きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

368. 2021年名古屋場所13日目を勝手に語る

13日目も白鵬照ノ富士両雄譲らず。

白鵬は圧倒する内容ではないが、うまく捌いた内容だった。

立ち合い右張り差しを選択したが張り手は空振りに終わった。

しかし張り差しが不発に終わってもすぐに高安の右腕を手繰ってそのままとったりで仕留めた。

瞬時の対応力はやはり群を抜いている。
右四つの絶対的な型を基盤としつつ、この引き出しの多さが長年頂点として君臨し続けている要因だろう。

綱取り照ノ富士は正代を下して13連勝。

もうこの時点で綱取り成功と言っても過言ではないほど勝ち星と内容は充実している。

そして本日の取り組みは、同じ番付の力士にかける言葉として相応しくないかもしれないが、正代も十分健闘したと思う。

立ち合いすぐに照ノ富士は左前ミツを引くことに成功して寄り立てるが、正代も得意の左を差していたためすくい投げで体を入れかえた。

並みの力士ならこのすくい投げで勝負ありだが、照ノ富士はもはや別次元で相撲を取っているためこれを残してしまうのである。

その後離れる展開になるが、正代の引きがややまともだったため、照ノ富士が追い込んで押し出した。

何度か記載しているが今場所の照ノ富士は元来の力強さに加えて冷静さを持ち合わせている。

膝に爆弾を抱えているはずだが、崩されても体勢を立て直す早さも持ち合わせている。

対戦相手も100%に近い力を出し切っているが、それ以上に照ノ富士が強すぎるのである。

優勝争いは星の上でも完全に白鵬照ノ富士に絞られた。

ここ数日間は2強の強さばかりが目についていたが、本日は比較的熱戦が多かった。

中でも『逸ノ城ー豊昇龍』の取り組みは見ごたえのある一番だった。

両者ともに今場所は好調であるため、それが土俵の上で交錯したような一番だった。

逸ノ城は得意の左上手を引き、胸を合わせて攻めていきたい所だったが、豊昇龍ももろ差し、投げ、頭をつけるなどとにかく辛抱した。

そして土俵際縺れて取り直しとなるが、取り直し後の一番も似たような展開だった。

最終的に豊昇龍が白星に結びつけたが、勝因としては上手を引かれても動き続けたことだろう。

課題としては上手を早々許してしまうことであり、また下手投げは強力だが、出来ればこの先上手主体(特に前ミツ)の相撲内容に変えていきたいところである。

下手主体でかつ投げを連発すると怪我に繋がる恐れもある。

立ち合いの圧力は増してきたため、さらに鋭さを増していき、前ミツを狙うことが重要になってくるだろう。

一方逸ノ城は上手を引いたらもっと積極的に攻めるべきだろう。

元々攻めの早い力士ではないが、両廻しを引かなけば攻めない傾向にあるため、上手を引いた時点で攻める姿勢を持つべきだろう。

平幕下位に目を向けるとベテラン玉鷲が白星を二桁に乗せた。

先場所も序盤戦好調で下位ならばまだまだ強いと思わせたが、終わってみれば負け越しとなり、力量の衰えは隠せない様子だった。

しかし今場所は二桁に乗せ、まだ気力の衰えは無い様子である。

上位で活躍するのは厳しいだろうが、まだまだ若手の壁として立ちはだかってほしいところである。

