きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

318. 2021年春場所13日目を勝手に語る

『ここでやらかすか高安』
『その相撲だよ照ノ富士
本日13日目を終了してこの2つが率直な感想である。

まず単独先頭の高安の相撲から。
昨日残り3日間で怖い相手と記載したが、まさにその通りになってしまった。

私自身は若隆景の立ち合い変化も考えていたが、高安は迷わずしっかり踏み込み左差しを狙った。

それを若隆景が得意のおっつけで許さず、その後両者離れる展開となった。

高安の差し手が覗きかけると若隆景が手繰りながらうまく回り込みながら残した。

高安としては特別慌てている様子もなく、じっくり追い詰めていこうと姿勢に見受けられたが、それ以上に若隆景が良く動き、最後は右差しに成功して攻めることが出来た。

率直な感想では『高安がやらかした』だが、振り返ると若隆景を褒めるべき内容とも言える。

それだけ徹底したおっつけであり、手繰る動きも巧かった。

何度か記載しているが、この力士の相撲技術はかなり高水準であり、本日もそれをいかんなく発揮した内容だった。

一方の高安は捕まえ切れなかったことが敗因だろう。
攻める際腰高の問題はあるが、これに関してはもはや修正不可能な癖であるため、今さら言うまでもない。

これで3敗へ後退し、照ノ富士と並走する形となった。
そして自身初の13勝を果たすことは叶わなかった。

しかし優勝は別問題である。
本日の相撲は仕方なかったと割り切り、残り2日間とにかく全勝するしかないだろう。

照ノ富士はこれぞ照ノ富士本来の相撲という内容で大関昇進のための絶対条件とも言える二桁に到達。

良い意味で何も語るまい。
左前ミツ速攻、本当に素晴らしかった。
終盤戦にこの内容は圧巻である。

3敗の朝乃山が貴景勝との大関同士の一番に敗れ後退。

高安が敗れたあとに相撲を取るため期するものがあっただろうが、痛恨の4敗目となった。

貴景勝の突き押しに下がらず、逆に突き返して応戦し、体勢としても悪くなかったが、最後いないしてから攻める際少し慌てたのか足が出ていなかった。

最後の最後で詰めを誤ったような内容だった。
星の上ではまだ1差とはいえ、対戦相手を考慮してもかなり厳しいと言わざるを得ない。

優勝争いからは逸れるが、幕下に目を向けると阿炎が3場所連続出場停止明けの今場所で幕下優勝を果たした。

近年よく見受けられる怪我による降下ではないため、実力を発揮すれば当然と言えば当然なのだが、それにしても相撲を見たら次元の異なる強さだった。

正直このまま幕下に在位していては周りの力士がかわいそうに思えるほどなので、早く幕内復帰、三役復帰を果たしたいところだろう。

明日の注目の割は
『朝乃山ー照ノ富士
『高安ー翔猿』
この2番である。

朝乃山としては過去4戦4敗のトラウマとも呼べる相手である。

しかも本日の両者の取り組みを見てしまうと、ますます朝乃山が照ノ富士に勝てるイメージが全く沸かない。

何度も記載しているが、右四つの完成度は照ノ富士の方が遥かに上である。

左前ミツの引き方、腕の返し方、廻しを切る技術。

朝乃山としては自分が上手を引いて相手に引かせない形が理想であるが、その想像が全く出来ないわけである。

左に変化しながら上手を狙うのも1つの作戦だろうし、もしくは照ノ富士の脇の甘さをついてもろ差し狙いにいくのも1つの作戦である。

前者に関しては仮にそれで勝てたとしても今後に繋がらないという点が挙げられる。

要は『自分の相撲で勝つことが出来ない』ということを認めていることにもなる。
今後さらに上の番付を狙うならば、出来れば避けたい内容とも言える。

そして後者は2度目の対戦で試みたが、照ノ富士に上手を許してしまい敗れた(厳密には前ミツ狙いからもろ差しになる形)。

もろ差し狙いに関しては悪くないと思うが、朝乃山としてはあまりやったことのない立ち合いであるため、うまくいくかどうかという問題もある。

本日照ノ富士は完璧な相撲で大関復帰をほぼ手中に収めた。

残り2日間、精神面にかなり余裕を持って臨んでくるだろうから朝乃山相手に落とすイメージが沸かないがどうなるか。

そして3敗へ後退した高安だが、これまた動きの激しい相手と割が組まれた。

まずは慌てないことだろう。
しっかりと圧力をかけて相手を追い詰めて、土俵際に注意したいところである。

私個人としては13勝以上の優勝を望んでいたがそれが無くなり、こうなれば優勝決定戦を期待したいが、これに関しても『12勝3敗』での決定戦を望むところである。

さすがに横綱不在の場所で11勝4敗ではあまりにも低次元過ぎる。

また仮に『照ノ富士ー高安』の優勝決定戦となれば史上初となる『関脇ー小結による優勝決定戦』が実現することになる。

照ノ富士、高安。
このまま突っ走ってくれ。