きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

485. 今場所の3大関の評価

激闘の優勝決定戦から1日経過したが、未だ余韻に浸っている自分がいる。

昨日は若隆景、高安、琴ノ若を中心に触れたが、本日は3大関について触れていこうと思う。

照ノ富士の休場により横綱不在となり、そうなれば優勝争いで期待されるのは番付上2番手の大関であった。

各々見ると御嶽海は若隆景に、貴景勝琴ノ若に、正代は若隆景、高安に勝利しており、全員が千秋楽まで優勝争いしていた力士にそれぞれ土をつけており、存在感は見せたと言える。

しかし15日間全体で見れば、二桁に到達したのは御嶽海だけであり、その御嶽海ですら千秋楽まで優勝争いに加わることは出来なかった。

横綱不在の中で関脇と平幕2人に遅れを取ってしまったのは大いに反省すべきことだろう。

まず新大関御嶽海から振り返ると、新大関の場所で11勝は過去の新大関の成績を考慮しても十分合格点だろう。

何せ私は場所前の展望では9勝と予想していたくらいだから、予想以上に御嶽海の強さを感じさせた場所だったように思える。

そして先場所に引き続き『連敗をしなかった』ことは評価に値するのではないだろうか。

終盤戦はヌケヌケの星になったが、それでも全体を通して見ると連敗はなかったし良かったと思える。

問題は負け方ではないだろうか。
4敗全てがあっさり土俵を割る内容だった。

暴論粘ってもそれが白星に繋がったかどうかはわからないが、最後まで諦めない姿勢を見せることもプロの仕事だと思う。

大関としては合格だが、来場所以降同じ展開ならば批判の声も大きくなる可能性は高い。

御嶽海にとって来場所以降が大関としての真価を問われる場所となっていくだろう。

次に貴景勝だが、11日目に勝ち越しを決めて角番脱出を果たした。

序盤戦に2敗したことを鑑みれば比較的早い勝ち越しだったと言えるだろう。

また何なら中日までで考慮すれば、2敗を喫しているとはいえ優勝候補には挙げられていた。

それほど連勝中の内容は貴景勝らしい押し相撲が冴えていたが、角番脱出してからは4連敗であり、終わってみれば8勝止まりだった。

気が緩んだわけではないと思うし、怪我の影響という感じにも見受けられなかった。

単純に終盤戦は力負けしており、押し切れない相撲が続いていたように感じた。

そもそも9日目の遠藤戦、10日目の宝富士戦もらしくない相撲内容であった。

貴景勝の場合、この先大きく相撲内容を変化させるのは不可能と言っても過言ではないだろう。

押しに徹してここまでやってきた力士であるため、この力士の場合はとにかく稽古あるのみと言ったところか。

最近の貴景勝は『好成績→怪我→角番→勝ち越し→好成績』という流れに至ることが多いため、来場所以降の奮起に期待である。

そして最後に正代。
ある意味では今場所最大の主役だったのではないだろうか。

角番場所で初日から4連敗。
しかも相撲内容があまりにも一方的であり、引退場所の大関の相撲を見ているような気分だった。

一度は正代について触れるのはやめようと思ったほどである。

5日目に初白星を挙げたときでも厳しいことには変わりなかった。

それがまさかの終わってみれば9勝6敗。
しかも今場所優勝決定戦へ進出した若隆景、高安まで下している。

終盤戦最強は正代と言っても過言ではない程強さを見せつけていた。

大関のためもちろん三賞受賞はないのだが、何か特別賞を受賞させても良いのではないかと思うほどだった。

とはいえ冷静に振り返ると、15日間全体で見ればあくまで9勝止まりである。

初日から4連敗のため優勝争いからは早々脱落し、二桁にも届いていない。

これで7場所連続で二桁に届かない成績であり、これに関しては大関として如何なものだろうかと問われても仕方ないだろう。

終盤戦の正代は間違いなく最強だった。
これは事実である。
しかし15日間全体で見れば優勝争いとは無縁である。
これも紛れのない事実である。

今場所は精神面も噛み合って力を発揮することが出来れば、展開次第では優勝争いも出来るという可能性を見出だしただろう。

ある意味地獄の底から這い上がってきたため、是非とも来場所以降は優勝争いに顔を出してほしいところである。

3大関の総評としては存在感を見せつける場面はあったが、自分自身が優勝争いに顔を出してほしかったというのが本音か。

来場所以降の活躍に期待である。