そして『令和初の金星』は玉鷲となった。
まず『鶴竜ー玉鷲』だが、鶴竜の立ち合いは決して悪くなかった。
そして悪手を見せたわけでもない。
玉鷲の当たり、その後崩してからの右ハズ押しが強烈だった。
鶴竜としてはこの敗戦を引きずらず、明日以降も相撲を取ってほしいところ。
『栃ノ心ー遠藤』だが、遠藤の巧さに敗れた。
ケンカ四つの対戦だが、遠藤に右前ミツを取られ、栃ノ心としては右を差すことも出来ず良いところがなかった。
突き放しに変更して、前ミツを切ることも考えられただろうが、遠藤が素早く出し投げを決めた。
栃ノ心としては7日間完璧な相撲を取り続けていただけに、何も出来ず敗れたというのは後半どのように響いてくるだろうか。
そして本日再出場した貴景勝だが、碧山の立ち合い変化に敗れた。
膝を負傷した中で
『碧山の突っ張りを受けられるか』
『前に出ることは出来るか』
というのが注目であったが、肩透かしを食らうような内容だった。
本日の内容で状態を把握することは難しい。
しかし結果としては黒星である。
状態は不明だが、膝を負傷しているということは後ろに下がる相撲を取ることができないだろう。
そうなると今まで以上に前へ出ようとする気持ちが生まれてくる。
しかし本日変化されたことで、その辺の心情も変化が生じるかもしれない。
明日以降、気持ちを切らさず相撲を取ることが出来るかどうか。
平幕好調力士の朝乃山は、廻しに拘らず攻めて1敗を守った。
番付上、上位と対戦することはないため、そこまで緊張感なく相撲を取ることが出来ると思うが、割を変更する可能性もあるため、真価が問われるのはそこからだろう。
本日逸ノ城が休場した。
先場所14勝を挙げ、今場所は真価の問われる場所でもあったが、ここまでパッとせず結局休場に陥ってしまった。
場所前から怪我をしていたようであるが、結局殻を破れずに終わってしまう形となった。
三段目の話だが、本場所に復帰して2場所目の照ノ富士が本日敗れ、復帰後初の黒星となった。
番付は49枚目のため、残り全勝して6勝とすれば幕下へ返り咲くことは可能だろうが、元大関が三段目の力士に敗れるというのはどのような影響を及ぼすだろうか。
照ノ富士曰く『勝ったと思って力を抜いた』というのもあまりに雑な行為だし、この1敗により『2場所連続各段優勝なし』という事実をどう受け止めるのか(厳密に言えばまだ優勝の可能性が0ではないが)。
明日の注目の割は
『鶴竜ー隠岐の海』
『貴景勝ー栃ノ心』
この2番だろう。
鶴竜としては、隠岐の海相手に引っ張り込まれて左四つとなる展開だけは避けたいところ。
また土俵際逆転も注意しなければならない。
決して調子の上がらない隠岐の海だが、過去何度か苦杯をなめているだけに油断ならない相手である。
貴景勝ー栃ノ心は、先場所記憶に新しい『大関入れ替え戦』となった一番である。
今場所も『再出場の大関』『大関復帰をかける関脇』という両者ともに負けられない一番である。
過去は貴景勝が圧倒しているが、栃ノ心の状態は先場所と大きく異なる。
貴景勝が万全だと仮定した場合、栃ノ心としてはとにかく雑な立ち合いは出来ない。
また貴景勝の独特な間合いに付き合って、上体だけでいくと引き技を食ってしまう可能性が高いため、注意が必要である。
明日から後半戦である。
全勝が消え、優勝争いの展開も大きく変化する可能性がある。
後半戦も注目である。