きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

497. 初日黒星の優勝力士

大相撲夏場所は序盤戦5日間を終了した。

大関陣の成績が合計で『6勝9敗』と負け越している中、横綱照ノ富士はここまで4勝1敗の成績である。

横綱として考えるならば当然の成績であり、むしろ横綱が序盤戦で1敗を喫している方が話題となるものだが、休場明けの初日で呆気なく土俵を割った相撲を見てからで考えると好成績に思える。

気は早いが、終わってみれば照ノ富士が14勝1敗で優勝になっても驚きは少ないかもしれない。

それだけ周囲で飛びぬけて好調な力士は存在しないし、照ノ富士自身も落ち着きを取り戻したような印象を受ける。

そこで今回、初日に黒星を喫した後に優勝を果たした力士についてまとめた(年6場所制となった昭和33年以降の優勝力士)。

まず初日に黒星を喫した後に優勝を果たした力士は『全30名』である。

昭和33年初場所~先場所までで全384場所であるため、確率にして『7.8%』である。

かなり低確率であるため、如何に初日を落とすとその場所の優勝が厳しくなるかを証明する記録と言えるだろう。

そして過去30名の番付の内訳は以下の通りである。

横綱が7割近くを占めている。

ちなみに大関4名は千代の富士、琴風、武蔵丸白鵬であり、琴風以外は後の横綱である。

関脇の3名は保志(後の北勝海)、照ノ富士、御嶽海であり、保志と照ノ富士が後の横綱、御嶽海は大関のため、相当な実力がなければ成し遂げられない記録と言える(とはいえその一方、平幕で達成している若三杉、旭天鵬は最高位関脇止まりだが。)。

 

