きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

87. 2019年名古屋場所13日目を勝手に語る

誰が予想しただろうか。

まさかまさかの大波乱。

鶴竜が平幕友風に不覚を取り、ついに初黒星を喫した。

悪手を見せたわけではない。

立ち合いの踏み込みも低く鋭く、友風の上体を起こした。

しかしそこからは焦りだったのか。

友風としては立ち合い当たり負け、上体を起こされ、圧倒された中で繰り出す技が叩きしかなかった。

鶴竜は前ミツを引けていない状態で突っ込みすぎて、捨て身の叩きを喰ってしまった。

鶴竜としては立ち合いがほぼ完璧だっただけに、悔やまれる一番である。

それにしても友風は目立たないながらも、今場所は2つの偉業を成し遂げた。

目立たないという言い方は失礼であるが、本日この一番の結果が出るまでは、正直私は友風から期待できるものを感じることが出来なかった。

強いて印象として残っているのは、今場所も一番見られたが、押し相撲でありながら、右四つに組んで上手を引いて豪快に投げる相撲を見たとき『あぁ、こんなことも出来るんだ』と思う程度だった。

ちなみに上記の1つ目の記録が『初土俵から13場所連続勝ち越し』。

これは歴代2位タイの記録であり、立派であることに間違いないのだが、これに関して言えば大きく勝ち越さず、小さく刻んで勝ち越しを積み重ねれば、上位と対戦せず記録を伸ばすことが出来る。

もちろん勝ち越しを果たすには力量がなければ出来ないことだし、そんな単純計算でないことはわかっているが、この記録を打ち立てても友風から感じるものがなかった。

もう一つが『初土俵から14場所目で初金星』。

これに関しては幕下付け出しを除き、小錦と並び1位タイの記録だが、正直このスピード記録にものすごく驚きである。

当時の小錦のようなインパクトがないのは当然と言えば当然か。

そもそも今場所、ここまで3敗で比較的好調とはいえ、全勝の鶴竜とは星の差3つあり、優勝圏内とは言えない。

星勘定だけで話をしたら2敗である照強の方が上である(本日の割が組まれるのは友風、照強の取り組み前であり、11日目終了時点では両者2敗のため判断できないが。)。

『4大関の休場』により急遽抜擢されたため、段階を踏んで上位対戦となったわけではないため、余計今回のスピード記録に驚かされるのだろう。

友風としては偉業を成し遂げ、今場所の優勝争いを面白くした立役者であることに間違いない。

しかし私はまだ友風の力量が幕内上位で通用すると到底思えない。

しかしこの一番をきっかけに躍進する可能性はある。

まだ今場所も2番残っているため、ぜひ連勝で締めてほしいところである。

友風の話が長くなったが、1敗で追う白鵬は妙義龍を冷静に退けた。

立ち合いの踏み込みはまずまずであったが、左前ミツを引くことは出来なかった。

とはいえ余計なことをせず、相手をよく見て、小手投げで仕留めた。

ここ2日間、踏み込みスピードはそこまで感じないが、低さはあり、左前ミツを狙おうという丁寧さも見られる。

磐石とは言い難いが、落ち着きのある内容である。

誰よりも優勝争いの経験を知る者であるため、終盤戦へ突入してエンジンがかかってきたか。

先場所の覇者 朝乃山が負け越しを喫した。

序盤戦を見る限りでは、勝ち越しには手が届くレベルだと感じたが、同格に不覚を取った。

強い内容もあり、今後上位で戦うにあたり、自信を付けた相撲もあっただろうが、総合してみると反省点が多い場所となったか。

いずれにしても、先場所の優勝に『ケチ』がつきやすい結果となった。

汚名返上をするためにも、今後の活躍が重要になってくるだろう。

横綱大関との上位戦はもちろんだが、関脇以下の同格に対して苦手を作らないことが大切になってくるだろう。

そして新入幕 貴源治の連敗が止まらない。

序盤戦とはまるで別人である。

序盤戦は組んでも離れても自信を持って取り組んでいたが、連敗中はどっち付かずの内容になっており、自身喪失も感じられる内容である。

新入幕で前頭10枚目まで躍進したため、家賃が高かったのかと言われればそれまでなのだが、序盤戦を見る限りではそう思えない。

あと2日間残っているため、連敗を止めて来場所に繋げてほしいところ。

明日の注目の割は
鶴竜ー御嶽海』
この一番に尽きるだろう。

そもそも終盤戦へ突入してから、鶴竜の連勝を止める可能性のある力士は御嶽海しかいないと考えていたくらいだ。

鶴竜にとってある意味最も苦手な力士と言える。

悪手を見せなくても、立ち合いから圧倒されることもあるし、流れの中でいなされて崩れる可能性もある。

鶴竜としては、まずはしっかり踏み込むことだろう。

そして気持ちの切り替えである。

この1年、皆勤した3場所の終盤戦の成績は全て負け越している。

気持ちを切り替え立ち合いに集中する。
そして悪手を見せない。

それでも敗れるようならば、正直仕方ないと言わざるを得ないのではないだろうか。

先場所は初日に対戦して、珍しく圧倒する内容で勝利している。

先場所の良いイメージで相撲を取ることが出来るかどうか。

どのような星の推移で千秋楽を迎えるだろうか。

はてさて…