連続出場に関しても立派の一言である。

明日の注目の割は
照ノ富士ー高安』
この一番である。

照ノ富士にとって最大の関門である。

幕内へ復帰以降、対戦成績は1勝4敗であり、唯一勝った先場所も内容面では圧倒されている。

ここ1年の対戦を振り返ってみると、高安がうまく相撲を取っているのは間違いないのだが、照ノ富士が変に意識しすぎてややぎこちない面もある。

ここ2場所連覇している照ノ富士だが、立ち合いの踏み込み、腰の位置に関しては今場所が最も良い形である。

今場所の相撲さえ取ることが出来れば正直圧倒できるのではないかと予想している。

一方高安も本日白鵬相手に良いところなく敗れ、二桁勝利の夢が潰えてしまった。

初日から2日間の休場が悔やまれるところだが、これに関してはタラレバもよいところなので、とにかく目の前の一番に集中するしかないだろう。

残り2日間連勝すれば、全勝の綱取り大関に勝利したということで好印象にもなるだろう。

来場所に繋げるために高安も負けられない一番である。

残り2日間だが、千秋楽全勝相星決戦もかなり現実味を帯びてきた。

高安が鍵となる存在になると記載してきたがどうなるか。

367. 2021年名古屋場所12日目を勝手に語る

白鵬照ノ富士は磐石の内容でともに譲らず。

とにかく強すぎる。

まず照ノ富士から振り返るが、1つ言えることは明生も十分力を発揮したと思う。

立ち合いしっかり踏み込み、左を差し勝ったが、その後の照ノ富士の圧力、腕を極める力があまりにも強すぎた。

三役力士が力を発揮しても通じないほど今場所の照ノ富士はとにかく強すぎるのである。

しかも終盤戦へ突入してますます厳しさを増している。

白鵬は一発勝負の強さを持っている御嶽海を全く相手にせず。

張り差しで行くかと思いきや、右差しの立ち合いを選択した。

しかもこれがあっさり成功してしまい、右四つに組んだ時点で勝負ありだった。

御嶽海としても張り差しを想定していただろうから面を食らってしまったのはあるだろうが、それにしても右四つに組まれた後無抵抗だった。

最強横綱の最高の型になった時点で諦めたくなる気持ちもわからなくはないが、それでも最低限の抵抗は見せてほしかった。

いずれにせよ白鵬も強すぎるということである。

とにかく両雄ともに強すぎる。

昨日逸ノ城、豊昇龍を褒めた記載をしたが、その両者は本日良いところなく敗れた。

間違いなく両者ともに今場所は強さを発揮しているが、それでも成績は8勝4敗に留まる。

あくまで『調子が良い』というレベルであり、白鵬照ノ富士の絶対的強さの前では歯が立たない。

白鵬照ノ富士の千秋楽全勝相星決戦を望む声が多く聞かれるが、私もその中の1人であり、そしてそれが現実味を帯びているほど両者がギアをあげている。

やはり鍵となる存在は高安だろう。

明日『白鵬ー高安』の割が組まれた。
過去は白鵬が圧勝しているが、ここ数場所の高安との対戦は無いため予想しづらい。

ここ数場所の高安は以前大関昇進を目指していた頃から大関在位時のような立ち合いの破壊力を武器にしているのではなく、四つに組んでからの安定感、また落ち着きのある内容である。