次に最終成績に関してだが以下の通りである。

意外なことに14勝が最も多い結果となっている。

ちなみに優勝成績の番付の内訳は以下の通りである。

これらのグラフだけを見ると、照ノ富士の14連勝もいけるような気がするが、あくまで全体通じてみると『7.8%』と低確率である。

その中照ノ富士は優勝を果たすことが出来るかどうか。

明日の対戦相手はこのところ連敗中の玉鷲である。

『勝手に語る』の方でも記載したが、今場所のターニングポイントになる可能性を秘めている。

大関陣が崩壊している中、頼りは横綱だけであり、照ノ富士が上位の貫録を示すことが出来るかどうか。

まだ場所は序盤戦を終えたばかりである。

この先がらりと展開が変わることも十分考えられる。

はてさて…

最後に余談だが、初日黒星の後優勝を果たした回数で最多は白鵬の『5回』である。

そして上記の通り、照ノ富士も経験者であるため、過去の経験が活きてくるかどうか。

496. 2022年夏場所5日目を勝手に語る

序盤戦最終日の5日目。

照ノ富士の相撲がかなり安定してきたか。

お得意様の北勝富士ということで取りやすかったのかもしれないが、立ち合いしっかり踏み込み、右を差し、左から抱えて北勝富士に相撲を取らせなかった。

4連勝中の相手は立ち合いからの一発がある力士ではなく、四つ相撲も多かったため、照ノ富士にとっては相撲勘を取り戻すのに丁度良かったのかもしれない。

その中で明日が玉鷲戦。
はてさてどうなるか。

大関陣に目を向けると、唯一白星を挙げた貴景勝が今場所初めて白星を先行させた。

立ち合いの当たり、その後の突き押しの威力はやや影を潜めており、押し切れないのが気掛かりだが、とにもかくにも連勝したこと、白星を先行させたことが何よりか。

白星を重ねることで相撲内容も良くなる傾向にあるため、中盤戦以降もこの流れでいきたいところである。

御嶽海、正代はどうにもならない内容であった。

特に御嶽海はお得意様の玉鷲に完敗してしまった。

浅いもろ差しになって玉鷲の当たりを止めたかと思われたが、今場所は前に出る圧力がない。

結果として再度玉鷲に突き放され、吹っ飛ばされてしまった。

肩を負傷しているのではないかという報道もある中、真相は不明だが、いずれにせよ本調子には程遠い。

正代も比較的得意としている遠藤相手に立ち合い踏み込み負けし、粘りなく土俵を割ってしまった。

5日間の中で最低の相撲内容だっただろう。

御嶽海、正代ともに深刻な内容だが、中盤戦以降修正していけるかどうか。

そして大関への足固めの場所としたい若隆景も序盤戦黒星先行。

豊昇龍の右変化に対応できなかった。
ここ数場所若隆景は同格相手には比較的高い勝率を残していたのだが、今場所は序盤戦で早々3敗を喫してしまった。

上位陣との対戦成績の分が悪いだけに厳しい展開へと陥ってしまった。

とにもかくにもまずは連敗を止めることだろう。
自分の相撲を取って白星を積み重ねていけばまだチャンスはあるだろう。

本日私が注目の割と思っていた『阿炎ー大栄翔』の一番は大栄翔が完勝した。

大栄翔が阿炎のもろ手突きを下から跳ね上げ、阿炎の間合いにさせなかった。

大栄翔が序盤戦にある程度上位陣から白星を挙げるのは良い意味で何も思わないが、同格相手にも大栄翔らしい相撲で勝ち切るところを見ていると、この先も期待したくなってしまう。

昨日も記載したが、この一番の勝者が今場所の鍵を握る存在になる気がするため、大栄翔に期待である。

その他力士に目を向けると、琴ノ若が隆の勝に敗れ連敗。

やはりまだ絶対的な型、強さがないことが露呈されたか。

本日も引いてしまう場面が見られた。
今後上位に定着するためには、同格相手に自分の型で勝ち切ることが重要になってくると思うが、現状琴ノ若にはその型がない。

これが身に付けばすぐに三役定着だと思うが、この先どのように修正してくるか。

型に関して言えば豊昇龍もそうである。
何度か記載しているが、この力士は身体能力の高さで勝負しているため、絶対的な型がない。

先場所新三役で勝ち越しているが、二桁を狙うならば型の確立が課題となるだろう。

そして先場所優勝決定戦で惜しくも敗れた高安は、序盤戦1勝4敗と苦戦を強いられている。

対戦相手が対戦相手なだけに判断は難しいところだが、現状高安の年齢、力量を考慮すると妥当といったところか。

確かに四つに組んでの安定感は大関時代よりも上と思わせる程だが、立ち合い当たり、馬力に関しては大関時代の方が遥かに上である。

そのため現状の高安の力量は平幕中位以上といったところかもしれない。

今場所の高安を見ていると、15日間上位で結果を残し続けることの難しさを感じさせる。

明日の注目の割は
照ノ富士玉鷲
この一番である。

最初の方でも記載したが、復調している照ノ富士にとっては鬼門と言える相手だろう。

立ち合いからの一発がある力士であり、このところ2連敗中の相手である。

ここで照ノ富士が勝てば今場所は照ノ富士の場所になる可能性が高くなる一方、敗れることがあればやはり押し相撲相手に相撲を取るのは厳しいのではないかと不安視されてしまう。

