きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

423. 2021年九州場所14日目を勝手に語る

結び前の大関同士の一番。
貴景勝が昨日の相撲を引きずることなく完勝し、逆転優勝へ一縷の望みを繋ぐ。

そして結びの一番、本日注目の『照ノ富士ー阿炎』。

取り組み前はいくら今場所の阿炎の突き押しの威力が増していても、照ノ富士を揺るがすほどのものではないと考えていた。

如何せん今場所の照ノ富士は相手に攻められても余裕を持って冷静に対処してきた。

そのため立ち合いから阿炎がもろ手突きで照ノ富士の上体を起こし、向正面土俵際まで攻め込んだ時、思わず『えっ?うそっ?』と叫んでしまった。

上記の通り今場所の照ノ富士は磐石な内容で全勝としており、その照ノ富士が立ち合いから数秒で土俵際まで攻められるのだから驚きである。

並みの力士ならば間違いなく阿炎は勝利していただろう。
何せ昨日、今場所好調の大関貴景勝ですら阿炎の突き押しの餌食になっているのだから。

しかし照ノ富士は違う。
上体が起こされ、土俵際まで攻められても、右から抱え込んで残すことが出来る。

阿炎としては最後のひと押しが出来ず、左も一瞬ハズにかかっていたが差してしまい、肩透かしにいこうとしたところバランスを崩してしまった。

左に関しても照ノ富士が抱え込んできたため、差してしまう展開に陥ってしまったという方が正しいか。

たった数秒の相撲だが、今場所お互いの長所が存分に発揮された一番だった。

横綱が前頭15枚目に勝利する。
言葉にしても結果としても当然の出来事だろう。
しかし単純にそれだけでは表現できないほど素晴らしい一番だった。

阿炎は強くなって幕内へ戻ってきた。
ただ強くなったのではなく、上位を脅かすほどまで力をつけて戻ってきた。

しっかり反省して努力した結果、今場所の活躍に繋がった。
これは喜ばしい出来事だろう。

だからといって易々と平幕に、しかも先場所まで十両だった力士に横綱が負けるわけにはいかない。

両者の良さが発揮されつつ、番付の重みも感じさせられる相撲だった。

何度も言うが、たった数秒であるが本当に素晴らしい一番だった。

照ノ富士自身初の14勝以上による優勝。
横綱からの連覇は大鵬以来。
そして今年4回目の優勝。

強引な相撲を取っていた頃の照ノ富士の面影はもうない。

照ノ富士自身も進化を続けている。

照ノ富士、優勝おめでとう。
そして阿炎も何一つ恥じることのない素晴らしい相撲だった。
貴景勝も昨日の相撲を引きずることなく、本日はよく自分の相撲を貫いた。

本日最後2番は本当に素晴らしかった。
本日語るのはこれだけで十分だろう。