それが今の白鵬に対してどれだけ通用するのか。

ここ数日白鵬照ノ富士しか語ることがないが、それだけ両雄にしか目がいかないということだ。

13日目、14日目で波乱が起きることはあるのか。

はてさて…

366. 2021年名古屋場所11日目を勝手に語る

大相撲名古屋場所は終盤戦へ突入した。

それにしても白鵬照ノ富士があまりにも強すぎる。

本日で後続とは星の差3つをつけたが、周囲とはそれだけの差が開いているということである。

この2名だけ別次元の世界である。

白鵬は私自身、終盤戦の関門となると予想していた若隆景戦だったが、意に介さなかった。

立ち合い呼吸がずれたため、若隆景としては不完全燃焼かもしれないが、白鵬としてはこのところ力をつけている初顔相手にも自分の立ち合いを貫いたというところか。

右を差して下手も十分に引いたため、さすがにあの状態では若隆景もおっつけることが出来なかった。

白鵬は相撲内容にかなり厳しさを増している様子である。

照ノ富士は御嶽海を一蹴した。
立ち合いの踏み込み良く、左前ミツをすぐに引き、一気に寄り切った。

御嶽海としてはここ数場所両前ミツを引かれて動けなくなる場面が多いため、突き放していこうと考えていただろうが、立ち合いの踏み込み、圧力があまりにも違った。

照ノ富士の強さに脱帽である。

本日は白鵬照ノ富士の強さばかりが目に写る形となったが、逸ノ城、豊昇龍もかなり強さを発揮している。

逸ノ城は隆の勝相手に右を差して前に出る素晴らしい相撲だった。

先場所からやや不振の隆の勝だが、中盤戦以降は良い相撲を取っていた隆の勝を圧倒した。

今場所の逸ノ城は脆く後ろに下がることはなく、中に入られることもなく得意の右四つに組むことが多く、さらには積極的に前へ出る相撲を取っている。

残り全て勝っても不思議ではないほどの充実ぶりである。

豊昇龍は軽量のため立ち合いで押し負けることが多かったが、今場所は立ち合いの踏み込みがかなり良くなり、下がる場面が減少した。

立ち合いで押し負けず、四つに組んでも自身を持って相撲を取っている印象である。

運動能力は図抜けているため、これに相撲力が加わればまさに鬼に金棒である。

まだ白鵬照ノ富士に割って入るほどの力量ではないが、確実に三役レベルの力量は備わっているだろう。

さらに立ち合いの鋭さ、圧力が増せばもっと強くなるだろう。

本日は白鵬照ノ富士の異次元の強さ、そしてそれには及ばないが逸ノ城、豊昇龍が強いという4名しか印象に残らなかった。

明日も優勝争いという観点からは盛り上がる割はないだろう。

御嶽海がやってくれるかと思う反面、本日のように圧倒されるイメージの方が大きい。

照ノ富士ももろ差しのうまい明生相手だが、本日の内容を見ると苦にしないか。

終盤戦で波乱があるとすればおそらく14日目に割が組まれるであろう『照ノ富士ー高安』である。

高安は13日目、14日目と2強との連戦になるだろうから、終盤戦の鍵を握る存在になるだろう。

明日も静かな1日になることが予想されるが、御嶽海、明生が意地を見せることが出来るだろうか。

365. 照ノ富士、横綱昇進の権利を得た?

大相撲名古屋場所も明日より終盤戦を迎える。

優勝争いも佳境を迎えるが、ここまで綱取り照ノ富士は盤石の内容で土付かずの全勝である。

日に日に横綱昇進の期待が高まるため、終盤戦も注目である。

さてその照ノ富士だが、本日で過去に横綱へ昇進した力士しか達成していない記録を達成した。

それは『2場所連続初日から10連勝』である。

先日『中日勝ち越し』に関して記載したが、最高位大関では2場所連続初日から10連勝を達成した力士は存在しない。

照ノ富士横綱へ昇進した力士しか達成していない記録を達成したということで、より一層綱取りへの期待が集まる。

ちなみに昭和33年以降横綱へ昇進した力士の記録は以下の通りである。

四股名

初日から10連勝連続場所数

期間(複数回ある力士は最多or最初の達成場所)

備考

若乃花(1)

なし

 

 

朝潮

なし

 

 

柏戸

2場所

S39.3~S39.5

 

大鵬

4場所

S41.7~S42.1

他3場所連続1回

2場所連続3回

栃ノ海

なし

 

 

佐田の山

なし

 

 

玉の海

3場所

S45.9~S46.1

 

北の富士

なし

 

 

琴櫻

なし

 

 

輪島

2場所

S48.9~S48.11

 

北の湖

2場所

S52.1~S52.3

他2場所連続1回

若乃花(2)

2場所

S53.11~S54.1

 

三重ノ海

なし

 

 

千代の富士

3場所

S63.7~S63.11

他2場所連続2回

隆の里

2場所

S58.7~S58.9

秋場所横綱在位

双羽黒

2場所

S61.5~S.61.7

 

北勝海

2場所

H1.1~H1.3

 

大乃国

2場所

H1.3~H1.5

 

旭富士

なし

 

 

3場所

H5.5~H5.9

 

