きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

326. 場所を迎えることよりも重要視するべき事

三段目力士である響龍が4月28日、急性呼吸不全のため28歳の若さで死去した。

ご冥福をお祈りします。

突然の訃報だった。

春場所の取り組みで頭部を強打し、土俵上で動けなくなり、その後病院へ搬送され、徐々に回復しているという情報も耳にしていたため、驚きを隠せない知らせだった。

この取り組みが直接的な原因かどうかは不明だが、いずれにせよ影響を受けたことは間違いないだろう。

そして格闘技、コンタクトスポーツを行っている以上、怪我はつきものという考え方も理解はできる。

言い方に問題はあるかもしれないが、負傷してしまったこと自体は仕方ないとも言える。

しかし最大の問題点は『迅速な対応が出来なかったこと』であろう。

結局医者が到着したのは頭部を強打してから5分以上経過してからのことであり、明らかに対応が遅れる結果となった。

そして今回の響龍の件を踏まえ、対策はしっかり立てているのだろうか?

本来ならば響龍が土俵上で動けなくなった姿を見て、それを教訓に対策を立てなければならない。

いや響龍の取り組みが行われる前からだ。

近年、脳震盪に対してはわずかながら対策していかなければならないという風潮が高まっているが、これに関しても協会が高めたというよりは、他の業界やファンの声が上がったからこそ話題に上がったと言える。

そのため初場所で湘南乃海が脳震盪で倒れた時も、協会は特に何も対応していなかったが、取り組み直後からメディアで取り上げられ、風潮が高まったと言える。

そのため協会が実際にどのような対策を立てているのかは不明だし、脳震盪を起こした力士へのケアに対しても不明である。

実際同様の問題が生じた場合、協会は迅速に対応することが出来るのかどうか。

はっきり言って出来るイメージが全く持って沸かない。

それは何度も同じミスを繰り返すことに定評のある組織だからである。

そのため本来ならば響龍が倒れた瞬間、迅速に対応するのが当然のことである。

そして今回の一件で何が腹立たしいかというと『死を目の当たりにしてやっと動き始めた』ということである。

格闘技、コンタクトスポーツを行っている以上、本来ならばこのような事態に備えていて当然なのである。

それが全くできていないのが協会であり、そして響龍が入院している間も対策などまるで考えていなかっただろう。

そもそも死を目の当たりにしても具体案を立てているのかどうかは不明である。

こんな状態で場所を迎えて本当に問題ないのか?

命の比較など出来ないが、これが幕内上位で起こった事故ならばどうだっただろうか?

間違いなく今以上に慌てふためいていたであろう。

『土俵上の怪我による死亡事故』は初めてと言えるケースだろうが、協会としてはとにもかくにも検証して対策を立て、再発防止に取り組むべきだろう。

全ての問題において後手に回り続けている協会だが、命に代えられるものはない。

響龍の死を無駄にはしないでほしい。そして教訓にしてほしい。

私は大相撲を心の底から愛している。

しかし協会そのものは心の底から嫌いである。

大相撲を愛する気持ちがあるならば、最善策を直ちに立てるべきである。

夏場所まで10日を切っているが、今はそれどころではないかもしれない。

もう一度言う。

響龍の死を無駄にはしないでほしい。そして教訓にしてほしい。