きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

610. 2023年初場所12日目を勝手に語る

ここに来て貴景勝が連敗し、阿武咲が単独首位に立った。

正直9日目までの貴景勝の相撲内容、そして後続がばたばたと崩れていった時はこのまま貴景勝の場所になると思われた。

昨日も記載したが、ここ2日間の相撲を見ていると霧馬山に勝てるイメージが全く沸かなかった。

そして本日も霧馬山の相撲が良かったのは間違いないと思うが、貴景勝側として見れば貴景勝の相撲とは程遠い内容だったと言えるだろう。

立ち合いの当たりが弱い。
そしてその後の突き押しの威力も弱い。
これらが弱い貴景勝に脅威はない。

優勝への重圧だけで片付けられる問題ではないと思う。
初優勝への重圧ならばまだしも、貴景勝は2回優勝経験がある。

重圧が全くないわけではないだろうが、それだけで片付ける事はできないだろう。

何かがおかしい。
それが何なのかはわからないのだが。

そしてこの先、明日の阿武咲との割は決まっており、14日目と千秋楽は若隆景、豊昇龍、正代からの選択だろう。

この3日間の相撲を見ているとこの4名誰にも勝てない気がする。

阿武咲には押し負けるイメージしか沸かない。

若隆景は今場所圧力負けする場面多いが、今の貴景勝の当たりには下がることなく、組み止められる姿が浮かぶ。

豊昇龍も怪我があるとはいえ、若隆景同様に今の貴景勝の当たりには下がらないだろう。

正代は息を吹き返している。
究極のたらればだが、今の正代が優勝争いしていればかなり面白いくらいである。

場所前展望でも記載したが、貴景勝は2年連続で初場所途中休場していた。

その中今場所は2日目に早々黒星を喫したが、その後は貴景勝らしい押し相撲が光っていた。

風化も出てきていたが、何がどう崩れてしまったのか。

残り3日間で修正出来るのだろうか。
このままではクンロクで終わっても不思議ではない。

まさかと言っては失礼だが阿武咲が単独首位に立った。

平幕上位で好調の玉鷲相手に素晴らしい相撲を取った。

立ち合いの当たりも良く、一旦は残されて突き返されたが、最終的には玉鷲に引かせた。

昨日まではあくまで平幕中位で活躍しているレベルであり、本日からが優勝を狙う意味では本当の闘いである。

その初日に実力者玉鷲を下したのは大きい。
平幕中位での活躍は伊達では無いということである。

そして残り3日間も同じように相撲を取ることが出来るかどうか。

阿武咲自身、単独首位に立つこと自体は初めてでないとはいえ、終盤戦における単独首位は初めてである。

今後の対戦相手も地力では阿武咲よりも上の力士と当たるだろう。

ここから先は阿武咲にとって未知なる世界へ足を踏み入れることになるが、変わらず力を発揮することが出来るかどうか。

明日の注目の割は
貴景勝ー阿武咲』
この一番以外ないだろう。

貴景勝と関脇力士いずれかの割が崩されたが、それに関してはどうでもいい。

上記の通り、ここ3日間の相撲内容ならば阿武咲が圧倒的に有利だと感じる。

貴景勝としては中学時代からのライバルが先頭に立ったことで燃えるものはあるはずだ。

精神論になるが、是非とも翠富士戦、錦富士戦のような闘志を思い出してほしい。

中学時代からのライバルがついに大相撲の世界で優勝を争い、そしてその中割りが組まれることになった。

これだけでも中々熱いものはある。

本日は貴景勝と阿武咲にしか触れていないが、これだけで十分だろう。

明日の一戦、目が離せない。

609. そろそろ朝乃山に過度な期待を抱くのはやめにしないか?

