1年納めの大相撲九州場所が明日から初日を迎える。
照ノ富士が初日から休場を表明しているため、横綱不在の場所である。
まずその照ノ富士に関してだが、膝を手術したとのことであり、長期休場が余儀なくされた。
横綱として土俵に上がるためには勝つしかないため、長期休場に関しては何ら問題ない。
『完治せず出場→途中出場』の繰り返しが最悪のパターンであるため、しっかりと治療に専念してほしいところである。
仮にしっかりと治療しても勝てない場合、それは引退を意味するものであり、それが横綱の宿命である。
さて出場力士に目を向けると、絶対的に強い力士が存在しないため、今場所も混戦が予想される。
4年前は初優勝、2年前は2回目の優勝、昨年は12勝で次点だった。
この3場所で共通するのは『序盤戦無傷』ということである。
以前記載したことがあるが、貴景勝が序盤戦無傷ならば次点以上の成績を残している。
序盤戦で躓く事なく乗り切る事が出来るかどうか。
ご当所場所の角番正代の注目点は角番脱出のみであり、優勝争いという点では何一つ期待できない。
如何せん4場所連続序盤戦1勝4敗なのだからそう思われても仕方ないことである。
今年に入ってから勝ち越しと負け越しを交互に繰り返しており、さらには成績まできれいに白星黒星が逆になる展開のため、その考え方ならば11勝は出来るがはてさて。
現実的に言えば勝ち越しが関の山になると思うが、連勝で波に乗ったときの正代は恐ろしく強さを発揮するため、対戦相手もどのタイミングで正代と割が組まれるのかというのは重要になってくるかもしれない。
正代自身が優勝でなくても、ベンチマークとなるかもしれない。
関脇に目を向けると、若隆景が先場所11勝したため、今場所が大関取りへの足固めの場所となる。
もしくは成績次第では大関の呼び声がかかる可能性も秘めている。
過去に正代が8勝→11勝→13勝(優勝)の合計32勝で昇進を果たしている。
若隆景もここまで8勝→11勝と同じ展開であるため、可能性は十分あるだろう。
とはいえ若隆景は幕内の最高成績が12勝のため、13勝はかなり高いハードルだし、さらに言えば正代の場合、8勝の前の場所に平幕だが上位圏内で13勝しており、その点も加味されていると思うが。
若隆景は4場所前の優勝が加味されることになるのかどうか。
またその正代が不甲斐ない成績が続いているため、安易に昇進させるのは如何なものかと懸念する者もいるだろう。
昇進時の成績と昇進後の成績に相関関係はないが、いずれにしても若隆景としては最低でも二桁は勝ちたいところである。
とにもかくにも二桁勝たないことには何も始まらないだろう。
関脇へ陥落した御嶽海は特例復帰の場所である。
何度か記載しているが、ここ3場所の内容を見ていると、かなり厳しいと言わざるを得ない状況であるがはてさて。
とにもかくにも初日から2連勝もしくは3連勝出来るかどうか。
これが出来れば過去のデータでは大関復帰に近付くことが可能であるが。
初日の相手が先場所敗れている明生、2日目の相手が過去の対戦成績では圧倒している逸ノ城だがはてさて。
先場所の覇者 玉鷲は今場所小結に復帰したが、先場所のように易々と勝たせてはくれないだろう。
前回優勝を果たした翌場所はは5勝10敗と散々な結果だったが今場所はどうなるか。
ここ2場所は上位圏内の平幕力士の優勝が続いているが、今場所の平幕上位に目を向けると、やはり琴ノ若には注目したい。
先場所もしっかり勝ち越しには結び付けたが、期待度から考えるとやや物足りなさも感じさせた。
離れる展開になっても四つに組む展開になってもまだ絶対的な強さがなく、身体の柔らかさを活かした相撲が多い。
ここに力強さが加われば面白いがはてさて。
初日の対戦相手は6連敗中の豊昇龍である。
ある意味最も苦手な相手とも言えるが、ここに勝って初日白星とすれば面白い。
平幕中位に目を向けると、東西の9枚目である隆の勝、阿炎が注目である。
隆の勝は先場所も怪我で番付を大きく下げていたが、怪我が癒えていなかったためか、精彩を欠いており、8勝止まりだった。
怪我が癒えていればこの地位ならば大勝してもおかしくない。
それは阿炎も同様である。
先場所は怪我で全休したが、怪我が癒えていれば隆の勝以上に大勝の可能性を秘めている。
昨年九州場所が幕内復帰の場所であり、その場所は見事に終盤まで優勝を争い12勝を挙げた。
今場所も期待したいところである。
優勝争いの予想はかなり難しい。
正直なところ13勝はおろか12勝を挙げられる力士を予想するのも難しい。
貴景勝が序盤戦無傷ならば真っ先に貴景勝と予想するのだが、ゲンの良い11月場所だからといってどうだろうか。
とりあえず私の予想としては
貴景勝、若隆景、琴ノ若、隆の勝、阿炎
この5名の中で優勝力士が誕生するのではないかという大雑把な予想である。