あと4日で初日を迎える大相撲11月場所。
場所前の情報に目を向けると、両横綱の出場に関しては雲行きが怪しい状態である。
鶴竜に関しては来年進退を懸けるものだと考えていたので予想通りだが、白鵬に関しては良い稽古が出来ているという情報も伝えられているためどうなるものか。
両横綱ともに休場続きであるが、下手に出場して失態を犯せばそれは『引退』を意味する。
慎重にならざるを得ないため、来年の初場所が進退を懸ける場所になりそうである。
さすがにこれ以上の休場は厳しいと言わざるを得ない。
さて本題に移るが、場所の焦点になるであろう新大関 正代だが、先場所初優勝を果たして大関へ昇進した。
大関昇進直前場所で優勝を果たしたケースは、年6場所制となった昭和33年以降、今回の正代を含め『13人目』である。
そして題名の通り『関脇→大関の連覇』についてだが、コアな大相撲ファンならばおそらくすぐにわかるだろう。
先に答えを言ってしまえば、過去には『存在しない』。
では『連覇に最も近づいた力士』は誰か?
まず直前場所に優勝した力士は以下の通りである。
直前場所 |
新大関場所 |
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13勝2敗 |
10勝5敗 |
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13勝2敗 |
13勝2敗(次点) |
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14勝1敗 |
9勝6敗 |
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14勝1敗 |
10勝5敗 |
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13勝2敗 |
8勝7敗 |
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14勝1敗 |
11勝4敗(次点) |
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琴風 |
12勝3敗 |
11勝4敗 |
14勝1敗 |
9勝6敗 |
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曙 |
13勝2敗 |
全休 |
13勝2敗 |
3勝8敗4休 |
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出島 |
13勝2敗 |
10勝5敗 |
12勝3敗 |
11勝4敗 |
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正代 |
13勝2敗 |
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直前場所に優勝を果たした力士の新大関の成績は一部を除き、決して誇れる成績とは言い難い結果となっている。
次点は佐田の山と千代の富士の2名だけであり、5名は1桁に留まる(休場含む)。
これとは逆に直前場所は優勝できなかったが、新大関場所で優勝した力士は以下の4名である。
直前場所 |
新大関場所 |
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若羽黒 |
12勝3敗(次点) |
13勝2敗 |
清國 |
12勝3敗(次点) |
12勝3敗 |
12勝3敗(次点) |
13勝2敗 |
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13勝2敗(同点) |
14勝1敗 |
やはり昇進場所は基本好成績を収めているため、全員が『次点以上→優勝』という結果である。
上記2つの表、全16名(正代除く)のうち『両場所ともに千秋楽まで優勝を争い且つ優勝次点以上の成績』を残した力士は『佐田の山』『千代の富士』『清國』『白鵬』の4名である。
1名ずつ振り返ると、まず佐田の山だが、直前場所にて13勝で優勝を果たし、翌場所新大関場所でも13勝の好成績を収めた。
この場所(昭和37年夏場所)は栃ノ海が14勝1敗で優勝を果たすのだが、この当時は現在の『部屋別総当たり制』ではなく『系統別総当たり制』のため、同門である両者の対決はなかった。
そのため両者が本割で対戦していれば、佐田の山の連覇の可能性も十分あったのである。
余談だが、昭和40年から現在同様部屋別総当たり制となっているが、佐田の山と栃ノ海の割りも組まれるようになり、対戦成績は佐田の山の4戦全勝だった。
出世争いのライバルであり、結果的に両者ともにほぼ同時期に大関・横綱へ昇進するわけだが、対戦成績は一方的な結果となった。
次に千代の富士だが、成績だけを見れば11勝4敗と新大関としては合格点、次点成績としてはやや物足りない成績に感じる。
しかし14日目を終了時点で北の湖12勝2敗、千代の富士11勝3敗という状況で千秋楽直接対決だった。
そのため本割、優勝決定戦と連勝すれば連覇の可能性を秘めていた。
結果は本割で北の湖が勝利したため、決定戦進出も出来なかった。
新大関で優勝した力士に目を向けると、清國は昇進直前場所にて14日目終了時点で大鵬12勝2敗、清國11勝3敗という状況だった。
しかし上記千代の富士とは異なり、千秋楽は直接対決では無く、『他力優勝』を願う形であった。
結果的に千秋楽は両者ともに白星であり、大鵬が優勝を果たした。
最後に白鵬だが、直前場所にて13勝2敗で朝青龍と優勝決定戦の末優勝を逃した。
さらにこの場所は、本割で優勝を果たした朝青龍に勝利しているだけに悔しい結果となった。
結果的に直前場所、新大関場所の合計白星は歴代最多の27勝、そして両場所ともに『同点以上』は白鵬が唯一である。
そのため連覇に最も近かったのは白鵬と言っても過言ではない。
私個人の考え方では、関脇→大関での連覇に最も近付いたのは『白鵬』。
そして現行の制度で話を進めるならば次点で『佐田の山』ではないだろうか。
余談だが、最終候補の上記4名に名を挙げていないが、琴風も『2場所連続次点以上』という縛りがなければ惜しいところまでいっている。
新大関場所は14日目終了時点で、11勝3敗で千代の富士、琴風、朝汐としており、千秋楽は千代の富士-琴風の直接対決だった。
千秋楽はまず朝汐が栃赤城を下して3敗を死守し、琴風は勝てば決定戦進出だったが千代の富士に敗れ、決定戦進出を逃した。
結果として優勝決定戦では千代の富士が朝汐を下して、千代の富士の優勝が決まった。
同点者が存在するため、琴風は次点にもなれない結果となった。
関脇で優勝することはもちろんのこと、新大関での重圧は相当なものであるため、歴代でも新大関優勝を果たした力士は上記表の4名に留まる。
正代はどれだけの結果を残せるだろうか。
冒頭の通り、仮に両横綱が休場となれば、ナンバー2である大関には否が応でも期待を寄せられるだろう。
はてさてどうなるものか…