きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

425. 2021年九州場所千秋楽を勝手に語る

昨日照ノ富士が14日目に優勝を果たし、千秋楽の見所は『照ノ富士全勝優勝なるか?』という点だった。

本日は15時半頃から幕内の取り組みに目を通していたのだが、淡白な内容がずっと続いていた。

私事だが昨日夜遅くまで飲んで本日も15時頃まで出掛けていたため、あまりに淡白な相撲が続くものだからうつらうつらと観戦していた。

何せ今場所の主役であった阿炎ですら本日は今場所で最も最悪な相撲を取ってあっさりと土俵を割ってしまった。

まぁこの一番に関しては隆の勝が素晴らしかったこともあるし、この一番だけで今場所の阿炎の評価が落ちるわけではないのだが、両者の今場所の状態を踏まえると熱戦を期待していただけに残念であった。

そこからしばらく寝てしまい、これより三役の手前辺りで目が覚めたのだが、そこからも淡白な相撲が続く。

これより三役に突入し、『正代ー御嶽海』の一番に関してはある程度熱戦を期待したのだが、これも呆気なく御嶽海が勝利。

御嶽海の今場所は、相変わらず勿体ない相撲もあったが、何だかんだ11勝したのは大きかった。

一方正代は終盤戦正代らしい立ち合いの踏み込みが見られていたが、昨日、本日と良いところなく連敗。

土俵際のしぶとさも発揮することなくあっさりと土俵を割ってしまった。

正直全然面白くないし如何せん『眠たいなぁ~』と思いながら観戦を続け、注目の結びの一番。

さすがにこの一番の時には目もしっかり覚めていた。
そしてこの一番は見応えのある相撲だった。

貴景勝の立ち合いの当たりは悪くなく、懸命に突き起こしていくが、照ノ富士は左半身になってどっしりと構えており、全く動じなかった。

貴景勝としては少しでも照ノ富士の上体を起こし、隙を見て左突き落としも交えて攻めたかったのだろうが、照ノ富士が動じないため、為す術がなかった。

最後は喉輪で攻め込もうとするが、照ノ富士はこれも余裕で残し、最後は圧力をかけて押し出した。

この一番を見て『照ノ富士、岩じゃん』と思ってしまった。

今場所の貴景勝は間違いなく好調だった。
そして本日も力は出し切っていると思うが、照ノ富士の方が何枚も上手だったということだ。
現状の貴景勝の力量では、あの岩を動かすことが出来ないということだ。

1年前の11月場所、貴景勝は変わらず大関だったが、照ノ富士は久々に三役へ復帰した場所だった。

優勝決定戦で両者が激突し、その時は貴景勝の突き押しに対し、照ノ富士は為す術なく後退してしまった。

照ノ富士はこの1年で恐るべき進化を遂げてしまい、立場は一気に逆転した。
今は貴景勝の方が為す術なしである。

今場所の照ノ富士はまさに『横綱相撲』を体現していたのではないだろうか。

相手に攻めさせるだけ攻めさせて、最後は自分の形になって勝利する。

厳密に言えば今場所は廻しに拘らずとも相手に圧力をかけて圧倒していた。

膝に爆弾を抱えているため、一歩間違えたらどうなるのかという不安も少しあるのだが、今場所15日間を見る限り全く問題ない様子だった。

何せ千秋楽に今場所絶好調の貴景勝の突き押しをあれだけ余裕を持って受け止めるのだから。

初めて14勝以上で優勝を果たし、しかも全勝。
照ノ富士はまだまだ進化し続けるだろう。

現状驚異となる力士もいないため、優勝回数もまだまだ伸びていきそうである。

そして上記でも少し触れているが、今場所の貴景勝は素晴らしかった。

勿体ないと思う相撲は明生戦くらいか。
とはいえ照ノ富士には通用しなかった。

突き押し一本の貴景勝にとって分厚い壁であるが、今後どのように攻略していくのか。

今後の貴景勝の活躍に期待である。

もう一人今場所の主役である阿炎は千秋楽こそ残念だったが、今場所は強くなって戻ってきたことを証明することができた。

これが上位圏内でも安定して力を発揮することが出来るかどうか。

今場所上位力士及び同格との対戦は照ノ富士貴景勝、隆の勝、玉鷲北勝富士といったところだろう。
上記力士との成績は2勝3敗であり負け越しているため、上位圏内でも安定した成績を残せるようになれば再び三役に戻ることも出来るだろう。

そして中盤戦辺りから存在感を示したのが隆の勝である。

立ち合いの踏み込み、スピード、そして前に落ちることもなく持ち味の出足相撲が冴えていた。

私自身、元々この力士はかなり期待しており、関脇へ在位している期間、『御嶽海と隆の勝どちらが強いか?』という問いに対しては御嶽海と答えていたが、『どちらが大関に近いか?』という問いに対しては隆の勝と答えていた。

今場所をきっかけにして再び三役定着してほしいところだが、1場所だけの活躍に留まる力士が多いのが現状である。

大栄翔もそうだが、先場所二桁勝ち、状態が上向きだと思われたが、今場所は勝ち越しが関の山だった。

中盤戦を見ていたらよく勝ち越しまで持ってきたなと驚きはあるのだが、中々連続して活躍することが出来ない。

だからこそ御嶽海がいつまで経っても関脇止まりなのだが。

御嶽海、隆の勝、大栄翔と皆上位圏内で二桁勝つ力量は持ち合わせていることは間違いない。

爆発力に関しても御嶽海、大栄翔に関しては優勝まで果たしているのだから持ち合わせているはずである。

しかしこれが3場所連続となるとやはり厳しくなるのである。

御嶽海は9勝、11勝としているため、来場所展開によっては12勝でも大関の呼び声がかかる可能性も十分あるだろう。

期待を裏切ることが得意な力士であるが、来場所はどうなるのか。

今場所全体を通じて、照ノ富士の絶対的な強さが光る場所であった。

そしてもうひとつ気になる点が、多くの力士が『速攻相撲に拘り過ぎている』ことである。

上位でも正代、明生、隆の勝、そしてその他力士も該当するわけだが、立ち合いの踏み込みから圧倒する相撲は確かに素晴らしい。

しかし立ち合いの当たりを止められた後の対処、その後叩きにばったり手をつくという場面も多く見受けられる。

そこらの対応が出来るようになれば特に正代はもっと白星を積み重ねることが出来ると思うのだが。

今年の大相撲もこれにて千秋楽。
コロナ禍でも90日間観戦出来たことは喜ばしいことであり、力士達には感謝の気持ちでいっぱいである。

私にとって九州場所が終了するそれすなわち今年終了を意味する。

明日から退屈になるものだ…

相撲ファンの皆様も15日間観戦お疲れ様でした。