大相撲初場所は終盤戦に突入し、優勝争いも熱を帯びている。

その中、十両の土俵で全勝の朝乃山に土がついた。

これで3場所連続黒星を喫したわけだが、これが全て11日目である。

偶然なのだろうが、それにしても恐ろしいものである。

朝乃山は幕下でも2敗を喫しているわけだが、本日の黒星が一番衝撃的だったと言っても過言ではないかもしれない。

押し相撲の一発を食らったでもなく、朝乃山得意の右四つに組んで敗れた。

完全に力負けである。
正直ぐうの音も出ないほどの完敗ではないだろうか。

幕下での2敗は土俵際の逆転、相手の引きについていけずといった内容だった。

特に幕下で最初に黒星を喫したときは、負ける可能性がある最もありがちなパターンと言っても過言ではなかった。

それを避ける意味でも今場所は慎重に相撲を取っているような印象を受けた。

相手を正面に置いているときは廻しに拘らず攻め切る事もあったが、基本右四つに組むことが多かった。

しかし本日は得意の右四つに組みながらも敗れた。

本日の対戦相手である大翔鵬には失礼だが、相四つのため朝乃山からすれば変化もなければ押しの一発もない、そして自分の形になりやすいと何も恐れる事のない相手だった。

それが蓋を開けてみれば力負け。

朝乃山のファンは数多く存在し、現役力士ナンバーワンと言っても過言ではないかもしれない。

その結果NHKの幕内の取り組み動画では十両力士でありながら毎日1位の視聴回数である。

しかしその一方で多くのファンが朝乃山に対して過度な期待を抱いている部分がある。

中には『貴乃花を彷彿とさせる』とまで期待しているファンもいるほどだ。

ファンが期待を抱くのは構わない。
好きな力士を応援、期待するのは良いことである。
しかし過度な期待は如何なものかと思うときもある。

小さい頃から貴乃花ファンの私からすればさすがにこの発言は片腹痛い。

片や平成の大横綱、そして右四つでも左四つでも廻しを引けば強く、廻しを切る技術に関しては歴代最高峰と言っても過言ではない。
四つ相撲の教科書と呼べる存在だろう。

片や幕内での最高成績は12勝、しかも上位圏内では1度だけ。
朝乃山が大関昇進を果たした頃から記載しているし、今場所も狼雅戦の後記載したが、右四つの完成度は低い(特に上手の取り方)。

だからこそ照ノ富士に5戦全敗という結果が残っている。

本日の相撲を見てもそうだ。
大翔鵬には何度も申し訳ないが、大翔鵬も右四つ得意の力士だが、四つの完成度は低い。

そのため大翔鵬は幕内在位5場所に留まるし、勝ち越しは1場所のみである。
さらにそれは4年前の出来事だ。

ここ4年程十両力士だった相手に力負けした。
だから貴乃花と比べることなどおこがましい。

さすがに冷静に判断してほしいという気持ちが強くなる。

朝乃山の今場所10日間の相撲を見て、強いと思うのは間違いない。

しかしあくまで『十両の土俵』である。

今場所幕内では阿武咲が好調である。
相撲内容も良く、強さも感じさせるが、それもあくまで平幕中位~下位での話である。
この先上位と割を組まれたらどうなるかわからない。

