きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

337. 2021年夏場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入した夏場所だが、優勝は照ノ富士に決まったと言っても過言ではない。

照ノ富士が最大の鬼門である高安戦を突破し、さらにはダメ押しとなる1敗力士の消滅。

この先照ノ富士にとって最大の敵は『自身の膝』であろう。

ここまで強さを取り戻した照ノ富士は素晴らしく喜ばしいことであるが、問題は後続の力士がばたばたと崩れ去る姿である。

照ノ富士が高安に勝った瞬間は『これで今場所は照ノ富士だな』というまだ軽い気持ちであったが、貴景勝が敗れた瞬間は興ざめしてしまった。

数日前から記載しているが、千秋楽まで縺れる展開を期待している身としては絶望的な展開である。

このまま照ノ富士が全勝で行くかと言われたら難しいかもしれないが、ではだれが止めるかと言われたらそれも答えるのが難しい。

照ノ富士が強いのは間違いない。
ただ周りが弱いのも間違いない。

興ざめしているのはこの理由に尽きるかもしれない。

愚痴はここまでにして本日、いや今場所最大の焦点と言える『照ノ富士ー高安』を振り返ろう。

立ち合いの当たりはほぼ五分だったが、高安がもろ差し狙いで左を差し勝った。

一瞬高安がもろ差しを果たしたがすぐに離れる展開となり、その後も高安が突っ張りやいなしを交えながら攻め立てて、照ノ富士に形を作らせなかった。

照ノ富士もやや防戦一方になりかけていたが、前傾姿勢を保ち、体勢を大きく崩されることはなく凌いでいた。

頭四つの体勢から高安がいなして右を深く差し、すくい投げを打った場面で照ノ富士の左肩は万歳となり、さらには頭を押さえ付けられる形となったため勝負ありかと思ったが、照ノ富士は諦めずその左で叩き込んで逆転勝ちを決めた。

照ノ富士としては絶体絶命だったが、よく諦めずに左から叩きにいったし、そもそも押さえ付けられた頭もよく起こすことが出来たものである。

高安としては九分九厘勝利を手中に収めていたが、最後すくい投げから体を寄せ切れなかったことが敗因である。

とはいえ両者ともに力を出し切った素晴らしい取り組みだった。

そしてこの一番を見てもわかるように、勝ったとはいえやはり照ノ富士は高安を苦手にしているのだと感じさせる内容だった。

いずれにせよ最大の鬼門を突破したことは何よりだろう。

仮に高安に敗れて14勝1敗の優勝になったとしても『高安に勝てない』というレッテルを貼られる可能性が高かった。

今場所も内容面だけを見れば完敗かもしれないが、白星に繋げたことで今後の両者の対戦にも変化が生じてくるだろう。

一方の高安は結果だけを見れば悔しいだろうが、この一番に関してケチをつける者はいないだろう。

それだけ良い攻めを見せていたし、熱戦を繰り広げてくれた。

残る3大関の相撲は語るまい。
強いて挙げるならば豊昇龍の足技が本日も切れ味鋭かったという点である。

期待の若手もここ2日間は片鱗を見せている。

そして御嶽海についても触れておこう。

相撲巧者の若隆景相手に左へ変化して上手を取ってそのまま勝負を決めた。

過去の対戦成績は3戦3勝であり、内容も右差しからの攻めで比較的圧倒しているが、それでもわざわざ変化をして仕留めた。

対戦成績以上に今場所の若隆景を警戒していたということか。
その警戒心は立派だと思う。

星の差2つあり、照ノ富士との直接対決を終えているため、優勝はかなり厳しいが、それでも諦めず取り組んでいる証拠でもある。

今場所の御嶽海はやはり一味違うと言ったところか。

優勝争いは興ざめしたため、明日の注目の割も特にないのだが、強いて挙げるならば
『正代ー高安』である。

高安としては8連敗中の苦手相手であり、かれこれ2年以上正代に勝つことが出来ていない。

先場所も終盤戦で最初に敗れた相手が正代だった。

今場所の高安は内容良く、間違いなく好調であるが、それでも何だかんだで3敗を喫している。

ここで落とすようならば二桁の星にも黄信号が灯ってしまう。

番付上位とはいえ、大関への足固めとして今場所の正代からは白星を挙げたいところである。

一方の正代も5勝4敗と終盤戦の上位戦を考えると角番脱出も中々険しい道のりである。

正代にとっても負けられない一番である。

冒頭の通り、あらかた大勢は決まった。
あとは照ノ富士の膝次第である。
ここまできたら2年ぶりの全勝なるかという所に注目が集まるだろうか。