貴乃花

2場所

H6.9~H6.11

 

若乃花(3)※

2場所

H6.7~H6.9

 

武蔵丸

2場所

H14.3.~H14.5

 

朝青龍

4場所

H16.11~H17.5

他2場所連続2回

白鵬

6場所

H25.11~H26.9

他3場所連続1回

4場所連続1回

5場所連続1回

日馬富士

2場所

H24.7~H24.9

 

鶴竜

2場所

H30.1~H30.3

 

稀勢の里

2場所

H28.3~H28.5

 

※は大関在位時に達成した力士

『なし』は連続場所がなしという意味


調べていて面白かった、意外だったのが実力者でも2場所連続すら達成していない横綱が存在するということである。

初代若乃花北の富士は優勝回数10回を数える名横綱であり、それぞれ『栃若時代』『北玉時代』と時代を築いた力士であるため意外であった。

また佐田の山に関しても大鵬と同じ時代でしのぎを削り、その大鵬のライバルと呼ばれた柏戸よりも優勝回数は上であるが、2場所連続初日から10連勝とは無縁だった。

そして最強横綱と称されることの多い北の湖貴乃花も2場所連続に留まっている。北の湖は2回記録しているが、貴乃花に関しては大関時代(結果的に綱取りが絡む場所)に達成し、横綱昇進後は無縁の記録だった。