要は現状朝乃山もこれに近い感覚である。

朝乃山は元大関という実績がある。
しかも衰えて陥落したわけではないため状況は異なるだろう。

しかし幕下で2敗、十両で1敗は紛れもない事実である。

何度も言うが、好きな力士を応援、期待するのは良いことである。
ファンあっての大相撲だし、ファンにとってはそれが大相撲の楽しみ方でもある。

そしてこれだけ記載していると勘違いされるかもしれないが、私自身朝乃山にはちゃんと期待している。
早く戻ってきてほしい気持ちはある。

しかし朝乃山への過度な期待はどうにも現在幕内で突き抜けた力士がおらず、それを朝乃山がいれば全て解決出来るというニュアンスに聞こえてしまう。

ましてや朝乃山は28歳(来場所は29歳)と若手ではない。

何なら2~3年後、今の御嶽海や正代のように低迷する可能性だって秘められているのである。

この先は過度な期待をせず、静かに見守ることも必要ではないだろうか。

上位圏内で復帰し、大関復帰を果たし、その頃に再度期待をかけたら良いのではないだろうか。

今場所も残り全勝すれば幕内へ返り咲くチャンスはある。

まず期待するのはそこだろう。

そろそろ過度な期待を抱くのはやめにしよう。

608. 2023年初場所11日目を勝手に語る

貴景勝に土。
それも最悪な内容と言っても過言ではないだろう。

優勝争いも佳境を迎える終盤戦へ突入し、重圧がのし掛かってきたのか。

まず本日の立ち合いは両足でぴょんと跳ぶような立ち合いだった。

これでは持ち前の当たりを活かすことは出来ない。

御嶽海戦ではこの立ち合いでも押し込むことが出来たが、上背のある琴ノ若相手には無理があったか。

昨日もそうだが、立ち合いでしっかり当たることができていない。

昨日は冷静と言えば聞こえは良いが、そこに貴景勝らしさはなかった。

終盤戦早々の黒星、内容面の不安、星の挙がっていない力士への敗戦。

何か不安要素だらけに感じてしまうのだが、中日辺りからは貴景勝へ追い風が吹いていたのは間違いない。

悪い流れを断ち切るには、もう一度しっかりと押しに徹することだろう。

良くも悪くも貴景勝には押ししかないのだから。

2敗平幕同士『阿武咲ー琴勝峰』の一番は阿武咲に軍配が上がった。

正直私の予想とは遥かに異なる相撲内容だった。

阿武咲が勝つにしろ負けるにしろ攻める展開になり、土俵際でどうなるかというのが私の予想であった。

しかし琴勝峰にあっさりと出足を止められ、完全に琴勝峰の流れかと思いきや、豪快に右からすくい投げを決めた。

今場所の貴景勝の小手投げ然り、好調の押し相撲力士は当たりを止められても逆転の一手を持っている。

これで星の上では貴景勝と並んだが、阿武咲にとってはこの先が本当の勝負だろう。

この辺りの番付ならばある程度勝つのは何ら不思議ではない。
問題は平幕上位の好調力士相手にどれだけ相撲を取ることが出来るかどうかである。

この先貴景勝と割を組まれるかどうかは不明だが、私自身の考えとして
・阿武咲がリードする展開ならば100%組む
・並走が続くならばどちらでも構わない
貴景勝がリードする展開ならば組む必要がない
以上のように思っている。

なぜなら無理して下位にチャンスを与える必要がないからである。

もし阿武咲がリードする展開となり、上位と対戦せず阿武咲が優勝した場合『インチキ優勝』になる可能性がある。

しかし阿武咲が追いかける展開ならば、番付下位にチャンスを与える必要はない。

暴論、上位に在位していない阿武咲が悪い、下位で黒星を喫した阿武咲が悪いということである。

並走の場合は判断が難しいが、無理に組む必要はないのではないだろうか。

早くも『貴景勝ー正代の割はいらない』という書き込みを目にするが、昨日10日目終了時点で若隆景、正代、琴ノ若の成績に大差はない(ましてや本日の結果で全員同じ成績になった)。

