きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

105. 2019年秋場所7日目を勝手に語る

貴景勝連敗。

本日は押し相撲の難しい面が垣間見れた一番だと言える。

昨日遠藤戦で引いてしまって墓穴を掘ったため、本日は引かない意識を持って土俵に上がっただろう。

しかも立ち合いの一発、馬力のある千代大龍相手なら尚更だ。

いつも以上に立ち合い強く当たらなければいけないという意識が強くなり過ぎたがために、見透かされたように立ち合い変化され、全くついていく事が出来なかった。

押し相撲は大雑把に言えば『思いっきりの良さ』『積極性』が重要である。

しかしそればかりでは本日のように立ち合い変化を食う恐れもある。

だからといって消極的になれば、持ち味の半分も出すことなく敗れることになる。

このさじ加減が非常に難しいため、歴代でも押し相撲で横綱に昇進した力士が少ないのだろう。

貴景勝としては、この先迷わず相撲を取ることが出来るかどうか。

真価の問われる場所となるのではないだろうか。

一人横綱鶴竜が泥沼の3連敗。

相手はまたもや友風である。

この2日間の連敗、先場所敗れた相手ということもあり、迷いもあったのだろう。

立ち合いは張り差しを選択。
しかし張り手は効果なく、立ち合いも高く、右は差すだけの形となってしまい、友風に攻められてしまった。

焦ったところ時すでに遅し。
あとは友風得意の叩きの餌食になるだけである。

足が全く出ていないし、悪手とは異なる最悪の相撲である。

正直今場所の皆勤すら怪しくなってきた。

この先本日のような醜態を晒すくらいなら休場した方が賢明だろう。

それだけ内容が崩壊してきている。

一方友風だが、本日の叩きは巧かったと思う。

いつもの苦し紛れではなく、圧力があるからしっかり決まる。

まだまだ強さまでは感じないが、しっかり圧力をかけるという点では、本日の一番をきっかけに変わってくるかもしれない。

角番の豪栄道が昨日の敗戦を引きずることなく、難敵玉鷲を圧倒した。

立ち合いしっかり踏み込めているし、言うことはないだろう。

まだ2敗であり、自力優勝は可能であるため、御嶽海と当たるまでは2敗を死守したいところ。

一方どうしようもないのが栃ノ心である。

角番脱出はもちろんのこと、皆勤する想像すら出来ない。

休場すれば大関陥落が決定するが、大関として醜態を晒すくらいならそれでも良いと考えている。

早く休場して来場所に再起を懸ける方が賢明だろう。

今の栃ノ心は正直見苦しいし、見ていて心苦しくもなってくる。

エンジンのかかってきた御嶽海が、本日も厳しい内容で1敗を守った。

今場所はもろ差しや四つに拘らず、徹底して押していき、馬力を感じさせる内容である。

この力士も突如崩れることが多いため油断できないが、優勝経験者であることも事実である。

後半戦以降も自分の相撲を取ることが出来るかどうか。

好調の遠藤が阿炎に敗れて2敗目。

同格相手に勝ちきれない遠藤の悪い部分が出てしまったが、本日は阿炎の相撲が良かった。

今場所しっかり腰が下りている遠藤を突き放して上体を起こした。

阿炎の力強さが見られた一番であった。

朝乃山が対戦成績では3勝5敗と苦手にしている竜電相手に完璧な相撲を取った。

当たった瞬間、左の前ミツを引き、休むことなく攻めきった。

初日の御嶽海戦でもそうだったが、左前ミツ狙い、上手から狙う相撲に変わってきた。

やはり四つ相撲は上手を引いて力が出るため、差し手よりも上手に拘る相撲を取り続けてほしいところである。

唯一の全勝隠岐の海は、妙義龍の攻めを凌いで全勝キープ。

不利な体勢から逆転するあたり、今場所の好調さが窺えるが、昨日も記載した通り、上位と割が組まれたときに結果を残すことが出来るか。

それよりも私は1敗の明生の方が目を引く。

本日は攻め込まれての逆転勝利であったが、今場所は元来の速攻相撲に加え、横の動きも冴えている。

先場所上位初挑戦の場所で跳ね返されてしまったが、決して悪い内容ではなかった。

最近の期待値からしても、幕内下位で取る力士ではないため、今場所は大勝してほしいところである。

そうなれば後半戦上位と割が組まれる可能性も生まれてくるだろう。

明日の注目は
『御嶽海ー貴景勝
この一番に尽きる。

貴景勝が苦手としている力士の1人である。

ポイントは御嶽海の『右手』である。

貴景勝戦になると右差しにいくことが多く、その結果貴景勝に5連勝していた時期がある。

貴景勝が新大関の場所はもろ差しを果たして寄り切り、連敗を5で止めたが、右膝を負傷する事態に陥った。

貴景勝としてはとにかく『安易ないなし』にいかないことである。

貴景勝の武器であるいなしを御嶽海は狙っており、それに着いていき右を差して攻めるというパターンである。

貴景勝としては立ち合い当たり負けず、御嶽海の右を警戒しつつ、とにかく下から攻めていくことだろう。

今場所の御嶽海は馬力もかなりあるため、単純な押し合いでも御嶽海に軍配が上がるかもしれない。

貴景勝としては悪い流れを苦手を降して止めることが出来るかどうか。

御嶽海としては優勝争いを考えたとき、この一番モノにするのと落とすのとでは大きな差になってくるだろう。

場所の流れを掴むという点で重要な一番である。

秋場所は明日で早くも中日である。
優勝争いはまだ全然わからないが、豪栄道、御嶽海が崩れていくようならば混沌としてしまうだろう。

はてさて…