1敗の平幕で残ったのは千代の国のみ。
優勝争いを考えたとき、三役経験もない平幕に期待するのも酷な話だが、それでも『千秋楽まで優勝が縺れる』という展開を望む場合、重要な存在である。
それがもう1人しかいない。
もはや『優勝は誰か?』ではなく『白鵬全勝なるか?』に注目が置かれつつある。
その中、何とか2敗で食らい付いている両関脇。
貴景勝は文句無い内容。
逆に錦木が序盤戦とは別人である。
言い方は悪いが、元々地味で印象が薄く、上位で健闘できる力量を持ち合わせていないと思っていた。
先場所も場所前の予想では、3勝くらいではないだろうかと予想した中、大関にも勝利してまさかの勝ち越しを果たした。
そして今場所も鶴竜を破り、2大関も圧倒し、白鵬を苦しめ、大器晩成かと思わせたが、6日目以降が酷すぎる。
立ち合いは棒立ち、攻めは受けるだけ、組んでもここ数場所警戒されている小手投げに頼るだけ。
結局『地味で印象の薄い力士』に戻った様子である。
話が少し逸れたが、もう1人の関脇 玉鷲も良い内容で2敗を死守。
周りの好調力士、注目力士の影に隠れているが、地力は十分であり、良い意味でこの力士が3大関を総なめしても何も思わない。
あとは白鵬に勝てるかどうかが問題である。
2016年九州場所から遅咲きではあったが上位に定着し、横綱、大関を倒すことも当たり前の光景となってきたが、白鵬には未勝利である。
番付順で言えば12日目に割りが組まれると思うが、それまで何とか食らい付いてほしいところ。
2大関が揃って押し倒され、もうどうしようもないレベルである。
修正されつつあったが、この2日間はあまりにも酷く、勝ち越しすら厳しい状況である。
優勝争いは無理だが、番付上優勝争いを混沌とさせる義務はある。
集中力を切らさずに奮闘してほしいところである。
過去は19ー1と白鵬が圧倒しているが、全ての内容が圧倒しているかと言われればそうではない。
左四つに組んだ場合、面白い展開になるかもしれない。
とはいっても白鵬の巻きかえの技術が最高峰だから、左四つに組んでも難しいだろうが。
また明日、明後日で割りを変更しない限り、白鵬は平幕戦を終了する。
このままでいけば魁聖だろうか。
正直、一つも期待は出来なさそうだ…