それで過去の印象だけで正代の割を崩すべきだと考えるのは無理がある。

それならば本日の貴景勝琴ノ若の割を崩しても良いのだから。

話がやや逸れたが、阿武咲としては優勝するためには全勝するくらいの気持ちがなければいけないと思う。

ここからが阿武咲の本当の闘いだろう。

昨日休場し、本日早くも土俵へ復帰した豊昇龍は7勝目を挙げた。

立ち合い踏み込むことが出来ていないが、上手を引くことが出来てその後の攻めは悪くなかった。

怪我の影響はあるだろうが、何としても勝ち越すという強い気持ちを持って土俵に上がっている様子である。

無理だけはしてほしくないが、ここまで来たらあと1勝は是が非でもほしいところである。

若隆景がいったいどうしてしまったのだろうか。

霧馬山とは合い口の悪い相手とはいえ、あっさりととったりを食ってしまうような力士ではないはずなのだが。

今場所は軽さが露呈している。
気持ちも下向きになっている様子である。

残り4日間で最低でも3勝1敗としなければ勝ち越すことが出来ないが、番付通り割を組むならば貴景勝、豊昇龍のどちらかには必ず勝たなければならない。

それとは逆に正代が息を吹き返している。
しかも攻めの相撲を貫いている。

気が付けば若隆景と正代の成績は同じである。
これだから正代という力士はわからない。

さて十両の土俵に目を向けると、朝乃山に土がついた。
これに関しては別途記載しようと思う。

明日の注目の割は
貴景勝ー霧馬山』
玉鷲ー阿武咲』
この2番である。

まず貴景勝だが、正直この2日間の相撲を見ていると霧馬山に勝てるイメージが全く浮かばない。

立ち合いの当たりも弱いため、あっさり掴まってしまうのではないだろうか。

逆に中日辺りまでの印象ならば貴景勝が圧倒するイメージが浮かぶ。

貴景勝としては気持ちを切り替えることが出来るかどうか、押しに徹することが出来るかどうか。
もうこれに尽きるだろう。

阿武咲は玉鷲と割が組まれた。
昨日記載したが、やはり玉鷲が抜擢されたかという思いはある。

私の印象として玉鷲は平幕中位~下位の好調力士と終盤戦に割が組まれ、壁になることが多いイメージがある。

昨日も記載したが、何となく玉鷲が不気味に感じるが、玉鷲自身ここで勝てばひょっとしたらひょっとするかもしれない。

如何せん貴景勝との直接対決は終えているためかなり厳しいのだが。

阿武咲としてはここで力を発揮できるかどうか。

ここで敗れるようならば結局いつも通りという印象は強くなる。

貴景勝の相撲内容が気掛かりの中、星の上では貴景勝、阿武咲が並んでいる。

両者ともにこの先対戦相手は厳しくなってくるだろうが、力を発揮することが出来れば貴景勝の方が有利だとは思っている。

展開によっては4敗力士も浮上してくる可能性を秘めているが、ここは貴景勝にしっかりと締めてもらいたい気持ちが強い。

607. 2023年初場所10日目を勝手に語る

本日より豊昇龍が休場。
早くも明日から再出場するとの事だが、1日休養するだけで何とかなる怪我なのだろうか。

確かに豊昇龍の休場は残念である。
今場所の成績次第では来場所が大関取りの場所になる。
しかしこのまま休場となれば平幕に陥落となるため、来場所は大関の起点の場所にすらならない(12勝以上とか優勝ならば話は変わるかもしれないが)。

大関昇進を考えたとき、最低でも3場所ロスしてしまう事になるため、休場は残念であるのだが、相撲が取れる状態ではないのに闇雲に出場も如何なものかと思う。

状態がどの程度かは不明だが、もし仮に再出場となって好成績となれば喜ばしい反面、本日出場しても良かったのではないかという疑問も残る。

どうなるかは不明だが、とにもかくにも無理だけはしないでほしいところである。

さて昨日単独首位に立った貴景勝だが、本日より役力士との連戦が始まった。

その最初の相手が過去苦手としている明生であり、貴景勝らしい相撲とは程遠いながらも白星に結び付けた。

後半戦開始早々単独首位に立ち、優勝もちらつくと思うが、それが重圧としてのし掛かってきたのか、それとも苦手が相手だったから意識してしまったのか。

真相は不明だが、とにもかくにも白星に結び付けたのは大きい。

明生に当たりを止められ、右前ミツも許す展開となったが、最後の小手投げはある程度余裕を持っていた印象を受ける。

今場所は差されてもあっさり負けることはなく、小手投げで仕留める相撲も見受けられるため、いつもの場所よりしぶとさも見受けられる。

とはいえこの先もずっと本日のような相撲内容ならば厳しいと言わざるを得ないため、明日以降切り替えていきたいところである。

後続2敗の平幕力士2名も白星。

阿武咲は錦富士を問題にせず攻め切った。
阿武咲の場合、この辺りの番付ならば早々勝ち越しを決めることも珍しくなく、この先平幕上位の好調力士、役力士と割が組まれたとき同じように力を発揮することが出来るかどうか。