明日から中盤戦へ突入するが、突入して早々今場所のターニングポイントとなる一番かもしれない。

大関陣が崩壊している中、やはり頼りは横綱か。

大栄翔もかなり不気味だがはてさて…

495. 2022年夏場所4日目を勝手に語る

昨日と真逆で3大関安泰。
そして今場所初めて上位陣安泰となった。

まず本日注目の割である『照ノ富士琴ノ若』。

琴ノ若の力が横綱相手にどれだけ通用するのか。
これが最大の焦点であったが、さすが横綱という内容だった。

琴ノ若としては立ち合いから突き放して流れを掴みたかったのだろうが、照ノ富士の踏み込みが素晴らしかった。

結果として琴ノ若は突き放す事が出来ず、照ノ富士がすぐに右を差し、前に圧力をかけながら左上手も引いて十分だった。

琴ノ若としては先場所の活躍、そして今場所3大関を下して波に乗っているだけに呆気ない一番に見えるかもしれないが、私自身はとりあえずこれで十分だと思っている。

小細工せず挑んだ結果、まだ横綱の壁は分厚かったということだ。

まだまだ改善点はあるだろうし、強くなる要素も多く秘めている。

明日以降も思いきりの良い相撲を取ってほしいところである。

そして横綱として存在感を見せた照ノ富士だが、日を追うごとに良くなっている印象である。

膝も曲がっており、足を運ぶことも出来ている。

昨日も記載したが、問題は押し相撲と割を組まれたときか。

明日は押し相撲といっても合い口の良い北勝富士のため大丈夫だと思うがはてさて。

冒頭の通り3大関安泰だったが、内容は三者三様か。

御嶽海は合い口の悪い霧馬山相手に当たりを止められ、前ミツ良いところを引かれて絶体絶命とも言える展開だったが、腰の重さを活かして白星に結びつけた。

連敗を止めたことが何よりだが、ここ数日馬力が影を潜めているような内容であるため気掛かりである。

何とか修正していきたいところだろうが、御嶽海にとって大関2場所目は厳しい場所になるかもしれない。

正代が今場所の初白星を挙げた。
立ち合いで高安の体当たりに下がる展開となったが、正代も立ち合いは踏み込むことが出来ていたため、体を入れ替えることに成功した。

相手がお得意様の高安ということである程度余裕を持っていたかもしれない。

初日から記載しているが、白星は挙がっていなくても、良くも悪くもいつも通りの相撲を取り続けていたため、何だかんだで勝ち越しには結び付けてくるだろう。

そして貴景勝がようやくらしい相撲で白星を挙げた。

完全に押し切る相撲ではなかったが、立ち合いの当たり、突き放しは比較的良かった。

しっかり圧力をかけられているからこそ、得意の突き落としも決まったのだろう。

この力士は白星をきっかけに変わることが多いため、ここから白星を積み重ねていきたいところである。

関脇に目を向けると、若隆景が大栄翔相手に完敗。

若隆景は下からおっつけて攻めていこうという意識はあっただろうが、大栄翔の立ち合いの当たり、出足に屈してしまった。

大栄翔を褒めるべき一番であることに間違いはないのだが、若隆景としては弱点を晒すような内容になってしまったか。

先場所もそうだったが、先手を取られてしまい後手に回ってしまうと、軽量なだけに厳しい展開に陥ってしまう。

この辺りが上を目指す中での課題となるのだろう。

これで2勝2敗となり、先はまだまだ長いとはいえ、やはり2場所連続二桁は容易ではないといったところか。

一方大栄翔は完璧な相撲内容だった。
しっかり左右の回転を効かせて突っ張っているときの大栄翔は本当に強い。

この相撲内容が続けば、優勝経験もあるだけにかなり面白い存在になってくるだろう。

阿炎が遠藤を下して3勝目。
遠藤もうまく下から跳ね上げて攻めようとしていたが、阿炎が動き勝ったような内容だった。

