きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

568. 正代の評価及び大関の年間成績に関して

昨日御嶽海に関して記載したが、本日は正代に関して記載していきたいと思う。

率直な感想としては『酷い』である。

序盤戦に関しては4場所連続1勝4敗である。

春場所名古屋場所は中盤戦以降巻き返し、それぞれ9勝、10勝とし、中盤戦以降は最強と言っても過言でない強さだった。

しかし序盤戦で4敗を喫している時点で優勝争いという点では蚊帳の外だし、そもそも9勝、10勝を合格点にしている時点でどうかと思う。

私はこのブログ内でも何度か記載しているが『昔の大関はもっと強かった』という旨の発言には少し否定的ではある。

最高位が大関の勝率はいまでこそ朝乃山が0.680を記録しており、これは1場所平均10勝を越えているが、朝乃山の場合は力量が衰退して陥落しているわけではないため事情が異なる。

朝乃山を除けば高安の0.665であり、これは1場所平均10勝の0.667に僅かながら届かない数値となっている。

大関は最低10勝』というのは最高位大関では誰も成し遂げることの出来ていない記録のため、上記の通り『昔の大関はもっと強かった』に対しては否定的である。

そもそも本当に強い大関はすぐに横綱へ昇進するものである。

大関以上横綱未満』の力量である大関に関しても、片手で数えられる程しか存在しないだろう。

話は逸れたが、では正代も歴代の大関と同レベルかと言われたらその答えは『ノー』である。

まず上記の4場所連続序盤戦1勝4敗に関してだが、歴代でもこんな大関は存在しない。

今年に入ってから東京場所を負け越し、地方場所を勝ち越す展開が続いているが、結果として角番ではない場所に負け越し、角番の場所で勝ち越しを決めているのである。

角番場所では中盤戦以降火がついて巻き返すことが出来ているが、角番でなければ極論0~7勝は同じである。角番場所で負け越さなければ良い話だ。

いつぞやかの解説で舞の海が『角番制度に甘えている』と発言し、炎上したという噂を聞いたが、私も舞の海と同意見であり、そう思われても仕方ない結果しか残していないと思う。

そもそもなぜ炎上したのだろうか?

これが北の富士が発言したならばその通りだと思うファンも多かったと思うが、結局はファンも人を見て判断しているとしか思えないのだが。

今場所11日目に2勝目を挙げた時、ファンから温かい拍手が送られていた。

失礼だがこんな結果しか残していないにもかかわらず、応援し続けているファンがいることは素晴らしい事だと思う。

しかしさすがに甘すぎやしないかと思いたくなる。

御嶽海が中々大関昇進出来ず三役に長く在位していた時、序盤戦4勝1敗とした時ですら『今場所も下位に取りこぼし』と叩かれていたことがあった。

この当時の御嶽海は記載通り関脇である。そして正代は現在大関の地位で4場所連続1勝4敗という結果しか残せていないのである。

随分と扱いが異なるのではないだろうか。

度を越えた誹謗中傷はもちろん異なるが、時には厳しく接することもファンとしては重要なのではないだろうか。

ちなみに正代は今年に入ってから5場所で34勝41敗である。

来場所11勝以上しなければ大関として年間負け越しが決定するのである。

少し面白いことにここまで

6勝9敗→9勝6敗→5勝10敗→10勝5敗→4勝11敗と来ており、白星黒星を逆転させているのである。

それならば来場所11勝するのでは?という期待も膨らむかもしれないが、こんな珍記録が生まれるのを期待する程、今の正代に期待できるものはないということである。

ちなみに年6場所制以降、大関で年間6場所『白星≦黒星』となったのは以下の通りである。

四股名 年代 初場所 春場所 夏場所 名古屋場所 秋場所 九州場所 合計 備考
松登 昭和33年 全休 6勝9敗 8勝7敗 5勝10敗 1勝5敗9休 6勝9敗 26勝40敗24休 九州場所大関陥落
琴ヶ濱 昭和35年 9勝6敗 8勝7敗 3勝7敗5休 10勝5敗 6勝9敗 1勝6敗8休 37勝40敗13休 2年後九州場所引退
北葉山 昭和40年 8勝7敗 3勝6敗6休 10勝5敗 4勝11敗 8勝7敗 5勝10敗 38勝46敗6休 翌年夏場所引退
栃光 昭和40年 11勝4敗 9勝6敗 3勝6敗6休 8勝7敗 6勝9敗 5勝10敗 42勝42敗6休 翌場所引退
豊山 昭和42年 9勝6敗 5勝10敗 1勝6敗8休 10勝5敗 6勝9敗 10勝5敗 41勝41敗8休 翌年秋場所引退
大麒麟 昭和48年 9勝6敗 3勝12敗 9勝6敗 9勝6敗 3勝6敗6休 8勝7敗 41勝43敗6休 翌年九州場所引退
三重ノ海 昭和52年 8勝7敗 8勝7敗 5勝10敗 8勝7敗 7勝8敗 9勝6敗 45勝45敗 2年後秋場所横綱昇進
雅山 平成13年 8勝7敗 7勝8敗 9勝6敗 7勝8敗 3勝7敗5休 全休 34勝36敗20休 九州場所大関陥落
千代大海 平成20年 0勝8敗7休 8勝7敗 5勝10敗 9勝6敗 9勝6敗 8勝7敗 39勝44敗7休 2年後初場所引退
千代大海 平成21年 8勝7敗 2勝13敗 8勝7敗 8勝7敗 2勝9敗4休 2勝9敗4休 30勝52敗8休 翌年初場所引退
照ノ富士 平成28年 3勝3敗9休 8勝7敗 2勝13敗 8勝7敗 4勝11敗 8勝7敗 33勝48敗9休 翌年秋場所大関陥落

追記:雅山九州場所関脇でした

 

三重ノ海照ノ富士は特殊な例だが、他の力士は近いうちに大関陥落するか、引退を迎えている。

春場所に記載したことがあるが、正代の負け方を見ると引退間際の大関の相撲である。

成績を見ても過去の事例を見てもそう思われて仕方ない成績しか残していないのである。

正代ファンが期待し続けることに否定はしない。

だからと言って正代に酷評するファンも否定する気にはならない(度を越えた誹謗中傷は除く)。

正代としては脱却するためにとにかく序盤戦白星先行させ且つ二桁勝つことではないだろうか。

名古屋場所のように序盤戦で1勝4敗から最終的に10勝5敗で終えるよりも、序盤戦で黒星が少ない方が、優勝争いという点で期待が持てるだろう。

今場所も初日の相撲だけを見て期待したファンも多かっただろう。

とにもかくにも信用、信頼を取り戻すには勝つしかない。

御嶽海同様、身体面の問題なのか、それとも精神面の問題なのか、はたまたその両方なのか。

それは不明だが、早く修正してほしいところである。