貴景勝とは同学年であり、元々三役に早く昇進したのは阿武咲の方だった。

相手が大関とはいえ負けられないという思いが強いかもしれない。

展開次第では両者の割が組まれる可能性もあるため注目である。

琴勝峰は取り直しの末、曲者の宇良を下した。

正直取り直し前の一番も琴勝峰有利かと思ったが、取り直し前後ともに冷静に相撲を取っていた。

足を取られても慌てることなく、冷静に振りほどく事が出来た。
身体が動いているからこそ出来た動きだろう。

正直今場所の琴勝峰はどこが改善したとかあまりわからないのだが、本日の相撲を見ていると冷静に相撲を取っている。

攻めの意識もあるため阿武咲同様、この先平幕上位の好調力士、役力士との割が組まれたときどうなるか。

まず明日『阿武咲ー琴勝峰』の割が組まれているため、ここに注目である。

関脇若隆景がどうにも流れに乗りきれない。

本日も左おっつけが強烈で上手も引いたが、投げで呼び込んで墓穴を掘った。

優勝を果たしてから昨年の秋場所以外はどうにも一進一退の展開が多い。

毎場所勝ち越しには到達するが、二桁には中々届かない。
ここから全勝すれば二桁もあるが、若隆景にとっては厳しい場所になっている。

逆に兄の若元春は何だかんだで6勝目を挙げた。
初日から3連敗したときは『今場所5、6勝で終わりかな』と思っていたが、左四つに組むとやはり強い。

縁起でもない話、ここから全敗すれば6勝に留まるが、今の若元春を見ていると勢いは止まりそうにない。

霧馬山が不戦勝により6勝目としたが、関脇に目を向けると高安の陥落が決定、正代もやや苦しく、大関に近い存在である若隆景、豊昇龍も勝ち越しできるかどうかやや怪しい状況である。

来場所は今場所のように4関脇になる保証がないとはいえ、展開次第で一桁勝ち越しでも関脇へ昇進できるチャンスである。

ここ数場所、番付運悪く小結に留まっているため、とにもかくにもまずは勝ち越しである。

同じ番付の若元春も同じく6勝のため、この先星を意識することになるかもしれない。

正代、御嶽海が昨日同様ともに白星。

両者ともにここへ来て攻めの意識が強くなったように感じるが、もう少し早く見たかった(正代は尚更)。

まだ両者ともに勝ち越しの可能性を残しているため、明日以降もこの流れでいきたいところである。

明日の注目の割は
『阿武咲ー琴勝峰』
この一番である。

勝った方が優勝争いに残ることになり、この先平幕上位の好調力士、役力士と割が組まれていく事になるのではないだろうか。

私の予想としては阿武咲が攻め込む展開になると思うが、土俵際どうなるのか注目である。

阿武咲がそのまま攻め切るか、それとも琴勝峰が逆転するか。

そんな予想を立てているがどうなるか注目である。

またこの先、貴景勝の取り組みに関しては毎日注目である。

本日はらしくない相撲内容だったが、明日以降修正出来るかどうか。

明日の琴ノ若戦は大振りの張り手を見せることも多いが、それは脇が空いて差される可能性が高いため避けた方が良いと思っている。

明日から終盤戦へ突入するが、このまま貴景勝が逃げ切るか。
それともその他力士の逆襲はあるのか。

貴景勝との直接対決を終えているとはいえ、何気に玉鷲が3敗の中にいるのが不気味に感じるがさすがに厳しいか。

とはいえ玉鷲はこの先阿武咲、琴勝峰辺りと割が組まれる可能性は高いため、そこで壁となるかもしれない。

606. 2023年初場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入した初場所だが、貴景勝への追い風は止まらないか。

