きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

136. 2019年九州場所12日目を勝手に語る

本日で優勝力士が確定してしまったと言えるか。

そんな印象を受けた12日目の相撲内容。

まず注目の『御嶽海ー朝乃山』。

昨日記載したが、今場所だけではなく、今後の大相撲を占うと言っても過言ではない一番である。

結果は御嶽海の意地が勝ったという内容だ。

立ち合いは両者ともに良く、ほぼ互角。

朝乃山は素早く得意の左上手を引いたが、右は差し負け、もろ差しの体勢を許した。

ここは御嶽海が巧かった。

左を固めて当たっていき、突き放してからもろ差しを果たした。

あとは朝乃山の上手を切って攻めるだけである。

昨日の両者の相撲を見て、大関に最も近い力士が御嶽海から朝乃山になりつつあると感じたが、出世争いのライバルに対して向かっていくときの御嶽海は本当に強い。

ここ一番の集中力は圧巻である。

これが15日間出来ない弱さを秘めているのも御嶽海なのだが、本日の相撲を見てより強く感じるのは、殻を破って欲しいということである。

朝乃山としては決して悪い相撲ではなかった。

それでも御嶽海に敗れてしまった。

御嶽海の方が一枚上手だった、本日の取り組みはそんな感じだ。

朝乃山はこれで3敗となり、優勝争いから後退し、明日からは自分自身との戦いになるだろう。

残り3日間の対戦相手は全員平幕力士である。

今場所の立ち合いの踏み込み、右四つの組み方の過程を間違えなければ簡単に負けることはないだろう。

しかし問題は『負けられない』という気持ちが強くなり過ぎ、安易に引っ張り込みにいったり、手を伸ばすだけの雑な上手の取り方になってしまうことである。

そうすることで星を落とすだけでなく、今場所築き上げた『勝利の方程式』を自ら崩壊させてしまう可能性もあることだ。

残り3日間。
朝乃山の真価が問われるだろう。

調子が上向きで昨日勝ち越しを果たした大関貴景勝は、竜電の変化についていけず、優勝争いから完全に脱落してしまった(数字上0ではないが)。

押し相撲の力士が変化で敗れるというのは珍しいことではないが、この貴景勝の黒星が白鵬優勝への最高のお膳立てとも言える空気をもたらしてしまったように感じた。

そして後続と星の差2つをつけた白鵬だが、遠藤相手に荒々しい相撲を取った。

立ち合いは左で張り、右でかち上げ。
その後も張り手を2発食らわし、KOとでも表現出来る内容だった。

正直醜い相撲であるが、遠藤としてももう少し立ち合い見ていけばかち上げを回避し、白鵬のがら空きとなっている右脇に差し込むことが出来たのではないだろうか。

2年前嘉風がその戦法で白鵬を降しているが、遠藤にはその判断が出来なかったか。

白鵬の左張り差し、右かち上げの立ち合いがやや久し振りだったことで警戒していなかったのか。

白鵬の相撲内容が醜い反面、遠藤の工夫が足りなかったことも悔やまれる。

相撲の巧い遠藤なだけに余計そのように感じた。

明日の注目は
白鵬ー阿炎』
『朝乃山ー琴勇輝』
この2番である。

中盤戦突入して以降、白鵬を脅かす可能性のある力士として貴景勝、御嶽海、そして阿炎を予想していた。

今場所の阿炎は、突っ張りの威力がかなり向上している。

本日は叩きから流れを作って白星を掴んだが、今場所は突き放して圧倒する相撲が目立っている。

とにかく阿炎としては『力まない』ことだ。

上半身だけに力を入れて突っ込んでいっても、叩きに落ちるだけである。

目指すは今場所2日目、大栄翔が白鵬に勝った一番だ。

突っ張りながらしっかり足を運べば、白鵬が引いてきたところに付け入るチャンスがある。

今の白鵬に勝つのは、その戦法が最も効果的ではないだろうか。

貴景勝、御嶽海、朝乃山の影に隠れがちだが、阿炎も今年に入って三役で連続勝ち越しを果たすなど力をつけており、今年唯一5場所連続で勝ち越しも果たしている。

若手代表としての意地もあるだろう。

そして朝乃山ー琴勇輝だが、朝乃山としては上記の通り、自分との戦いだ。

今場所みせた阿炎戦、大栄翔戦のようにしっかり踏み込み、顎を上げずに下から跳ね上げて圧力をかけること。

絶対安易に上手を求めてはダメだ。

とにかく我慢しなければいけない。

優勝は白鵬と言っても過言じゃないが、若手力士にとっては今後を占う意味でも自分の相撲を貫けるかどうか。

残り3日間、三役の枠も気になるところだがはてさて…