きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

442. 2022年初場所6日目を勝手に語る

大相撲初場所は中盤戦へ突入したが、早々に波乱が起きた。

ベテラン玉鷲照ノ富士から金星を挙げ、照ノ富士の連勝を23で止めた。

また照ノ富士が中日前に黒星を喫するのは昨年の春場所以来である。

怪我をしていた大関時代には玉鷲に苦戦を強いられていたが、照ノ富士が序二段まで陥落して幕内へ復帰して以降、玉鷲に5戦5勝だった。

決して楽な相手ではないことは間違いないが、それでも照ノ富士玉鷲に負ける姿というのが想像出来なかった。

ある程度押し込まれるのは照ノ富士自身も観戦者も想定内だっただろう。
むしろ玉鷲自身もある程度押し込めるという思いはあっただろう。

先場所から『あと一歩』という対戦相手の姿は何度も目にしてきている。

今場所序盤戦5日間で3回も土俵際まで攻められているが、それでも残してしまうのが照ノ富士の強さである。

そして本日も玉鷲が立ち合い踏み込み良く、攻め込む場面から始まった。

上記の通りこれは想定内である。
ましてや土俵際まで押し込んでいるわけでもない。

この段階ではいつも通りの光景、照ノ富士の逆襲が始まるのかなという思いで観戦していた。

しかし少しおかしいと思い始めたのが、玉鷲の右のおっつけが見られたときである。

最初は突き放していく展開だった。
途中右でおっつける形となり、ハズ押しのような流れから、照ノ富士の体勢が明らかに悪くなった。

最後は玉鷲が突き落として照ノ富士がばったり手をついた。

しかも負け方がここ数場所では珍しく前に落ちるというものであった。

照ノ富士がこのようにばったり手をついて敗れるのは昨年夏場所貴景勝戦以来ではないだろうか。

負けた相手、負け方、どれを見ても驚きを隠せない展開である。

守りの強さを発揮している一方、相手に攻めを許すことが多すぎるという見方も出来るのか。

今場所で横綱在位3場所目だが、対戦相手は毎度工夫を凝らして照ノ富士に挑んでいる。

そして多くの力士がやりたいこと、狙い通りの相撲を取ることが出来ているが、その中でも照ノ富士がさらに上をいき、退けてきたという背景がある。

一時代を築いたどんな横綱でさえミスを犯して黒星を喫した相撲というのは存在する。

本日の照ノ富士もたった1つの黒星であり、大袈裟なのは承知なのだが、それでも照ノ富士の守ってきた横綱相撲が一気に崩れ去るような感じがしてしまった。

それだけ照ノ富士の守りの強さを崩した玉鷲の相撲に驚きを隠せないのだ。

この1敗がどのように影響を及ぼすのか。
明日以降の照ノ富士の相撲に注目である。

とまぁ締めのような文脈になってしまったが、その他力士も振り返ろう。

それはそうと照ノ富士を下した玉鷲は本当に素晴らしかった。

とても37歳とは思えない立ち合いの踏み込み、そして強烈なおっつけ、ハズ押しだった。

人数は2名しかいないが、これで上位総なめとなった。
成績も5勝1敗と好調であり、勝ち越せば早い話だが殊勲賞も狙えるだろう。

それを意識して相撲が雑にならなければ良いが、3年前の初場所の覇者の実力は伊達ではなかった。

本日注目の割である『御嶽海ー遠藤』の一番は、御嶽海が完勝した。

先場所遠藤に前ミツを取られて敗れており、本日も前ミツを許しかけたが、立ち合いの出足、馬力で圧倒した。

今場所の両者の調子から見たら当然と言えば当然かもしれないが、御嶽海の相撲に厳しさが増してきた印象である。

昨日御嶽海に関して記載したが、過去には5連勝、5連敗を経験したこともあるのだが、さすがに今場所はそこまでには至らないだろうという思いは強い。

気を緩めることなく、集中して取り組んでいけば大きなミスは無く、二桁は固いと思うのだが。

平幕全勝の阿炎が今場所初めて攻め込まれる展開となったが、逆転で6連勝とした。

相撲巧者の志摩ノ海相手であり、志摩ノ海はあてがうのも巧い力士ではあるが、今場所の阿炎の突き押しの威力を見ていると一方的な内容になるだろうと予想していた。

しかしそれとは裏腹に志摩ノ海が阿炎の突っ張りをうまくあてがって攻め込む展開となった。

阿炎も慌てただろうが、しかし好調力士というのはそう簡単に土俵を割ることはない。

うまく引っかけてから上手を引いて回り込んで逆転に成功した。

正直危ない相撲だが、逆に言えばこういう相撲を白星に結びつける辺り、やはり今場所の阿炎も平幕ながら優勝候補の一人に挙げられるだろう。

一応大関正代も触れておこう。
大の苦手である逸ノ城に良いところなく敗れた。

立ち合い当たって左を差したかったのだろうが、当たりを止められ、さらに差し手争いも敗れて右を差されてしまった。

そこから正代にしては珍しく左おっつけから頭をつける展開となったが、慣れないことをしてもうまくいかず、差し手を深くされて寄り切られた。

さすがに今場所の正代は酷すぎやしないかと思う内容である。
星は3勝3敗の五分だが、実質1勝5敗といっても差し支えない内容である。

何をやってもうまくいかずに迷っているのだろうが、どこかできっかけを掴まなければまた割崩しを行われてしまうだろう。

1横綱1大関しかいないのに仮に割崩しが行われるならば、審判部の割の編成がいつもに増して腐っていることの証明になるだろうが、いずれにせよ『照ノ富士ー正代』の割を千秋楽に組むのは避けても良いだろう。

10日目辺りに当ててしまっても良いと思うのだが。

明日の注目の割は
照ノ富士ー遠藤』
『御嶽海ー玉鷲
この2番である。

連勝ストップの照ノ富士が敗れた翌日にどのような相撲を取るのか。

相手は相撲巧者の遠藤であり、過去は苦戦を強いられることの多い相手である。

本日は別として、押し相撲相手には攻めさせるだけ攻めさせて逆襲出来るが、巧さのある四つ相撲相手にどのような展開になるか。

前さばきの巧さ、差し手争いになれば正直遠藤の方が上だと思う。

しかし本日の御嶽海戦のように遠藤には馬力がないため、良い形を作ったとしても照ノ富士の圧力に屈する可能性はある。

いずれにせよ照ノ富士としては雑な相撲だけは避けたいところである。

本日照ノ富士を下した玉鷲は明日御嶽海と対戦するが、正直この一番は何だかんだで御嶽海が勝つとは思っている。

玉鷲が攻め込む展開になっても御嶽海の突き落としにばったり手をついたり、少し様子を見ていくと電車道で御嶽海が圧倒するという姿が目に浮かぶ。

これが相性というものだろうが、ここで玉鷲が勝つようなことがあれば、優勝争いはますます混沌とするだろう。

照ノ富士が敗れたことにより、優勝争いは面白くなっただろう。

そもそも照ノ富士が追いかける展開は昨年の春場所以来である。

そして照ノ富士が敗れたことにより、御嶽海、阿炎にどのような影響を及ぼすだろうか。

変に優勝を意識して自分を見失うことだけは避けたいところである。

まだ中盤戦が始まったばかりである。
熱い思いは重要だがまだ先は長いため、秘めておいた方が良いと思うがはてさて…