若隆景の方が注目を集めているが、先場所が始まる前までは阿炎の方が評価としては高かっただろう。

悔しい思いもしている分、今場所期するものがあるか。

4連勝が平幕力士3名だが、その中で目を引くのが一山本か。

幕内の土俵に馴染んできたという印象を受け、のびのびと相撲を取っているように感じる。

本日も実力者妙義龍相手に堂々とした相撲内容だった。

優勝争いという観点からすれば言い方を悪くすればかすりもしないと思うが、私と同じ北海道出身ということで何だかんだ気になる存在ではある。

この流れで白星を重ねてほしいところである。

明日の注目の割は
『阿炎ー大栄翔』
この一番である。

両者三役でここまで3勝1敗としており、勝った方が勢い付く可能性が高いのではないだろうか。

ここまでの単純な相撲内容ならば大栄翔の方が上だと思うが、阿炎が動き勝る展開になるかもしれない。

土俵際が一つ鍵となる一番になるのではないだろうか。

明日で序盤戦も終了である。
初日心配された照ノ富士が落ち着きを取り戻しているが、まだ安心は出来ない。

そして大関陣も本日安泰とはいえ、現状誰一人白星を先行させていない。

全く優勝争いの予想がつかない夏場所

はてさて…

494. 2022年夏場所3日目を勝手に語る

3大関が全滅し、そして全員が黒星先行。

3日目を終了し、大関の成績は『2勝7敗』である。

『最近の大関はだらしない』という声をよく聞くが、これに関しては私自身何度か記載したことがあるが、今に始まったことではない。

しかし2勝7敗という現実を見せつけられると、そう思いたくなるのも無理はない。

まず御嶽海の相撲から振り返るが、昨日同様いなされたとき足を送ることが出来ていないように見受けられる。

何とか持ち直し、琴ノ若の叩きについていったと思われたが、逆転敗けを喫してしまった。

初日白星を挙げたときは、早くも上位陣最後の望みのような存在だったが、序盤戦であっさり2敗目を喫してしまった。

いなされたときの足の送り方もそうだが、立ち合いの当たりも弱いように感じる。

関脇時代の御嶽海を彷彿させる展開だが、何とか修正してほしいところである。

一方琴ノ若はこれで3大関総なめとなった。

2日連続逆転の際どい相撲ではあるが、一方的な内容ではなく、大関相手に当たり負け、圧力負けしておらず、しっかり攻め込む場面も見られている。

その中でもう一つの持ち味とも言える懐の深さを活かしているような内容である。

まだ絶対的な強さは手に入れていないが、年内には三役で二桁勝利しているイメージは沸いてくる程、先場所から充実している様子である。

まだ役力士との対戦は残されており、また同格力士との対戦も控えている。

ここからが琴ノ若の真価を問われるだろう。

貴景勝が初日の相撲を見たときから記載しているが、かなり気掛かりである。

とにかく立ち合い当たることが出来ていないし、突き押しの威力も全く感じられない。

立ち合いの当たりが弱い貴景勝は言い方を悪くすれば平幕レベルである。

本日の高安戦は比較的当たりやすい相手であるが、その高安相手にも当たることが出来ていないため、相当深刻ではないだろうか。

正直初日から3連敗を喫している正代より深刻である。

その正代だが、苦手大栄翔相手にここ数場所のリプレイを見ているかのような内容で完敗。

もはや正代が大栄翔に敗れるのは意外でも何でもないのだが、それにしても工夫が無さすぎる。

さすがに大関が格下相手に何場所も連続で同じ相撲で敗れるのは大問題だろう。

貴景勝と異なり、ある意味いつも通りのためそこまで深刻に感じないが、とはいえこれ以上の連敗はさすがに苦しくなるだろう。

先場所は初日から4連敗の後、そこから9勝2敗の成績だったが、それが毎度起こるわけではない。

