昨日番付発表が行われ、本場所まで残り僅かの日にちである。
番付を見てみると、阿炎が新関脇へ昇進を果たした。
小結時代に勝ち越しを果たしても番付運悪く、巷では『最強小結』とまで呼ばれていた阿炎だが、晴れて関脇へ昇進する形となった。
阿炎は平幕で2場所連続二桁勝利を挙げている。
これは年6場所制となった昭和33年以降『63回目』である。
回数だけ見るとそこまで珍しい記録に感じないかもしれないが、昭和33年初場所から令和4年初場所まで全383場所であるため、やはりそう簡単に成し遂げられる記録ではないと言える。
しかも2場所連続12勝ならば尚更である。
過去に平幕で2場所連続12勝以上は隆の里だけである(隆の里は12勝→13勝)。
実は平幕で2場所連続二桁勝利達成の記録、阿炎自身達成したのは2回目である。
過去2回以上達成したことある力士は今回の阿炎を含め『全7名』である。
ちなみに最多は3回の『出島』である。
話は阿炎に戻るが、以前達成した時の阿炎の成績は以下の通りである。
・平成30年初場所(東前頭14枚目):10勝5敗
・平成30年春場所(東前頭7枚目):10勝5敗
・平成30年夏場所(西前頭2枚目):7勝8敗
上位初挑戦場所で金星も挙げたが、惜しくも一点の負け越しを喫してしまった。
過去62回(今回の阿炎を除く)の3場所目の成績のまとめは以下の通りである。
全員が3場所目には上位挑戦となるため、割合で見れば上位に跳ね返される力士が多いのだが、その中でもさらに二桁勝ち越しを果たした力士も存在する。
最近の達成者は『阿武咲』であり、しかも阿武咲は史上唯一の『新入幕から3場所連続二桁勝利』を達成している。
過去の達成者を見ると、横綱、大関へ昇進を果たした力士も存在するし、関脇へ留まった力士も多く存在する。
しかも3場所目の成績によってその後の番付に大きな影響を及ぼしているかと言われたらそうとも言い難いため、考察も難しいところではある。
ちなみに後の横綱昇進力士でこの記録を達成している力士は、栃ノ海、佐田の山、琴櫻、輪島、三重ノ海、隆の里、白鵬の7名である。
7名の3場所目の成績は
・栃ノ海(東前頭2枚目):全休
・佐田の山(東関脇):8勝7敗
・琴櫻(西小結):8勝7敗
・輪島(東小結):10勝5敗
・三重ノ海(西関脇):9勝6敗
・隆の里(西関脇):11勝4敗
・白鵬(東前頭3枚目):8勝7敗
栃ノ海は全休であるが、さすが後の横綱ともなれば負け越しを喫したものは存在しないため、横綱を目指すならば負け越すわけにはいかないと言ったところか。
とはいえ関脇へ昇進したばかりの阿炎にそこまで過度な期待を寄せるのはさすがに酷であると言える。
しかし今や阿炎は大関候補最右翼と言っても過言でない程、ここ2場所の活躍が光っている。
前回は負け越しを喫したが、今場所ははてさて…