貴乃花は『13場所連続12勝以上』という白鵬に次ぐ記録を持っており、優勝回数も22回を数える大横綱であるため驚かされた。

しかもこの記録に関しては兄の若乃花の方が達成したのが早いということも意外であり、ライバル曙も3場所連続のため、兄やライバル負け(?)という結果に終わっている。

そしてここでも群を抜いているのが白鵬である。

複数回記録を何度も達成しているし、唯一5場所以上を達成している(しかも2回)。

ちなみに3場所以上は白鵬大鵬朝青龍玉の海千代の富士の5名である。いずれも一時代を築いた横綱であり、上記の通りここに北の湖貴乃花四股名がないのが意外である。

玉の海は現役中に亡くなったため、それがなければどれだけ記録が伸びていたことか。

話が逸れてしまったが、照ノ富士はすでに連覇も経験しており、横綱昇進における力量は十分だろう。

私自身、今場所は白鵬を下して全勝で決めてほしい気持ちもある。

はてさて…

364. 2021年名古屋場所10日目を勝手に語る

中盤戦終了日の10日目。

2強は譲らず10連勝とした。
両者ともに意に介さずという内容だった。

白鵬は左前ミツ狙いで行くかと思いきや、右張り差しを選択した。

下手に差し手争いするくらいならば左四つに組んで先に上手を引けば良いという考えだったか。

あっさりと右上手を引いて形を作り、磐石の内容だった。

照ノ富士千代大龍が待ったと勘違いして力を緩めたため、もはや相撲にならずあっさり10連勝。

千代大龍としては確かに照ノ富士の手がつくのが遅く見えるが、それでも行司が声を出して成立させているのだから勝手に判断してはいけない。

まぁ仮にしっかり当たったとしても今場所の両者の成績、内容を見ても期待できるものは無かったのだが。

白鵬照ノ富士としては楽に白星を積み重ねることが出来たと言える。

優勝争いという観点からは盛り上がる要素は何もない日であり、また全体を通じても熱戦はほとんどなかった。

正代と御嶽海の相撲もあまりにも呆気なかった。

今場所の流れからすると御嶽海有利と見ていたが、御嶽海が『弱い御嶽海』を出現させてしまった。

立ち合いの踏み込みも全くなく、あっさり叩きに落ちてしまった。

これがあるから御嶽海という力士は関脇止まりということだ。

実力ならば本日対戦した正代よりも上と言えるが、番付上は正代が上である。

その正代も連勝としているが、昨日も記載した通りパッとしないというのが本音である。

ここ数場所目指すところが勝ち越しであり、晩年大関ならまだしも、正代はまだ大関に昇進して1年も経っていない。

その領域に達するのはあまりにも早すぎる。

先場所も照ノ富士との割を外された中での角番脱出であるため、本来ならばこの出来事に対して奮起してほしいところだが、現状は難しい様子である。

本日唯一とも言える熱戦が『高安ー若隆景』の一番か。

過去に高安は若隆景のおっつけに苦しめられており、立ち合いは右差しを選択した。

差すことは成功せずともしっかり踏み込むことができ、その後も若隆景のおっつけ、肩透かし、手繰りに苦戦したが何とか辛抱して凌いだ。

最後は突き落としで決めたが、高安としては苦手相手に辛抱勝ちしたのは大きいだろう。

一方若隆景は敗れはしたものの、らしさを存分に発揮した一番だった。

ここ数日は中途半端な内容だったため、敗れるにしても自分の相撲で敗れるならば次に繋がるだろう。

明日が重要な一番であるため、本日勝って流れを引き寄せたかっただろうが仕方ない。

明日の注目の割は
白鵬ー若隆景』
この一番である。

2日程前に記載したが、終盤戦で白鵬にとって関門となるのが若隆景戦だと思っている。

安易な叩きは若隆景の足腰の良さならば残すだろうし、安易な右差しも得意のおっつけの餌食になる可能性がある。

とはいえ百戦錬磨の白鵬だから元々の地力の差は歴然たるものがあり、さらには対処方法も引き出しが多いためいくらでもあるだろう。

若隆景としては叩きにばったり手をつくのだけは避けたいところである。

信条であるしぶとい相撲を取ることが出来るかどうか。

明日から優勝争いも佳境を迎える終盤戦へ突入する。

優勝争いという観点からは白鵬照ノ富士が別次元のため動きが全く見られないが、波乱は起きるのだろうか…

363. 2021年名古屋場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入した大相撲名古屋場所

白鵬照ノ富士の両雄はともに白星。
そして全体通じても特にこれといって荒れることもなく。

白鵬千代大龍と離れる展開となったが、慌てずに対処した。

正直張り差しからあっさり捕まえるか、当たってすぐに叩いて終わると思っていたので、思いの外千代大龍が健闘したという印象を持った。

千代大龍としてはいつも通り思い切り引きに出たら面白かったかもしれない。

一昔前に雅山(現 二子山親方)が『モンゴルの力士は横の叩きにはついてくるが、縦の叩きに弱い』と発言していたことがあった。

もう15年程前の話だが、確かに雅山白鵬に勝利したときもそのような展開だった。

そのため本日千代大龍も当たってすぐに叩いたらどうなっていたのだろうとふと思ったりした。

とにもかくにも白鵬が冷静に対処したような内容だった。

照ノ富士隠岐の海を全く寄せ付けず。

立ち合いは照ノ富士が右四つ狙い、隠岐の海がもろ差し狙いであった。

結果的に隠岐の海得意の左四つとなったが、照ノ富士は左四つでも十分相撲が取れるし、元々の四つ相撲の技術は照ノ富士の方が遥かに上であるため、慌てることなく冷静に寄り切った。