とにもかくにも早く初日を挙げたいところである。

一方大栄翔は1横綱1大関から白星を挙げているが、こうなると昨日の敗戦が悔やまれるところである。

同格相手にしっかり勝ち切れるかどうかが今後の課題となるだろう。

上位陣で唯一白星を先行させた横綱照ノ富士

過去負けなしの霧馬山相手に慌てず相撲を取っていた。

霧馬山が力をつけているとはいえ、霧馬山は四つ相撲であるため、照ノ富士としてはある程度余裕を持って相撲を取ることが出来ただろう。

初日の相撲を見たときはかなり心配したが、この2日間は比較的安定している。

問題は押し相撲相手にどのような相撲を取るのか。
このところ連敗している玉鷲戦辺りは鍵となるだろう。

まだ3日目のため、照ノ富士にとっては前途多難と言えるだろう。

関脇に目を向けると、若隆景が相撲技術の高さを存分に発揮して連敗を免れた。

対戦相手の遠藤も現役で1、2を争う相撲巧者であるが、その相撲巧者遠藤が手玉に取られていた。

本日は立ち合いの当たり、前さばき、対応力と全てにおいて若隆景が上回っていた。

明日以降もこの相撲内容を貫いてほしいところである。

もう一人の関脇阿炎が隆の勝を下して連勝とした。

立ち合いからもろ手突きが通用せず、下がる展開となったが、何とか土俵際で逆転した。

回り込む巧さも阿炎らしいと言えばそれまでなのだが、やはり突き切る相撲を望みたいところである。

平幕下位に目を向けると、明生が連敗。

昨日もそうだが、左から手繰るような突き落としに頼りすぎている印象を受ける。

明生の相撲と言えば立ち合いしっかり当たって突き放す、左差し速攻であるため、相撲内容を修正していきたいところである。

正直ここらでは軽く二桁を挙げて、早く上位に戻ってきてほしいのだが。

明日の注目の割は
照ノ富士琴ノ若
この一番である。

両者相四つの右四つだが、右四つの完成度は照ノ富士の遥かに上である。

特に上手の取り方ではそれが顕著に現れると思う。

しかし先場所からの琴ノ若の相撲を見ていると、現状照ノ富士相手にどれだけ相撲を取ることが出来るのか楽しみである。

琴ノ若としてはおそらくもろ差しを狙いにいくだろうが、安易に差しにいっても両前ミツを引き付けられる可能性が高い。

如何にして自分十分、相手不十分の形を作ることが出来るかどうか。

3日目が終了し、平幕力士5名が3連勝としている。

この中には勢いのある琴ノ若、優勝経験のある玉鷲も含まれているが、とはいえここから優勝力士が出るとは考えにくい。

その一方で上位陣で誰が抜け出すのかも予想が出来ない。

3連勝力士の中から優勝力士が出るとは考えにくいと記載したものの、琴ノ若にはひっそりと期待しておこう。

493. 2022年夏場所2日目を勝手に語る

私個人としては初日よりも波乱というべきか意外性が多いと感じた2日目。

まず横綱照ノ富士
昨日大栄翔に完敗し、とても皆勤出来るような状態ではないと思われた中での高安戦。

昨日も記載したが、照ノ富士が高安に勝てるイメージがあまり沸かなかったのだが、苦手を下して初日を挙げた。

結果だけを見るならば横綱が平幕に勝利しただけであり、当然と言えば当然である。

しかし初日から連敗しても何ら不思議ではない程、先場所から精彩を欠いていたため、強敵が続く中で1勝1敗としただけでもかなり大きいのではないかと思わせてしまう。

とはいえまだ序盤も序盤。
この先長いし難敵も続く。

正直な感想として、本日白星を挙げても照ノ富士が皆勤する姿は想像しにくい。

照ノ富士にとっては厳しい場所になるだろうが、皆勤を狙う以上、横綱としての責任を果たしてほしいところである。

そしてその他波乱、意外な結果は御嶽海、貴景勝、若隆景である。

御嶽海は昨日懸念していた結果に陥ってしまった。

