本日10月28日は九州場所の番付発表の日である。
最大の注目点は『三役の人数』であった。
関脇3・小結2
関脇2・小結3
など様々な予想がされていたが、結果は『関脇2・小結4』だった。
小結4人は13年ぶりであり、そもそも近年では大関から関脇へ陥落する力士が存在する場合を除けば『関脇2・小結2』を徹底することが多かった。
そのためこの結果には驚いたと同時に、十分三役に昇進する値がある成績を残した北勝富士、朝乃山が救われて良かったと感じた。
特に北勝富士に関して言えば、2場所連続筆頭で9勝を果たしながら三役に昇進できないとなれば不運過ぎるため、本当に良かったと感じている。
関脇2・小結2に拘るのも全くわからないわけではないが、仮に北勝富士が再び筆頭に留まったとしよう。
九州場所で9勝を果たし、さらに初場所13勝を果たし、そして春場所12勝を果たした場合、3場所の合計は34勝となる。
三役で9勝・13勝・12勝ならば文句なしの大関昇進だろうが『筆頭で9勝』となると、大関取りのスタートラインにすら立つことが出来ず、13勝を果たした初場所がスタートラインとなる可能性が高いだろう。
机上の空論だが、関脇2・小結2に拘り続けると、こういった不運も考えられるため、今回の小結4人は良い判断だと考える。
そして一番感銘を受けたのが『東西の前頭筆頭』である。
番付をみると
東前頭筆頭が大栄翔。
西前頭筆頭が隠岐の海である。
先場所の両者の番付と成績は
・大栄翔:東前頭3枚目(8勝7敗)
・隠岐の海:東前頭8枚目(11勝4敗)
であった。
単純計算ならば、1点勝ち越しの大栄翔は1枚しか上昇しないため2枚目に留まり、隠岐の海は7点勝ち越しのため、数字通り筆頭まで昇進可能である。
予想屋さんの多くは『隠岐の海>大栄翔』と予想しただろうが、結果は大栄翔が半枚上となった。
これに関しては本当に感銘を受けた。
大栄翔は8勝とはいえ『上位総当たりによる8勝』である。
一方隠岐の海は、千秋楽まで優勝争いして11勝を果たしたといっても、上位戦はなく、唯一の三役以上との対戦は千秋楽の貴景勝戦のみであり、さらにそれは黒星であった。
成績に差はあれど、中身は全く異なるものであり、私も予想では隠岐の海有利としたが、内心大栄翔の方が上になってほしいと思っていた。
そして結果は見事に大栄翔が半枚上である。
ここ最近の大相撲は番付もそうだが、割の編成、三賞の基準など腹立たしい出来事が多かった。
その中でこういう細かい部分を評価する辺りは、まだまだ協会も捨てたもんじゃないと感じた。
その他数多くの問題も上手いこと解決できれば良いのだが…