1年納めの大相撲九州場所まであと1週間である。
九州場所前となると『年間最多勝』にも注目が集まり、また御嶽海の大関取りなど話題の多い九州場所になりそうである。
初日までの1週間、いくつかブログを記載しようと思うが、今回は題名の通り『2度目の特例復帰場所』に関してである。
栃ノ心が名古屋場所、秋場所と大関で2場所連続負け越しを喫し、九州場所で関脇陥落が決定している。
そもそも2度の大関陥落を経験している力士は過去に3名(魁傑、貴ノ浪、栃東)のみであるため、2度目の特例復帰場所を経験しているのもこの3名である。
魁傑は1度大関から陥落し、直後の特例復帰場所でも復帰は叶わなかったが、再び三役で好成績を続けて大関に再昇進した唯一の経験者だが、2度目の復帰は叶わなかった。
3名の2度目の特例復帰場所の星取表は以下の通りである。
①魁傑(6勝9敗)
○●●●●○○●○○●●●●○
・出場していた上位陣:横綱2人、大関4人(横綱1人とは同部屋)
②貴ノ浪(7勝8敗)
○●○●○○●●●●●○●○○
・出場していた上位陣:横綱3人、大関4人(横綱1人とは同部屋)
③栃東(11勝4敗)
○○●○○○○●○●○●○○○
魁傑は大関戦3戦を含め序盤4連敗を喫し、その時点ですでに終戦モードとなり、結果的に上位戦全敗を喫し、特例復帰の10勝どころか勝ち越しにも届かなかった。
一方、貴ノ浪は上位戦4勝2敗と勝ち越し、さらにはこの場所11勝を挙げ大関昇進を果たした魁皇にも勝利しながら、終わってみれば魁傑同様、10勝どころか勝ち越しにも届かなかった。
平幕相手に4戦全敗したことが痛手となった。
栃東は上位戦が少ないことも幸いしたか、連敗を一度もせず、着実に白星を重ねていき、史上唯一の2度目の大関復帰を果たしている。
また特例復帰場所で11勝は当時最高記録であった(現在は貴景勝の12勝)。
栃ノ心の2度目の特例復帰場所はどのような結果になるだろうか。
上位陣の怪我の具合など詳細は不明だが、展開によっては上位が休場して平幕との対戦が増えるかもしれない。
その場合、栃ノ心にとってはどのように左右するだろうか。
前回の特例復帰場所では初日から7連勝とし、中盤戦終えた時点で9勝1敗と成績、相撲内容ともに完璧だった(余談だが特例復帰場所で初日から7連勝は最多記録)。
しかしそこから平幕相手に3連敗であった。
まずは序盤でしっかり流れを作ることが出来るかどうか。
何度か記載しているが、過去特例復帰した7例の共通点は『初日から2連勝以上』である。
先場所までの内容を見る限りだと厳しいと言わざるを得ないが、奇跡を起こすことが出来るだろうか。
御嶽海の成績次第では、来年は5大関で始まる可能性も秘めているがはてさて。