きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

114. 平幕力士の優勝決定戦

大相撲秋場所の優勝争いも佳境を迎える。

関脇御嶽海、貴景勝、そして平幕隠岐の海に優勝が絞られたわけだが、本割りで御嶽海と隠岐の海が勝利した場合、隠岐の海は平幕で優勝決定戦に進出することになる。

年6場所制となった1958年以降、平幕の優勝決定戦進出者は10人である。

その内、平幕が優勝決定戦を勝利した回数は『1度だけ』である。

しかもこの1度は、2012年夏場所の『史上唯一となる平幕同士の優勝決定戦』における勝利であるため、言い換えれば『平幕が優勝決定戦で三役以上の力士に勝利したことはない』ということである。

そのジンクスを打ち崩すことが出来るかどうかと言えば聞こえはいいが、以前から記載している通り『インチキ優勝』を見たくない気持ちの方が強い。

今場所の隠岐の海は前頭8枚目であり、上位対戦はない。

明日貴景勝と割が組まれたが、相撲ファンの中では『上位=横綱大関』という認識が強いだろう。

そのため、明日貴景勝(決定戦も含めたら御嶽海)に勝利したからといって、素直に喜べる優勝とは言い難い。

ちなみに過去平幕力士が優勝決定戦へ進出した事例は以下の通りである。

場所

優勝力士

成績

決定戦相手

皆勤横綱大関

上位対戦

1961年秋

大鵬大関

12勝3敗

柏戸大関

明武谷(前4)

横綱1人

大関3人

なし

1965年秋

柏戸横綱

12勝3敗

佐田の山横綱

明武谷(前5)

横綱4人

大関3人

なし

1969年名古屋

清国(大関

12勝3敗

藤ノ川(前5)

横綱1人

大関4人

なし

1972年春

長谷川(関脇)

12勝3敗

魁傑(前7)

横綱1人

大関3人

横綱1人

大関3人

(2勝2敗)

1994年春

曙(横綱

12勝3敗

貴ノ浪大関

貴闘力(前12)

横綱1人

大関4人

大関3人と同部屋

なし

1997年春

貴乃花横綱

12勝3敗

曙(横綱

武蔵丸大関

魁皇(筆頭)

横綱2人

大関2人

横綱2人

大関2人

(3勝1敗)

2004年夏

朝青龍横綱

13勝2敗

北勝力(筆頭)

横綱1人

大関3人

横綱1人

大関3人

(4勝0敗)

2010年九州

白鵬横綱

14勝1敗

豊ノ島(前9)

横綱1人

大関3人

大関2人

(2勝0敗)

2012年夏

旭天鵬

12勝3敗

栃煌山(前4)

横綱1人

大関6人

旭天鵬

大関1人

(1勝0敗)

栃煌山

大関3人

(3勝0敗)

※1人不戦勝

明武谷が唯一平幕で2度の優勝決定戦を経験しているが、いずれも巴戦で敗退している。

2度の優勝決定戦進出を果たすなど実力者であったが、いずれの場所も上位対戦はない。

上位とフルに対戦しているのは魁傑、魁皇北勝力の3人である。

しかもこの3人は上位戦で互角以上の成績を残しており、全員が優勝力士に土をつけている。

北勝力においては上位総なめである。

このレベルなら仮に優勝していても、文句ひとつ出ない。

『ギリギリ許されるライン』が豊ノ島栃煌山だろう。

豊ノ島は上位全員とは対戦しておらず、また優勝した白鵬とも対戦していないが、優勝争いをしていた2大関把瑠都魁皇)に勝利したという点で許容範囲と言える。

栃煌山は不戦勝があるものの、優勝争いの先頭を走っていた稀勢の里を含む3大関に勝利していたため、これも許容範囲と言える。

一方この場所優勝した旭天鵬は、上位戦は大関1人に留まり『インチキ優勝』と言える。

この場所に関しては、上位陣の調子が不良だったこと、唯一中盤まで調子の良かった稀勢の里が、圧倒的な星の差から逆転優勝を許したことが問題といえば問題であったが。

とにかく上記の通り、今場所の隠岐の海の優勝する姿は見たくないのが本音だ。

両関脇のどちらかの優勝、最高の展開として『関脇同士の優勝決定戦』を望むがはてさて…