大相撲名古屋場所も1敗鶴竜、2敗白鵬の2名に優勝争いが絞られ、この両者が明日直接対決をする。
こちらでも記載したが、白鵬は42回もの優勝を果たしながら、題名の通り『千秋楽本割、優勝決定戦の連勝』を果たしたことがない。
ちなみに年6場所制となった昭和33年以降、11回存在するが以下の通りである。
四股名は当時の四股名であり、若乃花は3代目まで存在するため、右に数字を表記。
場所 |
優勝力士 |
成績 |
敗戦力士 |
1959年 夏場所 |
14勝1敗 |
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1971年 初場所 |
14勝1敗 |
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1974年 名古屋場所 |
輪島(横綱) |
13勝2敗 |
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1988年 春場所 |
13勝2敗 |
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1991年 夏場所 |
14勝1敗 |
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1997年 春場所※ |
12勝3敗 |
曙(横綱) |
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1997年 夏場所 |
曙(横綱) |
13勝2敗 |
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1999年 初場所 |
千代大海(関脇) |
13勝2敗 |
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2002年 初場所 |
13勝2敗 |
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2017年 春場所 |
13勝2敗 |
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2017年 秋場所 |
11勝4敗 |
※の貴乃花は本割で曙に勝利し、貴乃花、曙、武蔵丸、魁皇の4人による優勝決定戦だった。
トーナメントの結果、魁皇、曙に勝利して逆転優勝となり、今回はこれも回数に含めている。
やはり連勝による逆転優勝に印象は強く、稀勢の里にとっては『代名詞』とも呼べる一番になっている。
そして大横綱といえど、必ず経験しているわけではない。
ちなみに『千秋楽の本割は勝利したが、決定戦に敗れた』というパターンは以下の通り16回である。
四股名は当時の四股名であり、貴ノ花は2代存在するため、右に数字を表記。2代目は途中、貴乃花に改名。
場所 |
優勝力士 |
成績 |
敗戦力士(本割勝利) |
1966年 秋場所 |
13勝2敗 |
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1970年 初場所 |
13勝2敗 |
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1970年 九州場所 |
14勝1敗 |
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1975年 春場所 |
13勝2敗 |
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1976年 夏場所 |
13勝2敗 |
輪島(横綱) |
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1978年 春場所 |
13勝2敗 |
若三杉(大関) |
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1981年 初場所 |
千代の富士(関脇) |
14勝1敗 |
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1986年 名古屋場所 |
14勝1敗 |
北尾(大関) |
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1987年 初場所 |
12勝3敗 |
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1993年 名古屋場所※ |
曙(横綱) |
13勝2敗 |
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2001年 初場所 |
14勝1敗 |
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2001年 夏場所 |
13勝2敗 |
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2009年 初場所 |
14勝1敗 |
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2009年 秋場所 |
14勝1敗 |
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2014年 初場所 |
14勝1敗 |
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2015年 秋場所 |
12勝3敗 |
※は2敗の貴ノ花が1敗の曙を降して、2敗で曙、貴ノ花、若ノ花が並び、3人による優勝決定戦だった。今回はこれも回数に含む。
逆転されずにすむパターンの方が、逆転されるパターンよりも多く、さらには本割でそのまま逃げ切るパターンもあるため、やはり連勝による逆転優勝の難しさを語る結果となっている。
そして千代の富士は上記の通り、逆転されずにすんだパターンが3回もあり存在感を示しているが、『自身が1差で追いかける展開で、トップの力士と千秋楽に対戦したことがない』という珍記録を持っている。
そのため、連勝による逆転優勝の経験もないのである。
ちなみに1970年九州場所、1971年初場所は、いずれも玉の海が1差でリードする形で千秋楽を迎え、本割で大鵬に敗れている。
九州場所は決定戦勝利も、初場所は逆転を許しているという面白い結果であった。
連勝で逆転に『成功』、そして逆転を『許してしまった』という両方を経験している力士は貴乃花、曙、千代大海の3名である。
上記表の力士達は横綱が大半であるが、両方を経験している力士の中に千代大海の四股名があることに少々違和感を覚える。
とはいえやはり、千代大海にとってこの2番は大相撲ファンの間でも有名な取り組みである。
連勝による逆転優勝は記憶に刻み込まれやすいものである。
それだけ印象が強いのである。
白鵬は新たに『印象強い優勝』を果たすことができるかどうか。
過去は2009年初場所・秋場所の決定戦に持ち込むまでが限度であった。
はたしてどのような展開になるだろうか。
とにかく熱戦を期待したいところである。