貴景勝が9日目で勝ち越しを決め、さらには単独首位に立った。

本日は1敗だった力士が1名、2敗だった力士が5名敗れ、ばたばたと後続の力士が敗れる中、貴景勝は自分の相撲に集中していた。。

立ち合いからの出足が信条の佐田の海を意に介さず圧倒した。

周りが崩れても大関が結びの一番でしっかり土俵を締めているし、貴景勝にとっては良い意味で何も言うことのない1日だっただろう。

ここ数日は風格も感じるため、この流れで明日以降役力士との連戦に挑んでほしいところである。

後続の2敗力士の中には豊昇龍、大栄翔もいたが両者ともに本日は精彩を欠いた。

豊昇龍は立ち合いの踏み込み自体は悪くなかったと思ったが、若元春にあっさり左四つを許してしまった。

しかもそこからすぐに小手投げで呼び込んでしまった。
あそこは我慢する場面であったが、やはり昨日変化したこともあり、相撲内容が崩れつつあるか。

さらには足を負傷したのか、優勝にしても大関への足固めにしてもそして身体面でもかなり痛手の黒星となってしまった。

今場所覚醒したと思っただけに余計残念である。

大栄翔は昨日敗れ、本日苦手の琴ノ若相手にどのような相撲を取るのか注目していたが、得意の突っ張りを見せることはできなかった。

的が大きいから突っ張りやすいかと思いきや、どうにも突っ張りにくい様子であり、突っ張りの回転は全く見られなかった。

これで連敗となり、星の差も2つのため、現状かなり苦しくなった。

2敗に後退した琴勝峰はもったいない相撲だった。
対戦相手の平戸海は立ち合い明らかに立ち遅れ、全く踏み込むことが出来なかった。

その結果、琴勝峰が胸を合わせるような形となったが、あそこは上手を引くまで安易に攻めるべきではなかったと思う。

もちろん平戸海が右から掬うように仕掛けてきたが、あの場面はどっしり構えてほしかった。

今場所の琴勝峰は正直これと言って改善した部分、強くなった部分というのはわからないが、攻める意識に関しては見られていたと思う。

本日はそれが裏目に出てしまったか。

阿炎が泥沼の4連敗。
翠富士の変化に全く対応出来なかった。

本日から千秋楽まで平幕との対戦が続くため、そういった意味ではまだまだ優勝のチャンスもあったが、さすがに4敗となっては苦しいか。

昨日から相撲内容も崩れつつあるため、何とか修正してほしいところである。

優勝争いとは話が逸れるが、正代、御嶽海は率直な感想として『ここで勝つんかい』という思いがある。

もちろん両者に負けてほしいと思っているわけではないのであしからず。

土俵に立ち続けるならば目の前の一戦に集中して貪欲に白星を掴んでほしいと思うが、ここ数場所この両者にそれを感じることがなかった。

負ける相撲があっさり土俵を割ることが多いから余計それを感じさせるのだと思う。

しかし本日は両者ともに攻める意識は持っていたし、現に御嶽海は攻めて白星を掴んだ。

正代は霧馬山の突っ張りに後退し、ここ数日の内容ならば土俵を割ってもおかしくなかったが、しっかり反撃して叩きを決めた。

まだ完全に気力が途切れたわけではないということか。
上記の通り、今後も土俵に立ち続けるならば貪欲に白星を掴みにいってほしいと思う。
昨日も触れたが、まだ腐るような年齢ではない。

明日の注目の一番は
貴景勝ー明生』
この一番である。

単独首位に立った翌日から役力士との連戦が始まり、そして明生にはやや苦手意識を持っている。

今場所星があまり挙がっていない相手とはいえ、貴景勝が好調の場所に黒星を喫することが多いため、油断できない相手である。

日に日に貴景勝の風格が出てきており、貴景勝有利な展開になりつつあるが、明日以降役力士との連戦でどうなるか。

若隆景、豊昇龍は優勝争いという点では厳しくなっているが、両者ともに貴景勝との直接対決が残っている。

二桁を狙うためにも負けられないだろう。

この先は貴景勝次第で二転三転する可能性を秘めている。

私個人としては3場所連続平幕力士が優勝しており、そろそろ上位の威厳を見たい気持ちが強い。

そのためこの先、貴景勝には白星を積み重ねていってほしいと思っている。

明日以降も注目である。

605. 貴景勝の中日7勝1敗

大相撲初場所も中日折り返し。

後半戦へ向け、優勝争いに注目が集まる頃合いにもなると思うが、今場所出場している力士の中で最高位である貴景勝が7勝1敗でトップ集団に位置している。

ここまでは大関として、そしてただ一人の上位力士として責任を果たしていると言えるだろう。

貴景勝にとっては明日以降勝負の後半戦へ突入する。

さてその貴景勝だが、7勝1敗で中日を終えるのは『4回目』である。

大関在位では『3回目』である。

如何せん貴景勝は序盤戦弱く、初日から3連勝としたのもこれまで『4回』に留まっており、大関昇進後は『2回』に留まっている(これに関しては以前こちらに記載しているのでご参照してください)。

