きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

271. 横綱に関する私案(後編)

中編では横綱昇進に関する過去の事例を振り返った。

後編では事例を踏まえた上で『横綱昇進に関する私案』を記載したいと思う。

三部作にしたが前置きが長く、結果的に私案は後編のみという形になってしまったことはご容赦いただきたい。

では早速だが、横綱昇進の私案は以下の通りである。

 

【①~⑧いずれかの基準を満たした場合、横綱へ推挙する。また条件は全て『大関在位』に限る。

[2場所の成績において]

①2場所連続優勝した場合

②2場所の合計白星が26勝以上且ついずれの場所も12勝以上且つ1場所以上優勝した場合

③2場所の合計白星が27勝以上且ついずれも次点以上の成績の場合

[3場所の成績において]

④3場所の合計白星が39勝以上且ついずれの場所も12勝以上且つ1場所以上優勝した場合

⑤3場所の合計白星が40勝以上且ついずれの場所も次点以上の成績の場合

[6場所の成績において]

⑥6場所間で3回以上の優勝の場合

⑦6場所の合計白星が72勝以上且つ1場所以上の優勝の場合

⑧6場所の合計白星が75勝以上且つ全場所二桁以上の成績の場合】

 

まず大きく『2場所』『3場所』『6場所』の3つに分類した。

項目が多いが1つずつ説明していこうと思う。

まず①~③だが、現行の基準に最も近い案を具体化したような内容にした。

2場所連続優勝に関しては文句なしの昇進で構わないだろう。

場合によっては『2場所連続12勝による優勝』『11勝による優勝』等低次元の優勝が絡む可能性もあるが、長い大相撲の歴史の中で前者は武蔵丸ただ一人であるし、後者も3回とめったに無いことなのである程度流しても良いと考えている。

そして②、③だが、これに関しては『準ずる成績とは?』を具現化したものである。

どちらとも『11勝以下の次点は許されない設定』にしているため、次点の成績も12勝以上と比較的高水準にすることが出来る。

特に③に関しては1場所目を12勝基準としてしまえば、翌場所横綱昇進を果たすには確実に全勝しなければならない条件となる。

 

次に④、⑤だが、『爆発力』と『安定感』を揃える形の私案とした。

昨日記載したが、旭富士のような成績を残した場合、この条件で昇進することが可能である。

39勝、40勝は平均すると13勝以上が求められ、13勝は優勝ラインの1つの基準と呼べる成績である。

これを3場所連続で継続するには上記の通り、爆発力と安定感が求められる。

またここでは⑤の場合、極論を言えば『15勝→10勝→15勝』でも昇進可能となるが、3場所間で2場所の全勝優勝を果たす力量があるならば、問題なく横綱へ昇進させても問題無いと考えている(この場合『爆発力』を買う形となる)。

 

最後に⑥~⑧だが、これらは『安定感』を求める項目とした。

実を言うとこの私案は昔から何となく思い描いていたが、最後の大項目に関しては4年前稀勢の里が『年間優勝なしによる年間最多勝受賞』をきっかけに考えたものである。

⑥に関しては1年間で半分の場所を制覇できる力量があれば、横綱へ昇進させても問題無いと考えている。

そして⑦だが、まず⑦は6場所72勝以上ということで『1場所平均12勝』となるが、1年間の勝率が8割且つ優勝が1場所以上は『安定感』を証明するには十分だと考えている。

⑧は『1場所平均12.5勝』と勝率に関しては⑦以上であり、また全場所二桁以上が求められるため、優勝なしとはいえ想像以上に厳しい条件だと考えている。

 

ちなみに年6場所制以降の最高位大関で、①~⑧いずれかの基準を満たしている力士は『若嶋津』『小錦』の2名である。

若嶋津は昭和58年夏場所~昭和59年春場所にかけて

『13勝→11勝→13勝→11勝→11勝→14勝(優勝)』という成績を残しており、⑦の基準を満たしている。

また若嶋津の場合、昭和58年秋場所~昭和59年名古屋場所で見ても

『13勝→11勝→11勝→14勝(優勝)→9勝→15勝(優勝)』とここでも⑦を満たしている。

小錦は平成3年夏場所~平成4年春場所にかけて『14勝(同点)→12勝→11勝→13勝(優勝)→12勝→13勝(優勝)』という成績を残しているため、⑦、⑧の基準を満たしている。

過去の事例を見てもわかるように、連続優勝に拘らなくても『爆発力』『安定感』を図る指標などいくらでもあるということだ。

そして年6場所制以降に昇進した横綱は28名存在するが、①~⑧いずれの基準も満たしていないのは『若乃花(初代)』『柏戸』『玉の海』『双羽黒』『北勝海』の5名である。

まず若乃花だが、ライバル栃錦と『栃若時代』を築いた優勝10回を数える名横綱である。

柏戸はライバル大鵬と『柏鵬時代』を築いた横綱であり、大鵬と比較すると成績に差は生じているが、千秋楽全勝相星決戦を制するなど力量は十分だった。

玉の海は現役中に死去し、優勝回数は6回に留まるが、横綱在位10場所で130勝20敗の驚異的な勝率を残した名横綱である。

北勝海も連覇こそないが、同部屋である第一人者千代の富士九重部屋の連覇に貢献した優勝8回を数える名横綱である。

この4名ですら①~⑧の基準を満たしていないため、難易度としては十分な証明といえるのではないだろうか。

そしてやはりこの中では双羽黒の昇進が強引だったか。

優勝経験なしはさすがにやり過ぎたと言える。

 

さて長々記載したが、横綱に関する私案は以上で終了である。

『準ずる成績』という曖昧な基準よりも、ある程度数字による提示をした方が批判を減少できると考えているため、私は①~⑧のように具体的な数字を提示している。

その他コアな大相撲ファンも私案というものはある程度持ち合わせていると思う。

今回はただの趣味の領域による私案である。

それでもこの記事をみてくださる方々に少しでも共感していただけたら幸いだと思っている。

 

来場所貴景勝が綱取りの場所となるが、本人の将来を考えた上でも甘めの昇進だけは避けて欲しいところである。