まぁ懸念していたから波乱とも言えないわけだが、それでもここでポカを犯してしまうか。

関脇時代の御嶽海を彷彿させる展開だった。

本日は左の使い方が雑だったように感じた。

周囲が初日に躓く中、苦手の高安から白星を挙げただけに本当に勿体ない。

そして貴景勝
貴景勝に関しては霧馬山に勝つこと自体に意外性はないが、問題は相撲内容である。

霧馬山を押し込む事が出来ず、動きも止められる形となった。

この状況に陥れば貴景勝に勝機はないと言っても過言ではないが、そこからまさかのもろ差しで寄り切ることに成功した。

貴景勝にとっては連敗しなかったことが何よりだが、相撲内容は気掛かりである。

先場所も感じられる部分はあったが、押し込む、突き切る事が出来ない展開が増えているように感じる。

周りが研究しているためなのか、それとも貴景勝自身が衰退しているのか。

いずれにしても貴景勝には押ししかない。
それで大関昇進を果たし、優勝も2回果たしている。

意外な相撲内容で初日を挙げたがこれをきっかけに出来るかどうか。

最後に若隆景。
お得意様の玉鷲相手に不覚を取った。

玉鷲が実力者であることに間違いないのだが、両者の合い口、先場所からの若隆景の相撲内容を考慮すれば波乱と言えるのではないだろうか。

今場所の若隆景がどこで負けるか、誰に負けるのかというのは注目であったが、正直それが玉鷲になるとは思わなかった。

若隆景としては実力者の一発を食らったと開き直り、明日以降修正出来るかどうか。

一方玉鷲は関脇相手に連勝。
昨日は阿炎を圧倒し、本日は過去全敗していた若隆景を下した。

優勝経験もあるだけに、この力士の爆発力は侮れない。

正代が初日から連敗となったが、これに関しては私自身波乱でも意外でもないと感じている。

ある意味いつも通りだし、内容も悲観する程のものでもないと感じている。

昨日も記載したが、何だかんだで勝ち越しには結び付けてくるだろう。

大関として目指すのが勝ち越しは如何なものかと思われるかもしれないが、ここ1年の正代の相撲を見ていれば妥当だろう。

一方正代を下した琴ノ若は2日連続の殊勲の星となった。

本日は結果的に逆転勝ちとなったが、正代に圧力負けはしておらず、土俵際の逆転も琴ノ若の柔らかさを活かした一番となった。

関脇阿炎が初日を挙げたが、2場所連続12勝していたときの阿炎らしい相撲だった。

先場所は新関脇で勝ち越したとはいえ、上位戦は御嶽海戦だけに留まったため、悔しさもあっただろう。

この一番をきっかけにしたいところである。

明日の注目の割は
『御嶽海ー琴ノ若
『若隆景ー遠藤』
この2番である。

まだ序盤戦とはいえ、御嶽海、若隆景としてはここで敗れるようならば厳しい場所になるのではないだろうか。

御嶽海としては優勝のためにこれ以上序盤で落とすわけにはいかず、若隆景としては大関への足固めの場所であるため落とせない。

特に御嶽海の対戦相手は先場所終盤戦に敗れており、今場所も2大関を下して波に乗っている。

月並みだが連敗しないことが重要だろう。

若隆景も本日敗れてしまったが、守りに入らないことが重要だろう。

得意の下からの攻め、足を出していくことが鍵となるだろう。

早くも三役以上の勝ちっぱなしが消滅したが、上位陣は踏ん張りどころである。

荒れる展開もたまに見る分には良いが、締めるところはしっかりと締めてほしいところである。

先は長いが、まだまだ荒れそうな夏場所である。

492. 2022年夏場所初日を勝手に語る

本日より初日を迎えた大相撲夏場所

5月8日が初日と、ある意味最速の開幕となるわけだが、今場所も好き勝手15日間語っていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

