昨日までの展開を見て、千秋楽横綱同士の相星決戦を望んでいたが、それも叶わなくなった。
それにしても近年の白鵬は、勝っても負けても疑問が残りやすい。
確かに琴奨菊の踏み込みは良く、左前ミツも良いところを引いた。
しかし過去の対戦を振り返っても、そこから挽回できない白鵬ではない。
本日それが全く見られなかった。
さらにはもろ差しを許す最悪の展開だった。
どんな大横綱であっても呆気ない相撲で敗れることはある。
しかし誰よりも優勝争いをわかっておりかつお得意様相手に対して、何もできなかったことに疑問を抱く。
立ち合い踏み込み良く、前ミツに手は届かなかったが、御嶽海の突っ張りを封じ、結果的に右差し、左前ミツを引いて万全な形を作った。
昨日の敗戦を引きずることなく、立ち合いに集中しており、完璧な内容であった。
白鵬は42回と優勝回数に関して右に出る者はいないが、千秋楽本割で勝利かつ優勝決定戦で勝利という逆転優勝を経験したことがない。
平成21年初場所・秋場所は、朝青龍相手に本割は勝利したが、優勝決定戦は敗れている。
平成24年春場所は、1差で追っていた鶴竜が本割で豪栄道に敗れ、優勝決定戦で鶴竜に勝利して逆転優勝を果たしているが、本割→決定戦の連勝ではない。
白鵬の逆転優勝を見たい気もするが、それはそれで鶴竜に対して締まりがないと不満を抱くことになりそうである。
だからといって鶴竜が本割で勝利して優勝を果たしても、白鵬の無気力を感じてしまい不満に思うだろう。
しかし完全に満足かと問われるとそうではない。
私のワガママなのだが、上記のこういうモヤモヤした感じが残るだろうから本日白鵬には勝ってほしかった。
とにかく明日は熱戦を望む。
三役を狙う前頭上位に目を向けると、12日目までは2枠空いている三役の座を8名で争う形だったが、阿炎、北勝富士、遠藤の3名に絞られたようである。
問題は阿炎と遠藤が白星、北勝富士が黒星の場合である。
阿炎が勝ち越した場合、阿炎はそのまま小結を維持し、筆頭の9勝と2枚目の10勝どちらが優位に立つかである。
三役争いも目が離せない。
平幕下位に目を向けると、栃煌山が10敗目を喫した。
前頭12枚目で10敗のため、展開次第ではこの時点でも十両陥落の恐れがあるが、明日は幕内残留をかけて重要な一番になるだろう。
一昔前の大関候補が、いまや幕内に留まることが出来るかどうかの瀬戸際に立たされている。
こちらでも記載したが、今場所は豪栄道も途中休場し、『ロクイチ組』にとって苦しい場所かもしれない。
同じくロクイチ組の妙義龍は、勝ち越したもののその後は4連敗。
まだまだ意地を見せてほしいところだが…
先場所同様、今場所も14日目の取り組みが終了した時点で取り組み編成をしたため、7勝7敗同士の割が3組存在する。
7勝7敗が7名(どうでもいいがトリプルセブン)いたため、碧山だけはすでに勝ち越しを決めた大栄翔との対戦となった。
この一番も展開によっては三役をかけての取り組みになる可能性もあったが、上記の通り3名に絞られている。
先場所も記載したが、今後も14日目を終了した時点で編成したら良いのではないだろうか。
出来ない理由がないならやるべきだと思う。
現にこの2場所、千秋楽の割に関しては素晴らしいと思う。
今後も絶対条件で良いのではないだろうか。
さて明日で千秋楽だが、優勝の他に三賞が気になるところである。
確定は殊勲賞友風、敢闘賞照強だろうが、北勝富士、遠藤が10勝した場合どうだろうか。
特に遠藤は出し投げのキレ、前さばきの技術を評価される可能性は高い。
本来技能賞ならば、最低限の勝ち越しを果たしていれば白星の数は関係ないと思うのだが、先場所の竜電をみても二桁はほしいところか。
そもそも受賞できるかどうかも不確定だが。
そして気になるところが逸ノ城である。
白鵬に土を付けて、優勝争いを面白くした立役者だが、その後あまり成績は上がらず現在8勝止まり。
そして本日琴奨菊が白鵬に勝ったことで、価値も薄まってしまった可能性が高い。
受賞出来なければ3回目の『白鵬に勝っても殊勲賞を受賞出来ない』という珍記録を達成することになる。
千秋楽。
順当に鶴竜が優勝を果たすのか。
それとも第一人者 白鵬が意地を見せるのか。
はてさて…