きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

231. 2020年秋場所9日目を勝手に語る

2敗力士9人という混戦の中、本日より大相撲秋場所も後半戦へ突入。

平幕中位~下位では星の潰し合いが行われており、2敗力士は本日で6人となった。

大関貴景勝は先場所敗れている霧馬山に相撲を取らせず完勝。

変化の可能性も高い相手に対して、良く見ながら突き放し、途中四つに組まれかけたが、強烈な左からの突き落としで霧馬山の体勢を完全に崩した。

昨日変化で敗れ、その翌日にくせ者が相手のため、足が出るかどうか不安視していたが杞憂に終わった。

この力士は押し相撲でありながら連敗が比較的少ないため、大関昇進を果たした力士のため、残りも自分の相撲を貫いていきたいところである。

朝乃山は落ち着いた相撲で3敗を守った。

栃ノ心が2日連続で立ち合い変化したが、本日の変化に関しては勝負を決める変化でもなく、上手を狙うでもなく中途半端な変化だった。

朝乃山は冷静に対処し、得意の左上手も早く引き、強烈な上手投げを決めた。

初日からの3連敗がもったいないほど、連勝中の内容は攻める気持ちと冷静さ両方を兼ね備えている。

2敗力士が多いため、最悪を想定すると自力優勝困難かもしれないが、貴景勝戦、正代戦は終盤戦に残されているため、そこまでは何が何でも負けられないだろう。

正代が大栄翔との関脇同士の対決を制して2敗を死守。

取り直し前、取り直し後ともに立ち合い踏み込んでいるが、大栄翔に上体を起こされ、劣勢になる場面が多かった。

ここ数場所の正代は、他の突き押し力士に対しては立ち合い踏み込んで圧力で圧倒するのだが、やはり過去の合い口の関係か、大栄翔の突っ張りには苦戦を強いられている様子である。

何とか辛抱し、劣勢の中でも白星に結び付けたのは大きいだろう。

後半戦の鍵は立ち合いの踏み込みで圧倒できなかったときの対応だろう。

敗れた2敗の相撲、そして本日の相撲がそれに該当するため、相手に残された後も慌てず相撲を取ることが出来るかどうか。

照ノ富士は3年前までの成績とはいえ、過去3戦3敗の北勝富士を冷静に対処して2敗を死守。

右を差しにいったが北勝富士におっつけられ、抱え込む形になったが、強引に引っ張り込むことはしなかった。

よく我慢しながらジリジリと圧力をかけ、タイミング良く突き落としを決めた。

初日から連敗したときは後ろに後退すると脆い一面を見せたが、連勝中の内容は常時攻めの気持ちを持っており、さらに強引な相撲も取らず辛抱するところは辛抱しているため、本当に強さを感じる。

序盤戦の優勝予想は正代、御嶽海を挙げていたが、現状は対戦相手を加味すると照ノ富士が最も有利に感じてきた。

最初に記載した通り、平幕中位~下位では2敗の星の潰し合いが始まっている。

その中で目を引いたのは『高安ー若隆景』の取り組みである。

昨日若隆景について触れたが、やはり基本的な技術の高さを存分に発揮している。

先場所この取り組みは若隆景が変化で勝利しており、やはり身体があまり大きくない分、変化に頼る相撲もそれなりに見受けられていた。

そのため今場所のこの取り組みは、高安が細かく突っ張り、流れの中で左を差して高安十分の形になると考えていたが、まるで違った展開であった。

本日も高安に横を向かせるほど右のおっつけが強烈であり、高安の左を全く使わせなかった。

昨日も記載したが、先場所は好調力士が多かったため、影に隠れていたが、技能賞を受賞しても不思議ではないくらい良い相撲内容であった。

そして今場所はここまで先場所以上の内容と言える。

後半戦、台風の目になることは出来るだろうか。

一方の高安は3敗へ後退。
場所前から今場所は台風の目になると予想していたが、どうにも絶対的な強さを感じない。

これに関しては大関時代からそうであったが、ここ数場所の高安は激しさがない。

もちろん左四つに組むことで取りこぼしを減らすことはできるだろうが、問題は左差しが主体のため、本日のように研究している力士は徹底して左を殺しにくるため、容易に差すことは中々出来ないだろう。

まだ3敗だが、内容を加味するとやや厳しいか。

明日の注目の割は
照ノ富士ー隆の勝』
この一番である。

照ノ富士は残り6日間全て平幕戦だが、私の中で難敵となりそうなのが隆の勝、霧馬山、高安だと考えている。

その中の一人、隆の勝が明日の対戦相手である。

照ノ富士としては隆の勝の突き放しに後退し、右を差されて走られると苦しい展開を強いられるだろう。

ここ数日間の相撲を見ているとどっしり構えており問題ないと思うが、後半戦へ突入し、徐々に膝への負担もかかってくるところだろう。

残り6日間も連勝中の内容でこのままいけるかどうか。

一方隆の勝は本日遠藤戦を見てもわかるように、力強さも感じさせる内容である。

正直もったいない相撲もあるのだが、今場所も上位圏内で自分の相撲を取り切っている。

勝ち方がわかってきている様子であり、明日の照ノ富士戦も注目である。

今場所は後半戦の割の編成がいつも以上に難渋するだろう。

なぜなら星だけをみれば好調力士が多すぎるからである。

そのため残り6日間でその力士達を総当たりさせるのが物理的に不可能である。

さらには上位に目を向けると
『朝乃山ー貴景勝
『正代ー御嶽海』
大関ー関脇』
以上の割は崩すわけにいかない。

照ノ富士は役力士との対戦を終えているため、星の潰し合いをしやすい割を組めるだろう。

大関に目を向けると
『朝乃山ー隠岐の海
貴景勝ー遠藤』
大関ー小結の割がそれぞれ残されているが、この割に関しては崩しても大きな問題はないか。

とはいえ、大関ー小結の割も早々組んでおけば崩すこともなかったため(まだ崩すかどうかも不明だが)、判断が少しでも遅れると『インチキ優勝』の可能性が高くなってしまうのである。

今場所のような混戦模様の場合、審判部は常に先を考え割を編成しなければならない。

是非とも納得のいく割を編成してほしいところである。