きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

203. 新大関の序盤戦成績がもたらす影響

はじめに断っておくが、今回の投稿は明日の取組が終了した時点で投稿しようと考えていたが、記録をまとめているうちに熱が入ってしまい、本日投稿する形となった。

大相撲七月場所も本日で4日目を終了した。

ここまで新大関の朝乃山は初日から4連勝と最高のスタートを切っている。

まず年6場所制となった昭和33年以降、大関へ昇進した力士は朝乃山を含め62名である。

朝乃山を除いた過去61名の序盤戦成績は以下の通りである。

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圧倒的に4勝1敗が多い結果となっている。ちなみに0勝に3名いるが、これは前の山、曙、武双山と初日から全休している力士である。

朝乃山は4日目を終えた時点で約半数を占める『4勝』に到達した。

大相撲では『序盤』『中盤』『終盤』と5日間を3つに分けることが多い。

その他『前半』『中日』『後半』という区切り方もあるが、本日は序盤、中盤、終盤にスポットライトを当てていきたいと思う。

 

さて話は戻り、新大関の場所で序盤戦4勝1敗の成績者の最終的な成績は以下の通りである。

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9勝~11勝が多くを占めており、いわゆる『10勝前後』のため、新大関の場所としてはまずまず平均的な成績を収めたという印象に留まる成績といえるだろう。

ちなみに『優勝2名』『次点7名』という結果であり、優勝確率は『約6%』、次点確率は『約23%』、優勝次点以上は『30%』と決して高い確率とはいえず、千秋楽以前に優勝争いから脱落している場合が多い。


そして序盤戦無傷かつ初日からの連勝数が多いからといって、必ずしも最終的に良い成績になるかと言われたらそうではない。

過去序盤戦無傷だった新大関はグラフの通り12名存在するが、最終成績は下記の表のとおりである。

四股名 連勝 最終成績 備考
若羽黒 10 13 優勝
栃ノ海 7 9  
北勝海 5 12 優勝次点
旭富士 7 11  
霧島 8 9  
武蔵丸 5 9  
栃東 11 13 優勝、最高連勝記録
朝青龍 8 10  
把瑠都 7 10  
琴奨菊 9 11  
照ノ富士 7 11  
栃ノ心 5 5 途中休場(5勝2敗8休)

大関での優勝は昭和33年以降4名(若羽黒、清國、栃東白鵬)であるが、その内2名は初日から10連勝以上としている。

さすがにここまでくれば優勝の可能性も大きく生まれるわけだが、その他序盤戦全勝の成績者は、一桁白星で終えている力士もそれなりに存在する。

またこの12名は終盤5日間だけに目を向けると『全員が3勝以下』という成績である。

優勝した若羽黒、栃東も終盤戦は3勝に留まっている。

 

そこで新大関全体の中盤戦、終盤戦の成績人数は以下の通りである。

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中盤戦は序盤戦同様、4勝が最も多い成績であるが、前半戦と比較すると数値は減少しており、3勝も多く存在する結果となっている。

そして終盤戦に目を向けると、3勝が多くを占めており、5日計算でいけば負け越しとなる2勝以下も全体の過半数を占めている(厳密に言えば全休、途中休場も含んでいる影響もあるが)。

 

休場者を除いた序盤戦、中盤戦、終盤戦の平均成績は以下の通りである。

序盤戦 3.72勝
中盤戦 3.38勝
終盤戦 2.54勝

圧倒的に終盤戦の成績が悪化している。

 

ちなみに終盤戦を4勝以上した新大関はグラフの通り9名だが、その9名の結果は以下の通りである。

四股名 終盤戦成績 最終成績 備考
佐田の山 5 13 優勝次点
清國 4 12 優勝
魁傑 4 11  
千代の富士 4 11 優勝次点
大乃国 4 12 優勝次点
貴ノ浪 4 12 優勝同点
白鵬 5 14 優勝
琴光喜 4 10  
日馬富士 4 8  

序盤戦全勝力士の名前は誰一人なく、また終盤戦に4勝以上を挙げている力士の方が『優勝争いに関わる可能性が高い』という結果と言えるのではないだろうか。

『優勝次点以上』という概念では約67%である。

日馬富士は新大関としてワースト記録となる初日から4連敗を喫しており、やや例外とも言えるが、その他力士はしっかり10勝以上を果たし、優勝2名、同点1名、次点3名と堂々の成績である。

これらの結果を見てもわかるように、優勝争いを考えた場合、序盤戦の成績よりも終盤戦の成績が重要になってくるのではないだろうか。

言ってしまえば優勝するならば15日間で不必要な日など存在しないのだが、過去の記録を見てみると『序盤戦無傷でも優勝のためには油断一つ出来ない』ということである。

そして朝乃山にはとにかく怪我なく皆勤してほしい。

ここ最近の新大関栃ノ心貴景勝)は怪我を負ってしまい、途中休場する結果となっており、さらにはその怪我が尾を引く形となっている。

明日で序盤戦が終了する七月場所。

大関 朝乃山はどのような展開で中盤戦、後半戦へと突入していくのか。