話は7勝1敗の方に戻るが、これに関しても今場所で大関在位21場所であり、その中4回は少ない方か。

しかし貴景勝は先場所のように序盤戦で2敗を喫しても12勝を挙げたり、二桁まで到達させることもある。

そして以前記載したように、初日から3連勝とした場合、次点以上の成績を残しているため、如何に序盤戦がカギなのかをわからせてくれる結果とも言える。

何度も記載するがここまで7勝1敗であり、好成績と言える。

過去3回7勝1敗だった時の成績の詳細は以下の通りである。

場所

中日全勝、1敗力士

最終成績

優勝力士

平成30年九州場所(小結)

全勝:なし

1敗:貴景勝

13勝2敗

貴景勝

令和2年初場所大関

全勝:なし

1敗:貴景勝

正代(西前頭4枚目)

徳勝龍(西前頭17枚目)

11勝4敗

徳勝龍(14勝1敗)

令和3年夏場所大関

全勝:照ノ富士大関

1敗:貴景勝

12勝3敗(同点)

照ノ富士(12勝3敗)

これまで3回は全勝もしくは1敗だった力士の中から優勝力士が誕生している。

そうなると『貴景勝か琴勝峰か』となるわけだが、さすがにその予想はしづらいか。

琴勝峰には申し訳ないが、後続の豊昇龍、大栄翔の方が脅威に感じる。

とはいえ徳勝龍の例もあるため何とも言い難い部分もある。

このまま貴景勝が逃げ切るのか。

それとも他の力士の逆襲があるか。

貴景勝として後半戦役力士との対戦が残されているため、厳しい闘いになることは間違いないだろう。

今場所は安易な引き、叩きを見せずに押しに徹しているが、後半戦も自分の相撲を取り切ることが出来るかどうか注目である。

604. 2023年初場所中日を勝手に語る

昨日まで5名いた1敗力士で1敗を守ったのは貴景勝と琴勝峰の2名。

ただ一人の大関貴景勝が2日連続で激しい相撲を制した。

本日は昨日と異なり大振りの張り手をかますことなく、冷静に相手を見ながら押していく事が出来た。

錦富士も負けじと押し返し、最後は貴景勝が後退する展開となったが、貴景勝としては先手を取っていた分、余裕があっただろう。

今場所の貴景勝はまともな引き、叩きが無いことがここまで好調の要因ではないだろうか。

それどころか十八番の左突き落としも比較的少ないため、攻め込まれても押し返そうとする気持ちが強い。

決まり手として叩きはあるがまともではなく、しっかり押し込めているからこそ良い結果に繋がっているだろう。

ここまではただ一人の大関として場所を引っ張っている。
6日目から役力士の1敗は貴景勝のみであり、そして並走する力士も減ってきているため、貴景勝にとっては有利な展開になりつつある。
しかし場所はまだ半分残されているし、徐々に重圧もかかってくるだろう。

