大相撲名古屋場所も明日から後半戦へ突入する。
白鵬、照ノ富士がともに初日から8連勝で無傷の勝ち越しを決め、一騎討ちの状況である。
白鵬は今回で51回目の中日勝ち越しと、自身の持つ歴代1位の記録を更新しているのだが、これに関してはあまりにも異次元の記録である。
ちなみに白鵬の中日勝ち越しの連続場所数は『10場所連続』であり、これも異次元の歴代1位の記録である(平成25年春場所~平成26年秋場所)。
そして今場所、照ノ富士も2場所連続で中日勝ち越しを決めた。
横綱の次の番付である大関の場合、中日勝ち越しの連続場所数の最高は何場所だろうか。
先に答えを言ってしまうと『2場所』である。
後の横綱へ昇進した力士を除き、最高位大関で考えると2場所である。
そのため照ノ富士は最高記録に並んだということである。
白鵬の記録を見た後に結果を知ると思わず『大したことがない』と思いがちだが、中日勝ち越しを平然と達成してしまう白鵬が異次元なだけである。
ちなみに2場所を達成した力士は今回の照ノ富士を含め『7名』である。
昭和33年以降、最高位大関は37名であり、かなり少ない人数と言える。
過去の達成者の詳細は以下の通りである。
場所 |
連勝数 |
最終成績 |
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清國 |
昭和45年夏場所 昭和45年名古屋場所 |
10連勝 9連勝 |
10勝5敗 11勝4敗 |
昭和52年名古屋場所 昭和52年秋場所 |
8連勝 13連勝 |
9勝6敗 14勝1敗(同点) |
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昭和58年春場所 昭和58年夏場所 |
8連勝 9連勝 |
8勝3敗4敗 13勝2敗(次点) |
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琴風 |
昭和58年秋場所 昭和58年九州場所 |
8連勝 10連勝 |
11勝4敗 11勝4敗 |
平成8年夏場所 平成8年名古屋場所 |
8連勝 10連勝 |
12勝3敗(次点) 12勝3敗(次点) |
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平成14年夏場所 平成14年名古屋場所 |
9連勝 9連勝 |
11勝4敗(次点) 14勝1敗(優勝) |
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令和3年夏場所 令和3年名古屋場所 |
10連勝 (8連勝) |
12勝3敗(優勝)
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清國のように10連勝のあと5連敗、旭國のように終わってみれば9勝6敗など後半に崩れる力士も多い。
照ノ富士は今場所優勝をすれば横綱へ昇進するため、ここから名前が消えるかもしれない。
そして過去の最高位大関には2場所連続初日から10連勝以上の記録を達成した力士はいない。
照ノ富士にはぜひとも白鵬と千秋楽全勝相星決戦の展開へ持ち込んでほしいところである。
上記の通り照ノ富士には綱取りを成功してもらい、ぜひともここから名前が消えることを願っている。