早速土俵に目を向けると、上位陣は御嶽海以外全員黒星を喫した。

日展望の方でも記載したが、初日にして早くも私の優勝予想が御嶽海になったということである。

まずその御嶽海の相撲から振り返るが、苦手高安相手に十分な形を許さなかった。

立ち合いすぐに右前ミツを引かれたが、それをうまく切ることが出来たし、高安の左もうまくおっつけていた。

御嶽海が途中で叩いたところでどうかと思われたが、高安も呼び込むように引いてしまったため、御嶽海はうまく体を寄せることが出来た。

御嶽海としては初日苦手相手に上々の内容だろう。
まだ初日だが、周囲が黒星を喫した中で白星を挙げたのも大きいため、今場所はチャンスだろう。

休場明けの横綱照ノ富士は過去苦戦を強いられている大栄翔に完敗。

土俵際で右を差すことに成功したが、大栄翔の出足を止めることが出来なかった。

そもそも土俵際棒立ちだし、信条である足腰の良さも全く見られなかった。

やはり状態が思わしくないのか。
まだ初日とはいえ、内容が内容だけに今場所も優勝争いはもちろんのこと、皆勤すら厳しいのではないかと心配される。

今年に入ってから膝の問題もあるだろうが、何か負け癖がついているような気がしなくもない。

正代、貴景勝の2大関も平幕相手に完敗。

正代は正直初日に敗れること自体何ら驚きはないのだが、霧馬山に敗れるとは思わなかった。

霧馬山も力をつけている力士ではあるが、過去の対戦成績を考慮しても、正代の左が覗きさえすれば難なく対処するだろうと思っていただけに意外な展開だった。

それだけ霧馬山の立ち合いの踏み込み、その後前ミツの引き付けが強烈だったということだろうが、正代の立ち合いがあまりにも棒立ちだったことも問題だろう。

先場所要所で意地を見せた正代だが、やはり本日の相撲を見ても優勝争いという点では厳しいと言わざるを得ないか。

貴景勝琴ノ若相手に良いところなく完敗。
まず立ち合いの当たりが高いし弱い。

押しが信条の貴景勝が立ち合い当たれていない時点で脅威はない。

琴ノ若としてはある程度余裕を持って相撲を取ることが出来たのではないだろうか。

その琴ノ若は堂々たる相撲であった。
廻しに拘らず攻めに徹していた。

日展望の方でも記載したが、今場所楽しみな力士である。

大関への足固めが期待される若隆景は、北勝富士を下して初日白星発進。

得意の下からの攻めは見られず、右四つに組み上手も引けない状態だったが、我慢して相撲を取ることが出来ていた。

完勝とは言い難いが、注目の初日に慌てることなく相撲を取ることが出来たのは地力をつけている証拠である。

その他力士に目を向けると、阿炎、豊昇龍、隆の勝の3名があまりにも残念な内容だった。

阿炎、豊昇龍は今場所も三役に在位しており、若隆景に負けじと健闘してほしいところなのだが。

下位の方に目を向けると、明生が貫禄勝ちした。

若手の王鵬相手に素晴らしい立ち合いの当たりを見せた。

やはりこの地位ならば二桁には乗せてくれるだろうと思わせる内容だった。

明日の注目の割は
照ノ富士ー高安』
『御嶽海ー豊昇龍』
この2番である。

先場所、本日と照ノ富士の相撲内容を見ていると、正直照ノ富士が高安に勝てるイメージがあまり沸かない。

両者ケンカ四つだが、照ノ富士得意の右四つに組んでも高安も上手を引けば力を発揮するし、まず照ノ富士が十分に四つに組み合う姿を想像出来ない。

先場所、本日の相撲内容を見ているとそれだけ照ノ富士の状態が悪く見えてしまっているのである。

照ノ富士としては苦手を下してきっかけを掴みたいところだがどうか。

御嶽海は過去3戦全勝の豊昇龍相手だが、周囲が黒星を喫している中、平常心で相撲を取ることが出来るかどうか。

御嶽海が最高の相撲を取った翌日に敗れるのは見慣れた光景である。

ぜひとも序盤戦落とさずいきたいところである。

まだ初日とはいえ、照ノ富士貴景勝の状態は気掛かりである。

正代に関してはある意味いつも通りであり、ここから勝ち越しに結びつけるのは問題ないと思われる。

霧馬山、琴ノ若辺りは状態も良さそうだが、御嶽海、若隆景が場所を引っ張る展開となるのか。

何度も言うようにまだ初日である。
はてさて…

491. 2022年大相撲夏場所展望

大相撲夏場所が明日から初日を迎える。

焦点となるのは先場所初優勝を果たした若隆景が大関への足固めの場所となるかどうかという所か。

また休場明けの横綱照ノ富士にも注目が集まるだろう。

まず若隆景だが、何度か記載しているように先場所の相撲内容は巧さに加え力強さも見られた。

そして新関脇で12勝した過去の力士を振り返っても、そうそうたるメンバーであるため、いやが上にも期待してしまうだろう。

しかし若隆景は上位戦に苦戦を強いられている。
まず大関戦を見ると
御嶽海:2勝7敗
貴景勝:2勝5敗
正代:3勝5敗
となっている。

過去の成績、内容を見ても御嶽海を相当苦手にしており、先場所も完敗している。

胸を合わせずおっつけて攻めていきたいところだが、御嶽海の馬力に圧倒されている様子である。

