しっくりこない。
もやもやする。
そして怒りに変わる。
それは逸ノ城が連敗したことも原因の1つだが、何と言っても結びの一番『照ノ富士ー若元春』が最大の原因だろう。
途中までは熱戦だった。
若元春は得意の左四つで自身が上手を引き、照ノ富士に上手を引かせない願ってもいない最高の形を作った。
照ノ富士としては左四つでも下手を引けば守りの強さを発揮する力士だが、その下手が1枚で伸びていたため、力を十分に発揮することは出来ない状態であり、明らかに勝手が悪い状態だった。
そして土俵中央で若元春が攻めようとした瞬間、行司が廻し待ったの呼び声。
思わず私は『いや今じゃねえだろ』と声を出してしまった。
照ノ富士は力を緩め寄り切られる形となったが、長い協議の末、廻し待ったと同じく左四つに組んだ状態で再開となった。
これに関して判断は良かったと思うが、問題は四つの組み方である。
本来照ノ富士の下手は1枚であり、さらに伸びている状態だった。
若元春は廻しを完全に締め直しており、照ノ富士が1枚廻しを引く状態を再現できず、がっちりと下手を引く形となってしまった。
本来の廻し待ったならば、ほどけた部分を結ぶだけのため、1枚廻しを引き直すということはしないだろう。
結局照ノ富士は本来ならば下手1枚から再開のはずが、しっかり下手を引き付ける形となったため、これ以上ない形となったわけである。
再開後は案の定、下手に十分力が伝わるため、下手投げで転がして勝負を極めた。
照ノ富士が救われたとかそんなことを言うつもりは全くない。
元凶は行司である。
この式守伊之助は元々差し違えもかなりの回数重ねているし、その他でも明らか位置取りが悪い取り組みも見受けられるし、そして今回の失態である。
立行司とはいわば力士で言えば『横綱』である。
横綱が勝てなくなったとき引退を表明するのと同じように、本日付けで引退を表明してほしいと願うほどである。
もちろん差し違えを犯した際、進退伺はしているが、こんなもの所詮形だけである。
何回切腹すれば気が済むのかと思わせる程失態を犯し続けているが、今回の一件は本当に許せない。
正直私自身、行司に対してこんな怒りを覚えたことはない。
それくらいこの熱戦に水を差したことが罪だと思っている。
勝った照ノ富士としてもやりきれない思いだろうし、負けた若元春は悔いだけが残るだろう。
相撲ファンの間ではここ数年、舞の海の一挙手一投足に突っ込んでいるようだが、そんなチンケな事よりこの一件に関してどう思うのだろうか。
それも疑問である。
明日から後半戦へ突入するが、本当に式守伊之助の顔すら見たくないのだが。
逸ノ城にも触れようと思っていたが、本日はやめておく。