この先も押しに徹していけるかどうか。

平幕上位の1敗力士だった大栄翔が明生に敗れて2敗へ後退。

過去の対戦成績では大栄翔が圧倒していたが、明生が何度も大栄翔の腕を手繰りにいったことで、大栄翔としては攻めを躊躇する形となってしまったか。

今場所の両者の状態、過去の対戦成績を踏まえても大栄翔が俄然有利だと思っていただけに意外な結果だった。

本日は明生にうまく取られて敗れたが、明日以降迷わず相撲を取ることが出来るかどうか。

豊昇龍はやや苦手としている佐田の海を下して6勝目。
立ち合い右変化で上手を求める相撲だったが、正直残念な気持ちが強い。

変化が好きか嫌いかの問題ではなく、若隆景が玉鷲戦で変化したように自分の弱さを認めているように感じるからである。

今場所の豊昇龍は覚醒したと思っている。
しかしその中でも苦手の翠富士に苦杯を嘗めた。

本日の佐田の海もやや苦手としていたため、ここで自分の相撲を取って勝てない限り、本当の意味で殻を破ることは出来ないと思う。

期待が大きいだけに求めるものも多くなるが、初日からの4連勝はそれだけ素晴らしい相撲内容だったということである。

明日以降は内容面も伴った相撲に期待である。

ここまで精彩を欠いている若隆景は相撲巧者翠富士を下して星を五分にした。

立ち合いの当たり良く、左おっつけだけでほぼ圧倒した。

これぞ若隆景という相撲内容だったが、馬力のない相手には自信を持って相撲を取ることが出来ている。

今場所だけでなく、今後の課題は馬力のある相手に如何にして押し込まれないかというところだろう。
小兵力士の宿命とも言える。

終盤戦には貴景勝、豊昇龍との割があるため、ここで崩れるわけにはいかない。

阿炎が今場所最も悪い相撲により3連敗。
当たってすぐに引いて墓穴を掘った。

ここ2日間の連敗は阿炎自身が悪いというわけではなかったが、本日は明らかに阿炎自身最悪な相撲だった。

やはり連敗していたということが影響していたのだろうか、楽に勝ちたいという気持ちが働いたか。

今場所の阿炎はまともな引き、叩きなく攻める相撲を取っていただけに残念である。

明日以降7日間は全て平幕力士との対戦になるが、気持ちを切り替えていきたいところである。

特例復帰場所の正代が6敗目を喫し、場所後の大関復帰が叶わず。

本日は攻める意識があったと思うが、日に日に相撲内容も悪化しており、ただただ相手の当たりをまともに受けて下がるという相撲が続いていた。

昨年は何度も奇跡を起こしてきたが、ここ2場所はその奇跡を起こせていないから関脇へ陥落している。
やはり今場所も厳しかったということか。

怪我の影響もあるだろうが、私は単純に力負けしている印象を受ける。

いつぞやかも記載したが『正代は気持ちの問題』と発言する方も多いが、気持ちだけで務まるほど大関という番付は甘くないだろう。

確かに気持ちが影響して昨年は角番を2回脱出したのかもしれないが、それが出来るならば全ての場所で力を発揮してほしいと思うし、それが出来ないということは気持ちだけではなく、そもそも力量の問題ではないかと思う。

昨今は30歳を越えて力を発揮する力士も多く存在する。

玉鷲が最たる存在であり、最近では佐田の海もその傾向にある。

しかし御嶽海、正代、北勝富士といった30~31歳辺りの力士が上位で通用しなくなっている姿を見ると寂しく思える。

上記の通り、30歳を越えても力を発揮する力士も増えているため、再起を期待したいところである。

話は優勝争い関連に戻るが、琴勝峰が平幕で唯一1敗を守った。

ここ数年低迷していたが、今場所は攻めの相撲を取ることが出来ている。

数日前にも記載したが、正直この先琴勝峰がこのまま白星を積み重ねる姿は想像しにくい。

大勝すればこの場所をきっかけに今後躍進する可能性は秘めているため、琴勝峰としては無心で白星を積み重ねていきたいところである。

明日の注目の割は
琴ノ若ー大栄翔』
この一番である。

本日敗れて2敗へ後退した大栄翔だが、明日の対戦相手は合い口の悪い琴ノ若である。

敗れた翌日に苦手相手ということがどのように影響を及ぼすだろうか。

大栄翔は関脇以上との対戦を終えているため、対戦相手の力量に関しては貴景勝よりも下である。

まだまだチャンスはあるため、明日の取り組みは注目である。

上記の通り、貴景勝が有利な展開になりつつあるが、場所はまだ半分残されている。

貴景勝は番付順にいけば10日目から役力士と連続で割が組まれていくだろう(それこそ正代との割は崩される可能性もあるが)。

このまま大関としての責任を果たすことが出来るかどうか。

後半戦も注目である。