貴景勝戦は貴景勝自身が比較的小兵力士を相手にするのがうまいため、それが対戦成績にも影響している様子である。

先場所は貴景勝の突き押しをしっかり残して反撃したため、攻略の糸を掴んだかどうか。

正代に対しては相撲内容で圧倒する場面があっても、結果的に黒星を喫してしまう場合が多い。

何だかんだでこのところ4連敗中であり、先場所は千秋楽に苦杯を嘗めた。

そして横綱照ノ富士には8戦全敗である(若隆景の1勝は不戦勝)。

熱戦になることは多いが、最終的に差してしまって腕を極められてしまうことが大半である。

今場所も大勝するには上位戦が鍵になると思うが、同格相手も油断ならない。

特に霧馬山にはこのところ3連敗中であるため要注意だろう。

今場所は今まで以上に警戒されているだろうが、その中で二桁に乗せて大関への足固めとなるか注目である。

次に休場明けとなる一人横綱照ノ富士だが、序盤戦が鬼門ではないだろうか。

初日の割が大栄翔。
ここ数場所、初日か2日目のメインイベントとも呼べる両者の割だが、毎度熱戦になり、照ノ富士は苦戦を強いられている。

しかも先場所は黒星を喫しているため、照ノ富士にとっては初日から気の抜けない相手だろう。

そして2日目の対戦相手が高安。
照ノ富士が幕内へ復帰して以降、最も苦戦を強いられている相手であり、現役では四つ相撲で照ノ富士の渡り合える数少ない力士である。

このところ4連勝中とはいえ、十分な形になるには苦労しているし、何より休場明けのため難しい相手だろう。

照ノ富士にとっては初日から立て続けの天敵相手だが、ここを連勝とすれば、波に乗っていける可能性は高いだろう。

逆に落とすようならば元より抱えている膝の怪我含め、苦しい展開に陥るだろう。

大関陣に目を向けると、先場所新大関の御嶽海が一番の期待か。

先場所は11勝挙げ、新大関としては十分であり、そして連敗をしなかったことが収穫とも言えるが、黒星の内容が呆気なく土俵を割ることが多かった。

土俵際の粘りがあればもう少し星も伸びてくると思うため、大関2場所目も注目である。

そして御嶽海も初日が1つ鍵となるだろう。
相手は高安であり、過去の対戦成績は8勝20敗と圧倒されている。

初日苦手を下して波に乗っていきたいところだがはてさて。

正代は先場所地獄から這い上がり、優勝決定戦へ出場した若隆景、高安を下す活躍を見せ、角番も脱出したわけだが、あくまで15日間総合した成績は9勝止まりであった。

7場所連続二桁勝利から遠ざかっており、勝ち越しが関の山という印象を払拭できない。

今場所も要所で意地を見せる可能性はあるが、優勝争いという観点からは名を挙げるのは難しいか。

貴景勝は先場所角番脱出を果たしてからの4連敗、結局大関陣の中で最少白星に終わってしまった。

この力士は爆発力を秘めているため、展開によっては優勝争いに顔を出す可能性はあるだろう。

とにもかくにもこの力士は序盤戦である。
私のブログで毎場所のように記載しているが、大関昇進以降2日目、3日目の成績が著しく悪いため、何としても序盤戦無傷でいきたいところである。

序盤戦無傷とすれば好成績が約束(?)されているため、序盤戦注目である。

その他力士に目を向けると、2場所連続11勝を挙げ、上位圏内に番付を上昇させた琴ノ若に注目である。

先場所は地力をつけて、勢いだけではないというところを見せたため、上位圏内でも先場所同様力を発揮できるか注目である。

そして先場所1勝14敗と大敗を喫し、西前頭13枚目まで下降した明生にも注目である。

先場所はおそらく腰を負傷していたのだろうが、怪我さえ癒えていればこの辺りならば二桁には乗せてくるだろう。

阿炎、豊昇龍、霧馬山辺りも楽しみである。

優勝争いに目を向けたとき、安定して13勝挙げられる力士は照ノ富士だけだと思うが、照ノ富士も休場明けであり、初場所の終盤戦以降精彩を欠いている。

大関に目を向けても、御嶽海、貴景勝が13勝するだけの力量を持ち合わせているとはいえ、イメージしにくい部分も多い。

平幕下位に目を向けても、上記の明生が二桁に乗せる可能性はあっても、12勝以上の大勝のイメージはない。

展開によっては今場所も3敗まで優勝ラインは加工する可能性も高いだろう。

とりあえず私の予想としては
初日御嶽海が勝てば御嶽海有利。
初日から2連勝すれば照ノ富士有利。
序盤戦無傷ならば貴景勝有利。

おそらくこの上記3つが同時に起こることはないと思われる。
仮にこの条件が全て揃った場合『照ノ富士貴景勝<御嶽海』としておこう。

正直御嶽海に対しては期待せず見るのが一番だと思うのだが、それでも今場所はあえて優勝候補筆頭としておこう。

一番恐れているのが、上記3つ全て該当しなかったときである。

こうなると誰が優勝するかは全く読めなくなってしまう。

優勝争いという観点で見ると私は先場所の覇者若隆景を除いているが、どのような展開になるだろうか。

今場所も混戦か。
明日から楽しみである。