まさに磐石の内容である。
中盤戦以降は相撲内容にもより一層厳しさを増しているため、このまま全勝街道をひた走ることが出来るかどうか。

大関正代は明生を下して白星先行。

正直本日は負けると思っていたが、何とか凌いで白星に結びつけた。

必死の土俵が続いているが、白星を先行させたのは大きいだろう。

勝ち越しのためには3勝が必要であり、役力士との対戦も4番残されているため、一息つく暇もないだろう。

関脇に目を向けると高安、御嶽海ともに白星。

高安は北勝富士に立ち合い変化されたが慌てずに対処し、北勝富士の上体を起こしてから冷静に叩き込んだ。

御嶽海は琴恵光相手に電車道会心の内容だった。
昨日のうっぷんを晴らすような相撲だった。

両関脇ともに白鵬照ノ富士との対戦が残されているため、それまで白星を積み重ねていきたいところである。

本日注目の割だった『若隆景ー豊昇龍』は豊昇龍が豪快な下手投げを決めた。

右四つで上手を引いたのは若隆景であり、その段階では頭を付けて若隆景が有利になるかと予想したが、すぐに身体をうまく使いながら下手投げを決めた。

叔父の朝青龍も上手、下手問わず右からの投げが強烈だったため、そのDNAはしっかり引き継がれているということか。

前に出て勝つ相撲が理想ではあるが、たまに豪快な投げを見るのも大相撲の醍醐味である。

明日の注目の割はこれまた優勝争いという観点からはないが『高安ー若隆景』は注目である。

高安としては二桁のために負けられない一番であり、若隆景としても負けると勝ち越しが厳しくなる星勘定である。

過去は高安が若隆景のおっつけに苦しんでいるが、高安としては差すことに拘らず突き放して圧力をかけることだろう。

若隆景としては突っ張りに下がらず、下から押し上げていくことが出来るかどうか。

明日で中盤戦も終了である。
このまま全勝で2強が終盤戦へ突入するのか。

はてさて…

362. 意外と達成者の少ない最高位大関の記録

大相撲名古屋場所も明日から後半戦へ突入する。

白鵬照ノ富士がともに初日から8連勝で無傷の勝ち越しを決め、一騎討ちの状況である。

白鵬は今回で51回目の中日勝ち越しと、自身の持つ歴代1位の記録を更新しているのだが、これに関してはあまりにも異次元の記録である。

ちなみに白鵬の中日勝ち越しの連続場所数は『10場所連続』であり、これも異次元の歴代1位の記録である(平成25年春場所平成26年秋場所)。

そして今場所、照ノ富士も2場所連続で中日勝ち越しを決めた。

横綱の次の番付である大関の場合、中日勝ち越しの連続場所数の最高は何場所だろうか。

先に答えを言ってしまうと『2場所』である。

後の横綱へ昇進した力士を除き、最高位大関で考えると2場所である。

そのため照ノ富士は最高記録に並んだということである。

白鵬の記録を見た後に結果を知ると思わず『大したことがない』と思いがちだが、中日勝ち越しを平然と達成してしまう白鵬が異次元なだけである。

ちなみに2場所を達成した力士は今回の照ノ富士を含め『7名』である。

昭和33年以降、最高位大関は37名であり、かなり少ない人数と言える。

過去の達成者の詳細は以下の通りである。

四股名

場所

連勝数

最終成績

清國

昭和45年夏場所

昭和45年名古屋場所

10連勝

9連勝

10勝5敗

11勝4敗

旭國

昭和52年名古屋場所

昭和52年秋場所

8連勝

13連勝

9勝6敗

14勝1敗(同点)

若嶋津

昭和58年春場所

昭和58年夏場所

8連勝

9連勝

8勝3敗4敗

13勝2敗(次点)

琴風

昭和58年秋場所

昭和58年九州場所

8連勝

10連勝

11勝4敗

11勝4敗

貴ノ浪

平成8年夏場所

平成8年名古屋場所

8連勝

10連勝

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

千代大海

平成14年夏場所

平成14年名古屋場所

9連勝

9連勝

11勝4敗(次点)

14勝1敗(優勝)

照ノ富士

令和3年夏場所

令和3年名古屋場所

10連勝

(8連勝)

12勝3敗(優勝)

 

清國のように10連勝のあと5連敗、旭國のように終わってみれば9勝6敗など後半に崩れる力士も多い。

照ノ富士は今場所優勝をすれば横綱へ昇進するため、ここから名前が消えるかもしれない。

そして過去の最高位大関には2場所連続初日から10連勝以上の記録を達成した力士はいない。

照ノ富士にはぜひとも白鵬と千秋楽全勝相星決戦の展開へ持ち込んでほしいところである。

上記の通り照ノ富士には綱取りを成功してもらい、ぜひともここから名前が消えることを願っている。