貴景勝が鬼門を突破できず3敗目を喫し、3敗で4人が並ぶ大混戦となってしまった。
貴景勝としては立ち合い潜って、下から押し上げる作戦だったのだろうが、いつもと異なることをやった時点で負けだろう。
今年の春場所、逸ノ城相手にもろ手突きを選択してあっさり敗れた経験がある。
この力士は強く当たって押す。
これが基本である。
流れの中で独特な間合いを持つのは良いが、立ち合いから余計なことをしてはいけないということである。
一方豪栄道だが、私は数日前に『ベンチマーク』になると予想していたが、明日は御嶽海戦である。
まだ4敗も優勝圏内である。
残された上位陣代表として意地をみせたいところ。
御嶽海が優勝した場所以来、三役で2度目となる二桁白星を挙げた。
本日も立ち合いはやや甘かったが、妙義龍に差されないように突き放していき、自分の間合いで相撲を取ることが出来ていた。
これで二桁白星を挙げたわけだが、欲を言えば先場所二桁挙げられなかったのが痛手と言える。
優勝した昨年名古屋場所は結果的に皆勤した上位陣は大関2名だけであり、その時はそのチャンスを見事モノにしたわけだが、その翌場所は上位陣すべて皆勤の中結果を残すことができなかった。
そして先場所も皆勤したのは2横綱だけに留まっていたが、その中で二桁白星を挙げることができなかった。
とりあえず御嶽海としては、最低限の目標をクリアしたと言える。
来場所以降に弾みを付けるためにも白星の上積みをしておきたいところであるし、優勝争いトップとしても負けられない。
隠岐の海が3連敗後2連勝として3敗を死守。
とはいえ明日の遠藤に勝てるイメージはあまり思い浮かばない。
勝つとしても小手投げ、突き落としといった逆転になるのではないだろうか。
新入幕 剣翔が大健闘の10勝目。
左四つで地力のある宝富士相手に左四つに組んで豪快にすくい投げを決めた。
左四つに組まれた時点で苦しい展開だっただろうが、立ち合い当たり勝った分、少し余裕が生まれたのだろう。
小結の阿炎、遠藤がともに勝ち越し。
阿炎は来場所も勝ち越せば幕内で唯一の年間全勝ち越しを果たすことになる。
遠藤が三役で初の勝ち越しを果たしたが、正直私からすると今場所の相撲内容を考えるとやや遅い勝ち越しであった。
優勝争いトップの3敗勢の中に遠藤と朝乃山がいたらもっと面白かっただろうが…
明日の注目は
『豪栄道ー御嶽海』
この一番だろう。
御嶽海としては、ここ数日の立ち合いでは豪栄道に圧倒される可能性が高い。
立ち合い低く強く当たり、そのまま突き放すか中に入ることが出来るかどうか。
豪栄道としてはゲンの良い秋場所で大逆転優勝の奇跡を起こすためには負けられない一番である。
2年前は11勝4敗で日馬富士に大逆転優勝を許したが、今場所は逆にやり返すかどうか。
私個人としては、4敗まで下がる優勝はあまり見たくないのだが…