きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

488. 上位圏内に在位し続ける関脇以下

春場所が終了した時点で『次の大関候補は誰か?』と問われたら『若隆景』と答えるファンは多いだろう。

それほど今場所の若隆景の相撲は巧さと力強さを兼ね備えた相撲であった。

しかし春場所前ならば、評価としては平幕で2場所連続12勝の阿炎の方が上だったと思うし、また明生、隆の勝の2名も若隆景と同格の力量を持った力士と言えただろう。

しかし若隆景が優勝した一方、阿炎は終盤戦上位と割を外された中で8勝、隆の勝は4勝、明生に至っては1勝という大不振で終えたため、今場所だけでかなりの差が生じてしまったように感じた。

若隆景は今場所の優勝だけに目が行きがちだが、そもそもここ1年、常に上位圏内で相撲を取り続けていた。

同じように関脇以下の上位圏内に在位する力士はどのくらい存在しただろうか。

またその力士達の成績は如何なものだっただろうか。

場所によって横綱大関の人数、同部屋の関係等で上位圏内の枚数にも変動があるのだが、今回は『5枚目以内』を上位圏内の定義とした。

その中で、ここ1年で4場所以上上位圏内に在位した力士は『11名』である。

これが多いのか少ないのかは不明だが、以下に成績の詳細をまとめた。

四股名 上位圏内場所数 上位圏内1年の成績 上位戦成績 勝ち越し数(二桁) 三役在位数
若隆景 6場所 52勝38敗(0.578 4勝15敗(0.211)
横綱:0勝4敗(0.000)
大関:4勝11敗(0.267)
5場所
(1場所)
2場所
大栄翔 6場所 44勝46敗(0.489) 6勝14敗(0.3)
横綱2勝3敗(0.4)
大関:4勝11敗(0.267)
3場所
(1場所)
2場所
隆の勝 6場所 42勝48敗(0.467) 3勝11敗(0.214)
横綱:0勝4敗(0.000)
大関:3勝7敗(0.3)
2場所
(1場所)
3場所
明生 6場所 37勝53敗(0.411) 7勝13敗(0.350)
横綱2勝2敗(0.5
大関:5(1)勝11敗(0.313)
3場所
(0場所)
4場所
逸ノ城 5場所 40勝35敗(0.533) 7勝9敗(0.438
横綱:0勝5敗(0.000)
大関7勝4敗(0.636
4場所
(1場所)
2場所
豊昇龍 5場所 37勝36敗2休(0.507) 6勝9敗(0.4)
横綱:0勝3敗(0.000)
大関:6勝6敗(0.5)
2場所
(1場所)
1場所
霧馬山 5場所 37勝38敗(0.493) 5勝11敗(0.313)
横綱:0勝3敗(0.000)
大関:5(1)勝8敗(0.385)
2場所
(1場所)
1場所
阿武咲 4場所 28勝32敗(0.467) 3勝12敗(0.2)
横綱:1(1)勝2敗(0.333)
大関:2勝10敗(0.167)
1場所
(1場所)
0場所
高安 4場所 27勝28敗5休(0.491) 4勝12敗(0.250)
横綱:0勝3敗(0.000)
大関:4勝9敗(0.308)
1場所
(1場所)
3場所
遠藤 4場所 24勝26敗10休(0.480) 5勝8敗(0.385)
横綱:0勝3敗(0.000)
大関:5勝5敗(0.5)
2場所
(0場所)
0場所
北勝富士 4場所 22勝28敗10休(0.440) 2勝11敗(0.154)
横綱:0勝3敗(0.000)
大関:2勝8敗(0.2)
1場所
(0場所)
0場所
阿炎 1場所 8勝7敗 2勝2敗(0.5)
横綱:1勝1敗(0.5)
大関:1勝1敗(0.5)
1場所
(0場所)
1場所

※赤字はその項目の最高成績

阿炎の上位圏内は今場所だけだが、参考までに入れてみた。

ここ1年以内の前頭5枚目以内の成績だが、上位戦の成績に関しては上位圏内の地位に在位しなくても、その場所で対戦があれば含めている。

例を挙げれば今場所高安は前頭7枚目で上位圏外であるが、3大関との対戦があったため、上位戦2勝1敗は計算に含めている。

この表を見ると、1年間全て上位圏内に在位した力士は若隆景、大栄翔、隆の勝、明生の4名である。

冒頭では大栄翔について触れていなかったが、やはりここらが同格なのは納得できる。

多くの力士は1年間の成績で黒星の方が多いのに対し、若隆景と逸ノ城は白星が多い結果となっている。

若隆景は年5場所勝ち越しも果たしているため、仮に春場所が一桁勝ち越しに終わっていたとしても、この1年間は白星が多い結果となっていた。

これを見てもわかるように、若隆景の安定感は他の力士と比較して群を抜いていると言っても過言ではないかもしれない。

しかし上位戦の成績に目を向けると若隆景は0.211であり、下から3番目と低順位である。

横綱戦においては未勝利である。

一方この項目で輝きを放つのが逸ノ城である。

逸ノ城横綱戦こそ惨敗だが、大関戦は7勝4敗と勝ち越している。

正代を得意としており、ここ数場所は貴景勝にも強いため、それが要因と言える。

明生、大栄翔辺りは横綱戦で健闘しており、五分近くの成績を残している。

総合すると若隆景だが、爆発力を秘めた明生、大栄翔、そして大関に強くちゃっかり(?)上位圏内で勝ち越しの多い逸ノ城と言ったところか。

豊昇龍、霧馬山辺りは大関戦で健闘しているが、横綱戦に完敗している結果である。

中堅の遠藤、北勝富士は休場していた影響もあるが、ここ数場所上位戦では苦戦している様子である(とはいえ遠藤は今場所勝ち越したが)。

阿武咲は中位以上上位未満といった力量であり、5~6枚目辺りならば勝ち越せるが、3枚目以内になると負け越すことが多く、中々上位定着が難しいところである。

高安が今場所上位圏外とはいえ、3大関とは総当たりして結果を残したため、来場所上位圏内で結果を残せるかどうか。

そして阿炎は今場所新関脇で勝ち越したとはいえ、終盤戦上位との割を崩され、大関戦は御嶽海戦だけに留まった。

何なら上位圏外だったここ2場所の方が上位戦が多かったレベルである。

若隆景に話を戻すと、この中では間違いなく最高の安定感であり、結果を残していると言える。

しかしさらに上を目指すならば横綱戦がカギとなるだろう。

それは逸ノ城にも同じことが言えるか。

明生、大栄翔の場合は同格相手に勝ち切ることが出来るかどうかがカギとなるだろう。

そして阿炎はこの先どうなるか注目である。

誰が次の大関となるのか。

私も今場所を見たら若隆景が第一候補だが、2番手には豊昇龍の名前を挙げておこう。

はてさて…