きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

167. 平幕優勝力士の翌場所

昨日2月24日、大相撲春場所の番付発表日だった。

先場所の覇者 徳勝龍が『西前頭2枚目』と予想以上に番付を上昇させた。

単純計算の+13よりも上のためやや驚かされたが、そこは優勝のボーナスのようなものだろうか。

38年ぶりに『横綱大関』の番付が記載されるなど、興味深い番付発表となった。

新型コロナウイルスの影響のため、春場所の開催がどうなるかという問題もあるのだが、それはさておき、題名通り『平幕優勝力士の翌場所』について記載したと思う。

先場所、徳勝龍が幕尻優勝を果たしたわけだが、平幕の優勝は年6場所制となった1958年以降、徳勝龍を含めて20人目である。

平幕力士が優勝を果たすと、今場所の徳勝龍を見てもわかるように、番付を大きく上昇させ、上位総当たりの地位となる。

そのため大半の力士が『大負け』を喫してしまう。

以下に平幕優勝力士と翌場所の成績を記載する。

四股名

年代

優勝場所成績・番付

翌場所成績・番付

若三杉

1960年夏

14勝1敗

(前頭4枚目)

7勝8敗

(関脇)

佐田の山

1961年夏

12勝3敗

(前頭13枚目)

11勝4敗

(前頭2枚目)

富士錦

1964年名古屋

14勝1敗

(前頭9枚目)

4勝11敗

(小結)

若浪

1968年春

13勝2敗

(前頭8枚目)

2勝13敗

(小結)

栃東

1972年初

11勝4敗

(前頭5枚目)

3勝9敗3休

(小結)

高見山

1972年名古屋

13勝2敗

(前頭4枚目)

5勝10敗

(関脇)

金剛

1975年名古屋

13勝2敗

(前頭筆頭)

6勝9敗

(関脇)

魁傑

1976年秋

14勝1敗

(前頭4枚目)

11勝4敗

(関脇)

多賀竜

1984年秋

13勝2敗

(前頭12枚目)

6勝9敗

(小結)

琴富士

1991年名古屋

14勝1敗

(前頭13枚目)

4勝11敗

(小結)

琴錦

1991年秋

13勝2敗

(前頭5枚目)

12勝3敗

(小結)

貴花田

1992年初

14勝1敗

(前頭2枚目)

5勝10敗

(関脇)

水戸泉

1992年名古屋

13勝2敗

(前頭筆頭)

8勝7敗

(関脇)

琴錦

1998年九州

14勝1敗

(前頭12枚目)

6勝9敗

(小結)

貴闘力

2000年春

13勝2敗

(前頭14枚目)

2勝13敗

(小結)

琴光喜

2001年秋

13勝2敗

(前頭2枚目)

9勝6敗

(関脇)

旭天鵬

2012年夏

12勝3敗

(前頭7枚目)

2勝13敗

(前頭筆頭)

栃ノ心

2018年初

14勝1敗

(前頭3枚目)

10勝5敗

(関脇)

朝乃山

2019年夏

12勝3敗

(前頭8枚目)

7勝8敗

(前頭筆頭)

徳勝龍

2020年初

14勝1敗

(前頭17枚目)

 

全20名(徳勝龍含む)

・勝ち越し:6名

・二桁勝ち越し:4名

・負け越し:13名

・二桁負け越し:8名(栃東含む)

 

上記の通り、大半が負け越しであり、さらには二桁負け越しも珍しくない。

後の大横綱貴乃花貴花田)、現在大関候補筆頭の朝乃山も負け越しを喫している。

貴乃花に関して言えば、優勝場所も上位総当たりだったのだが、翌場所結果を残すことができなかった。

翌場所も二桁勝ち越しを果たした力士の共通点は『大関昇進』である。

1人目の佐田の山は、上位が総崩れする中、平幕下位で大勝ちして優勝するという、私から言わせると『インチキ優勝』だった。

さらに言えば、この場所十両優勝を果たした清ノ森に敗れており、当時『優勝は清ノ森』と言われるほどフロック感が否めなかったが、翌場所11勝を果たしてフロックではないことを証明し、その後すぐに大関へ昇進した。

2人目の魁傑は、すでに優勝を果たしており、大関から陥落した後に2度目の優勝を平幕で達成した。

そしてそれを足固めに翌場所以降も2場所連続二桁勝利を果たして大関帰り咲きを果たした。

3人目の琴錦は、最終的に大関昇進は叶わなかったが、優勝を果たす場所の前までは5場所連続関脇在位の大関候補筆頭であった。

平幕に番付を落とした場所に優勝を果たし、その勢いのまま翌場所も12勝を果たした。

ちなみにこの場所は、14日目を終了し、小錦と2敗でトップに並んでおり、もし優勝を果たしていれば『関脇を飛び越えて大関へ昇進させる』という意見も出ていたが、残念ながら小錦に優勝をさらわれる結果となった。

そして4人目の栃ノ心は、優勝の翌場所も10勝を挙げ、さらに翌場所も13勝と大勝ちして大関へ昇進した。

そのため平幕力士の優勝の翌場所で二桁勝利を挙げるということは、大関昇進に大きく近づくということである。

正直、来場所の徳勝龍が大勝ちする予想など全くしていない。

勝ち越しすら無理だと考えているし、おそらく2~3勝だと考えている。

はてさて先場所のように奇跡を起こせるかどうか。