きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

389. 新横綱の中日までの成績

大相撲秋場所も中日を終え、明日から後半戦へ突入する。

ここまで新横綱 照ノ富士横綱の重圧を感じさせず、強さと冷静さを見せて中日勝ち越しを決めた。

年6場所制となった昭和33年以降、新横綱が初日から8連勝は今回で『6回目』である(玉の海隆の里旭富士白鵬稀勢の里照ノ富士)。

ちなみに中日でトップに立つのは今回で『7回目』である(上記メンバーに北の湖を加える)。

また中日で単独トップに立つのは『2回目』であり、実はかなり珍しい記録である(過去は玉の海だけ)。

場所前にも投稿したが、新横綱の優勝は大鵬隆の里貴乃花稀勢の里の4名であるため、中日でトップに立ったからと言って優勝できるとは限らない。

さらに加えると大鵬貴乃花に関しては最終的に優勝を果たしているが、中日までの成績は『6勝2敗』であるため、平凡な成績、横綱という立場ならばむしろ物足りないレベルとなっている。

中日までの成績に関して色々まとめてみたが、まず中日までの成績の人数は

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このように6勝2敗が最も多い結果となっている。

横綱の場所となると中々本領発揮できない力士が多いとも言える。

上記の通り大鵬貴乃花も6勝2敗であるが、後半戦は全勝して見事優勝を果たしている。

次に中日でトップに立った力士に関してだが、並走力士、後続力士は以下のようになっている。

四股名(中日及び最終成績)

並走力士(番付・最終成績)

1差後続力士(番付・最終成績)

優勝力士

玉の海(8戦全勝)

(13勝2敗)

なし

大鵬横綱・14勝1敗)

北の富士横綱・13勝2敗)

清國(大関・7勝8敗)

大鵬

北の湖(7勝1敗)

(11勝4敗)

輪島(横綱・14勝1敗)

三重ノ海(10枚目・11勝4敗)

荒瀬(3枚目・10勝5敗)

輪島

隆の里(8戦全勝)

(15戦全勝)

千代の富士横綱・14勝1敗)

琴風(大関・11勝4敗)

若嶋津大関・13勝2敗)

隆の里

旭富士(8戦全勝)

(13勝2敗)

霧島(大関・13勝2敗)

北勝海横綱・14勝1敗)

北勝海

白鵬(8戦全勝)

(11勝4敗)

琴光喜(関脇・13勝2敗)

朝青龍横綱・14勝1敗)

豊真将(6枚目・9勝6敗)

朝青龍

稀勢の里(8戦全勝)

(13勝2敗)

照ノ富士と決定戦

高安(関脇・12勝3敗)

照ノ富士大関・13勝2敗)

栃煌山(10枚目・10勝5敗)

稀勢の里

照ノ富士(8戦全勝)

なし

妙義龍(10枚目)

 

隆の里稀勢の里はそのまま逃げ切り優勝を果たしているが(厳密に言えば稀勢の里は14日目に2敗目を喫して千秋楽本割、決定戦と連勝して再度逆転である)、その他力士は後半戦で逆転を許している。

北の湖は並走していた輪島に優勝を許しているが、玉の海旭富士白鵬は並走力士ではなく、1差の後続力士に優勝を許している。

照ノ富士も逆転される可能性を秘めているが、過去に逆転を許した新横綱は並走力士もしくは後続力士に必ず横綱が存在しており、最終的に優勝を果たした力士も横綱である。

そのため油断は出来ないが、照ノ富士に関しては初日から白鵬が休場しており、並走及び1差後続に役力士すら存在しないため俄然有利な展開と言える。

余談だが、中日でトップに立てなくても新横綱の場所で最終的に優勝を果たした大鵬貴乃花の中日までの展開は以下の通りである。

四股名

全勝力士

1敗力士

大鵬(13勝2敗)

若三杉(5枚目・10勝5敗)

柏戸横綱・12勝3敗)

青ノ里(7枚目・10勝5敗)

貴乃花(13勝2敗)

武蔵丸と決定戦

なし

曙(横綱・12勝3敗)

貴ノ浪大関・11勝4敗)

武蔵丸大関・13勝2敗)

若乃花大関・12勝3敗)

大翔鳳(11枚目・11勝4敗)

大鵬は一時的に星の差2つつけられる展開だったが、見事逆転優勝を果たしている。

全勝力士が前頭5枚目の若三杉であったため、大鵬としては若三杉よりもこの場所横綱同時昇進を果たしたライバル柏戸の方が気掛かりだったかもしれない(とはいえ若三杉は平幕優勝経験者ではあるが)。

どちらにせよこの当時は部屋別総当たり制ではなく『系統別総当たり制』のため、同じ二所ノ関一門である大鵬と若三杉の割は組まれないため、他力優勝を願うしかなかった。

 

貴乃花はこの場所中日で全勝力士は消滅していたが、1横綱・3大関が1敗に位置していた。

むしろ中日を終えた時点で貴乃花横綱大関の中で最低成績であったが、最終的は逆転優勝を果たしている。

余談だがここ最近の大関陣の成績とこの時代の大関の成績を比較すると、この時代の上位陣の充実度が窺える。

 

照ノ富士はこのまま優勝へまっしぐらとなるのか。

データは少ないが、過去中日でトップに立った新横綱の優勝の確率は33%。

横綱の中日全勝力士の優勝の確率は40%。

決して高いと言い難い記録である。

場所前にも記載したが、新横綱の連勝中には『魔の13日目』が存在する(私が勝手に命名しただけだが)。

玉の海旭富士は13日目に敗れて結果的に優勝を逃し、稀勢の里は最終的に優勝を果たしたが13日目に敗れて結果的に引退の引き金となる大怪我を負ってしまった。

今場所の照ノ富士はもはや自分との闘いだろう。

膝に爆弾を抱えているだけに怪我とは常に隣り合わせだがはてさて…