きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

232. 2020年秋場所10日目を勝手に語る

大相撲秋場所も本日で中盤戦が終了した。

昨日まで2敗力士が6人いたが、優勝候補筆頭と言っても過言でなかった照ノ富士が1歩後退。

勝ち残りの3敗力士が本日不戦勝だった朝乃山だけであり、終盤戦へ突入する前に少しずつ絞られてきている様子である。

まず照ノ富士から振り返ろう。

昨日私は隆の勝、霧馬山、高安辺りが難敵と記載したが、予感的中だったか本日隆の勝相手に良いところなく敗れた。

隆の勝が予想以上に力を付けているとも言える一番だった。

照ノ富士は立ち合い右差しを選択。

これ自体に大きな問題はないが、立ち合いの踏み込みはいつもより弱かったか。

その右差しに対して隆の勝がうまくおっつけて封じ、最後は隆の勝得意の右差しからの攻めで照ノ富士に相撲を取らせなかった。

隆の勝が勝つとしたら、突き放して流れの中で右を差して寄り切ると思っていたが、昨日の遠藤戦といい本日といい、左右のおっつけの威力が凄まじい。

突き放してから右差し速攻だけでなく、おっつけも強力な武器となっており、今後の三役昇進及び定着は時間の問題だろう。

一方照ノ富士としては立ち合いの踏み込みが甘かったこと、また後退するとやや脆い一面を見せてしまう。

とはいえ本日は隆の勝が良すぎたため、照ノ富士としては切り替えて臨むことが重要だろう。

現状自力優勝が消滅したとはいえ、役力士との対戦を終えているためある程度有利であることに変わりはない。

貴景勝は大栄翔を圧倒して2敗を死守。

突っ張り合いで勝っており、さらには左のハズ押しが強烈であった。

今場所は良い内容で白星を積み重ねているため、この流れで終盤の上位戦へ突入したいところである。

朝乃山が今場所2つ目の不戦勝により3敗を守ったが、これが吉と出るか凶と出るか。

もちろん白星であることに悪いことはないのだが、良い内容が続いて連勝できていた中、この3日間で2回相撲を取らなかったことにより、感覚にズレが生じないかという精神的な問題が考えられる。

また仮にこれで朝乃山が優勝を果たしても『不戦勝が2つもある』とケチをつける者も存在するだろう。

これに関して朝乃山自身に何も悪いことはないし、責める部分でもない。

朝乃山としては終盤戦、周りを黙らせるくらい良い相撲を取ってほしいところである。

関脇正代はくせ者の照強を下して2敗を死守。

過去に足取りで敗れている相手のため、立ち合いはそこまで踏み込まず、照強の左手首を掴んで動きを封じるという独特な展開から圧倒した。

終盤の大関戦までは2敗を死守したいところであり、昨日も記載したが、立ち合いの踏み込みで勝負を決められなかったときの対応が終盤戦の鍵となるだろう。

平幕の2敗3人はそれぞれが良さを発揮している。

阿武咲はこの地位ならばそこまで意外でもない成績であり、問題は終盤戦上位と顔を合わせる時ではないだろうか。

割の編成次第では上位と組まれない可能性もあるため、審判部はしっかり考慮してほしいところであるが、間違いなく役力士との対戦を終えている照ノ富士とは割が組まれるだろう。

今場所は好調でも先場所は上位総当たりの地位で初日から13連敗という屈辱を味わっている。

さすがに13連敗は驚かされたが、阿武咲の現状の力量は平幕上位ではなく、平幕中位という印象が強い。

そのためこのまま2敗を死守し、終盤戦上位と組まれることになった場合、阿武咲の真価が問われることになるだろう。

若隆景、翔猿はそれぞれが十分に良さを発揮して健闘している。

両者ともに優勝と考えると名前は挙げづらいが、それでも上位が潰し合いをしている中で抜け出すパターンも十分考えられる。

そのため両者にも早く好調力士同士の割や、隆の勝など上位でそれなりの成績を残している力士と早々割を組んだ方が良いだろう。

明日の注目の割は
『正代ー高安』
『阿武咲ー翔猿』
この2番だろう。

正代は立ち合いの踏み込みだけで圧倒するのはやや難しい相手と言える。

今場所はあまり見られないが、高安もかち上げから圧倒する相撲を取るため、いつも通り立ち合いに集中するのはもちろんのこと、上記の通りそれで決めることが出来なかったときの対応である。

基本的は左の相四つであるため、四つに組み合った場合上手を引かせてはならない。

正代は先場所左が少しでも覗けば強烈なすくい投げを繰り出していたが、あまり無理な体勢から繰り出しても劣勢に陥る可能性も高い。

立ち合いしっかり踏み込み、その後冷静に相撲を取ることが出来るかどうか注目である。

阿武咲ー翔猿は2敗同士の対戦であり、どちらが持ち味を発揮できるかどうか注目である。

新入幕の翔猿は正直十両時代を考えるとここまで動きが良く、力強い力士だと思っていなかったので、この活躍には驚かされているが、明日も存分に力を発揮してほしいところである。

明日から終盤戦へ突入する。

星の潰し合いも始まる中、割の編成もうまいことやってほしいところであるがはてさて。