きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

138. 2019年九州場所14日目を勝手に語る

白鵬が厳しい相撲を取り、43回目の優勝を果たした九州場所14日目。

右から張って左四つに組み止め、右上手もがっちり引いていた。

本来左四つは逆の四つであり、一度御嶽海に敗れたときは左四つで敗れていた。

今場所の御嶽海相手ならば問題ないという判断なのか、それとも差し手争いをあえて避けたのか。

詳細は不明だが、どちらにせよ立ち合いの踏み込みスピードが速く、決まり手は白鵬自身あまり見ない足技だったが、身体の反応も群を抜いて速いということだ。

終盤戦へ突入して以降の集中力は圧巻だった。

御嶽海からすると、昨日の相撲を見せられては期待できるものがない。

ここ一番の集中力を僅かに信じていたが、白鵬の集中力には遠く及ばない。

これで負け越しが決まり、明日も負ければ17場所連続で在位した関脇・小結から陥落となる。

平幕に落ちてしまっても別に構わないという意見が多く聞かれるが、私も同意見である。

一度完全に落ち方が御嶽海のためだと思う。

そこからなにくそ精神で這い上がってくるならば大関も十分狙えるだろうが、悔しさを感じず一桁勝ち越しor負け越しを繰り返すようならばそれまでの力士ということだ。

言ってしまえば1横綱2大関が休場した今場所ですら勝ち越し出来ない時点で、大関昇進を目指す資格すらないだろう。

朝乃山を降した一番は圧巻だったが、それも『関脇が小結を倒しただけ』である。

2度の優勝という実績は間違いなく素晴らしい。

しかしその2場所も上位陣の休場が多い中での優勝だった。

完全に天狗になっていたのだろう。

その鼻を完全にへし折って、一からやり直してほしい。

結局白鵬が皆勤している場所で優勝を果たせる力士が、2年連続で鶴竜のみという結果となった。

この件に関して語りたいことは色々あるが、千秋楽の明日に記載しようと思う。

朝乃山が11勝目を挙げ、関脇昇進が確定した。

10勝止まりでは御嶽海の成績次第で難しいところだったが、結果として御嶽海が負け越したため杞憂に終わった。

相撲内容は磐石と言い難いものだった。

立ち合いはやや遅れ、今場所光っていた立ち合いの踏み込みは不十分だった。

それでも右肩から当たり、右を差して前に圧力をかけて攻めた。

前に圧力をかけ、竜電に左前ミツ許さず、得意の左上手を引いた。

最終的に竜電に下手から振られ、左前ミツを引かれたが、自身も上手十分のため、投げで崩して攻めきった。

磐石と言い難い内容でも白星に結び付ける辺り、成長の証ではないだろうか。

小結 阿炎が貴景勝を降し、今年唯一の年間全て勝ち越しを果たした。

これで3場所連続三役で勝ち越しを果たした。

今場所の内容を見ていると、引き、叩きなど動きの良さだけでなく、突っ張りに重みが出ている。

白鵬戦、隠岐の海戦で力を出し切れなかったことが悔やまれるだろう。

さらにここから廻しを引いて相撲が取れるようになると、相撲の幅が大きく広がると思うが、それを会得するのはまだまだ先の話だろう。

一方敗れた大関貴景勝は、昨日と別人の内容である。

まるで御嶽海を見ているようだ。

この力士の長所は、ムラ無く自分の相撲を貫くところだが、本日は阿炎の術中にハマってしまった。

明日の白鵬戦は一矢報いてほしいところ。

平幕上位に目を向けると、大栄翔が勝ち越しを決めた。

相手は阿武咲だったが、この1年の成長、力量差がわかる一番だった。

元々阿武咲はライバル貴景勝よりも先に三役へ昇進し、三役でも勝ち越しを果たし、将来を期待されたが、怪我で番付を下降させた。

その間に貴景勝大関へ昇進し、そして新たに力を付けている1人である大栄翔にも圧倒された。

阿武咲としても奮起してもらいたいところだ。

そして勝ち越しを決めた大栄翔だが、これで上位圏内の勝ち越しを3場所連続とした。

新三役の座も見えてきたが、こればかりは番付運に泣かされる可能性もある。

金星も2場所連続とノーマークには出来ない存在になっているが、大勝出来ないのも事実である。

突っ張りが主体であり、前に出る圧力も付けているが、悪く言えば『それだけ』である。

あまりにも愚直過ぎるため、今後上位で二桁勝つためには工夫も必要になってくるだろう。

明日の注目は
『朝乃山ー正代』
『遠藤ー琴勇輝』
この2番である。

朝乃山に関しては勝って締めてほしいというその願いだけだ。

正代も番付を大きく落としているとはいえ、上位経験は朝乃山よりも長い。

いまや大関候補筆頭となった朝乃山だが、同格あるいは格下相手に貫禄を示してほしいところ。

遠藤ー琴勇輝は単純に遠藤が勝ち越してほしいという願いが強い。

正直今場所の遠藤の相撲を見ていると、巧さは随所にみせているのだが、栃ノ心戦、隠岐の海戦のように現状の力量からすると星勘定出来るところで落とす傾向にあった。

明日の琴勇輝に対しても一気に持っていかれそうな嫌なイメージが沸いてしまう。

ぜひとも勝ち越しを決めてほしいところ。

とはいえ琴勇輝も久々の上位戦でかなり健闘していると言えるだろう。

相次ぐ上位の休場により、役力士との対戦も多かったが、見せ場はかなりあった。

膝の怪我も大分癒えてきた様子である。

何だかんだで佐渡ヶ嶽の部屋頭になっており、今場所は幕内に在位する佐渡ヶ嶽部屋の力士は皆負け越しているため、琴勇輝にも意地があるだろう。

最後に今場所の三賞予想は
・敢闘賞:正代(勝てばの条件付き)
・殊勲賞:大栄翔
・技能賞:朝乃山
この通りである。

石浦の技能賞』だけは絶対に止めていただきたい。

恐らく三所攻めを決めて勝ち越したことで、候補に挙がる可能性が高いだろう。

私から言わせてもらえば、あれは三所攻めと言い難いし、そもそもそれだけで『技能』とも言えないと思う。

炎鵬に関してもそうだが『派手≠技能』ということだ。

『身体機能の良さ』『派手さ』『技能・技術』を一緒に考えてはいけない。

正直今場所は上記3名以外考えられないし、さらに言えば正代に関しては『無し』でもありだと思っている。

優勝も年間最多勝も決まっているが、まだ三役の枠に関しては未定である。

はてさて…