を警戒するのは当然の事だし、玉鷲には失礼だが、2場所連続で大勝するとは考えづらいため、そこまで意外性はないとも言える。

如何せん前回優勝を果たした翌場所も5勝10敗なのだから。

玉鷲としては早く白星を掴みたいところだろう。

昨日錦富士、隆の勝、阿炎、阿武咲の相撲が良いという話をしたが、この中で阿炎以外全員黒星という形になった。

上位の貴景勝、御嶽海も含め、やはり2日間だけでは何とも言い難いといったところか。

明日の注目の割は
『正代ー逸ノ城
『豊昇龍ー高安』
この2番である。

正代は2日連続で苦手力士との対戦だが、本日のように迷いなく相撲を取ることが出来るかどうか。

2場所前、1勝4敗から最終的に10勝まで辿り着いたときは、大栄翔、逸ノ城と苦手力士に連勝した背景がある。

今場所も苦手に連勝となれば面白い存在になるかもしれない。

場所前にも記載したが、正代が優勝争いのベンチマークとなる可能性がある。

このまま正代が勢い付けば、この先正代と割が組まれる力士は驚異となるだろう。

ちゃっかり(?)3連勝の豊昇龍は対戦成績で分の悪い高安が相手である。

過去は長い相撲、もしくは立ち合いで圧倒されることが多いが、逆に豊昇龍が早い攻めを見せることが出来るかどうか。

豊昇龍としてもこの一番をモノにすればこの先面白い存在になるのではないだろうか。

まだまだ先は長いが、ここから先は正代自身に期待するというよりは、正代が場所を荒らすのではないだろうかという期待感がある。

ここまでは役力士は比較的充実しているため、貴景勝、御嶽海も崩れず修正してきてほしいところである。