きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

399. 白鵬引退に関して①~率直な思い~

本日朝6時40分頃、ネットニュースで白鵬引退の報道を目にした。

朝っぱらから驚きを隠せなかったが『ついにこの日が来たか』という思いも強かった。

仕事中も白鵬について考えていたが、一言で表すのが不可能な力士である。

良くも悪くも『大相撲を変えた』ことは間違いない。
それは強さにおいても横綱という立場においても。

大相撲はいまやマイナースポーツである。

『相撲人気回復』
『女性人気が凄い』
などといったニュースも目にするが、実際のところコアなファンからすれば何一つ変化していないと思われているだろう。

現に私の周りで相撲観戦している人など皆無である。

『あの人貴景勝に似ている』と私が発言しても『貴景勝って誰?』と返される始末だ。

しかし白鵬は違う。
全く相撲を観たことがない人でもその四股名だけは知られている。
いや四股名だけではなく、しっかり顔も知られている。

そして『白鵬って凄く強い』という認識がされている。

私は幼い頃から相撲観戦してきて、周りの人達に大相撲の魅力が少しでも伝わればという思いがあり、思わず熱弁してしまうことがある。
いわばこのブログもそうである。

しかし実際は誰も聞く耳など持たず、大相撲に興味を抱く人など存在しない。
浸透するのは『悪事のみ』である。

そして悪事があるときだけ興味のない人に『あれについてどう思うの?』とバカにされるように質問されてきた。

その中でも白鵬という絶対的な強さを持った力士だけは知られていた。
これは大相撲ファンからしたら誇りである。

逆にコアなファンからの方が評価は低い傾向にある。

優勝回数を筆頭に今後抜かれることはないだろう大記録を前にしても、白鵬に対しての評価は低い。

『最強横綱は誰か?』というファンの中では論争の尽きない話題においても、白鵬の名が挙がることは少ないように感じる。

これに関して私自身、理由は大きく分けて2つあると考える。

1つは『ライバル不在』とされていたこと。

朝青龍引退後の平成22年からは2年程1人横綱時代が続き、その間に7連覇、63連勝を達成した。

また後に日馬富士鶴竜横綱昇進を果たすも、再び6連覇を達成するなど白鵬独走の展開が続いたため、ファンからはライバル不在との声が挙がっていた。

しかし歴代横綱を振り返ると大鵬千代の富士もライバルがいたとは言い難い。

大鵬の場合まず真っ先に『柏戸』の四股名が出てくるが、優勝回数は大鵬31回、柏戸5回と歴然たる差であり、6連覇も2度許している。

他にも同時期の横綱佐田の山栃ノ海が存在するが、優勝回数及び大鵬との対戦成績は歴然たる差だった。

千代の富士も同時期の横綱として双羽黒北勝海大乃国旭富士などがいたが、優勝回数及び対戦成績は歴然たる差であった(北勝海とは同部屋)。

そして白鵬だが、日馬富士鶴竜稀勢の里と同時期に横綱が存在するが、日馬富士は優勝回数9回(全勝3回)、鶴竜6回、稀勢の里は2回に留まるが白鵬の連勝を63連勝、43連勝とそれぞれ止めている。

しかも白鵬は当時の第一人者である朝青龍が君臨する中で横綱へ昇進し、また朝青龍が在位中でも年間86勝を達成している。

そのため他の時代と比較してもそこまでライバル不在と叩かれるほどのレベルではないと言える。

白鵬1人横綱時代は13日目に優勝が決定することも多く、それに対して白鵬の強さを称えるよりも『周囲の不甲斐なさを評価する』ことが大半だった。

そのためいくら記録を樹立したところで『周りがだらしないから』と正当に評価していないファンも多かったように感じる。

そしてもう1つは『晩年の印象が強くなりすぎた』こと。

最近のSNSのコメントを見ると白鵬の相撲と言えば『張り差し、かち上げ』さらには『肘打ち』という認識である。

これに関しては間違いない事実であるが、はじめからこの相撲内容だったわけではない。
張り差しに関しては若い頃からちらほら見られていたが。

白鵬は関脇だった平成18年初場所から『立ち合い低く踏み込み左前ミツを浅く引く』相撲を確立させた。

その相撲内容を磨き、大関横綱と一気にかけ上がった。

その後も『左前ミツ』『右四つ』は白鵬の絶対的な型であり、さらには『廻しを切る技術』に関しては歴代でも最高峰であった。

同時期に活躍した鶴竜琴欧洲把瑠都豪栄道など右四つの力士が数多く存在するが、白鵬に勝てない最大の理由が『廻しを切る技術』にあったと言っても過言ではない。

相四つ相手にはまず負けることがない絶対的な右四つの型を持っていた。

そしてこの相撲内容のまま平成27年初場所には優勝回数を33回とし、当時トップである大鵬の記録を更新した。

そして同年秋場所横綱として初めて休場を経験し、その後相撲内容に変化が見られるようになってきた。

張り差し、かち上げ、猫だまし、記憶に新しい仕切り線よりだいぶ下がっての立ち合いなど。

流血させることもあり『横綱として如何なものか』と物議を醸すようになり、そして白鵬の相撲内容=張り差し、かち上げという認識がなされた。

『汚い相撲で樹立した記録』などと揶揄されることも多いが、言い換えれば相撲内容を変化させる前から優勝回数に関わる記録においては更新してしまっていたのである。

そして相撲内容だけでなく、白鵬は発言、行動に関しても注目を浴びることが多かった。

『子どもでもわかる発言』
『立ち合い成立への不服』
『三本締め』
などなど。

これらに関しては擁護出来ないし、正当化することも出来ない。

横綱として如何なものかと言われたらその通りだと思う。

しかしこれらの問題と強さに関しては別個として考えなければならない。

それでもこれらの発言、言動が悪印象となり、結果として全てごちゃ混ぜにされた上で評価されるため、最強横綱と称されることが少ないのだと考えられる。

白鵬は相撲界が不祥事でどん底の時代に絶対的な強さで証明し、建て直しを図っていた。

白鵬がいなければ今の大相撲は存在しないのである。

好き嫌いがあるのはわかる。
以前横綱に関しての投稿をしたときにも記載したが、人それぞれ横綱像というものが異なるため、それに関しては仕方のないことである。

しかしあまりにも白鵬の功績を忘れてしまっているファンが多いことも問題である。

はじめの方でも触れたが、白鵬に関しては一言で表すのが不可能であり、語りたいことが山のようにある。

とりあえずここまでにして次回続きを記載しようと思う。

遅れましたが白鵬関、本当にお疲れ様でした。