大相撲春場所は照ノ富士が単独先頭で千秋楽を迎える展開となった。
照ノ富士が優勝を果たせば3回目の優勝であるが、実はとある記録にて新記録となる。
ちなみに同率1位は佐田の山、魁傑、貴乃花、琴錦、御嶽海、そして照ノ富士を加えた6名である。
どのような記録であるかというと『関脇以下における優勝回数』である。
上記6名は皆関脇以下の番付で2回優勝を果たしている。
詳細は以下の通りである。
場所 |
番付(成績) |
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昭和37年春場所 |
前頭13枚目(12勝3敗) 関脇(13勝2敗) |
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魁傑 |
昭和49年九州場所 昭和51年秋場所 |
小結(12勝3敗) 前頭4枚目(14勝1敗) |
平成4年初場所 平成4年秋場所 |
前頭2枚目(14勝1敗) 小結(14勝1敗) |
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平成3年秋場所 平成10年九州場所 |
前頭5枚目(13勝2敗) 前頭12枚目(14勝1敗) |
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御嶽海 |
平成30年名古屋場所 令和元年秋場所 |
関脇(13勝2敗) 関脇(12勝3敗) |
令和2年7月場所 |
関脇(12勝3敗) 前頭17枚目(13勝2敗) |
今回は『関脇以下』という括りであり、細分化すると琴錦が史上唯一の『平幕による2回の優勝』であり、御嶽海が史上唯一の『関脇による2回の優勝』ということになる。
そのため照ノ富士が優勝すれば『関脇による2回の優勝』においても同率1位ということになる。
関脇以下で3回の優勝は素晴らしいことであることに間違いはないが、照ノ富士にとっては怪我さえなければ大関在位中に達成できていたであろう記録である。
また複数回優勝できる時点で、力量がなければ達成できない記録であるため、佐田の山、貴乃花は後に横綱へ昇進している。
しかし必ずしも良い結果になっているかというとそうは言い難く、魁傑は1度目の優勝で大関へ昇進し、その後陥落。特例復帰場所でも復帰できず、その後2回目の優勝を皮切りに再度大関へ復帰したが、その後も大関在位は短命に終わってしまった。
琴錦は早くから大関候補と期待されていた力士であったが、数場所続けての安定感に欠けていたため関脇止まりであり、御嶽海も琴錦同様の展開である。
照ノ富士に関しては序二段まで番付を降下させたという異例の出来事であるため、上記力士達の誰にも該当することはないが、今後どのような活躍を見せてくれるのか。
このような記録に関して本人は全く意識していないだろうが、しっかり本割で締めて優勝+大関昇進を果たしてほしいところである。