きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

187. 2020年大相撲夏場所番付予想

番付 西
白鵬 横綱 鶴竜
貴景勝 大関 朝乃山
正代 関脇 大栄翔
御嶽海 小結 隠岐の海
豊山 前頭筆頭 遠藤
阿武咲 前頭2枚目 隆の勝
宝富士 前頭3枚目
霧馬山 前頭4枚目 炎鵬
阿炎 前頭5枚目 碧山
北勝富士 前頭6枚目 照強
竜電 前頭7枚目 石浦
徳勝龍 前頭8枚目 千代大龍
前頭9枚目 玉鷲
魁聖 前頭10枚目 志摩ノ海
栃ノ心 前頭11枚目 妙義龍
佐田の海 前頭12枚目 琴ノ若
琴奨菊 前頭13枚目 松鳳山
高安 前頭14枚目 若隆景
琴勝峰 前頭15枚目 千代丸
錦木 前頭16枚目 照ノ富士
琴勇輝 前頭17枚目 明生

審判部長が理事長に臨時理事会の開催を要請し、理事長が要請を許可したため、朝乃山の大関昇進がほぼ確定したと言える(確定ではないが、過去に臨時理事会を開催して否決された例はない)。

そのため朝乃山を大関とし『横綱大関』は1場所で終了と予想した。

三役争いは、大栄翔、御嶽海のどちらが関脇へ昇進するかが問題点だが、筆頭の方が有利と見て大栄翔を関脇とした。

御嶽海としては11勝ならば関脇だったと思うので、終盤戦の連敗が痛手となった(あくまで予想だが)。

隆の勝が東前頭9枚目で12勝のため、数字だけ見れば三役にも届くレベルだが、上位総当りで8勝の豊山白鵬を下して9勝の阿武咲の方が評価が高いと判断し、隆の勝は西前頭2枚目に留めた。

平幕中位~下位がやや難しく、1点の勝ち越しでも大きく番付を上昇させる力士も多く出てきそうである。

幕内と十両の入れ替えは4名となるだろう。

・東十両筆頭:琴勇輝(8勝7敗)

・西十両2枚目:若隆景(10勝5敗)

以上2名が確定であり

・東十両3枚目:照ノ富士(10勝5敗)

・東十両5枚目:琴恵光(11勝4敗)

・東十両6枚目:琴勝峰(12勝3敗)

この3名が残り2枠を争う形になると思うが、私は照ノ富士十両優勝の琴勝峰を予想した。

もし照ノ富士が幕内復帰となれば、2018年初場所以来となる。

朝乃山の件に関しておそらく否決されることはないと思うが、仮に否決されて大関昇進ならず、来場所貴景勝が負け越し、さらに朝乃山の大関昇進も失敗となれば、名古屋場所は『大関不在』の可能性も生まれてくる。

はてさてどうなるものか…

186. 白鵬の千秋楽相星決戦

無観客開催となった大相撲春場所もいよいよ明日で千秋楽を迎える。

コロナウイルス感染者が1人でも出たら中止』という中で開催されたが、とりあえず無事に15日間終えられそうなため、ファンとしても安堵である。

さて優勝争いに目を向けると、2013年九州場所以来6年半ぶりの横綱同士千秋楽相星決戦となった。

そもそも横綱同士に限らず、千秋楽相星決戦自体が上記以来である。

鶴竜にとっては初めての千秋楽相星決戦であり、第一人者白鵬は以下の通りである。

年代

対戦相手

優勝者成績

2008年初場所

朝青龍

14勝1敗

2008年春場所

朝青龍

13勝2敗

2012年名古屋場所

日馬富士

15戦全勝

2013年九州場所

日馬富士

14勝1敗

対戦相手の横の○は白鵬白星、☓は白鵬黒星。

43回も優勝を果たしているが、千秋楽相星決戦となると今回で5回目である。

白鵬の場合、千秋楽待たず優勝を決定させることも多いため、そもそも逆転優勝に限っても2012年春場所しか経験がない。

この場所も千秋楽首位で迎えた鶴竜豪栄道に敗れ、優勝決定戦の末逆転優勝を果たしたが、要は『他力逆転優勝』だった(この旨の内容に関してはこちらを参照)。

少し話は逸れたが、百戦錬磨の白鵬といえど、千秋楽相星決戦の経験は浅い。

しかも過去4回、成績は1勝3敗と負け越している。

過去4回が一昔前の話であるため、あまり参考にはならないかもしれないが、白鵬にとっては嫌なデータと言える。

果たして第一人者白鵬が意地を見せるのか。

それとも鶴竜の復活優勝か。

熱戦を期待したところである。

185. 2020年春場所14日目を勝手に語る

2敗で両横綱が並び、横綱同士相星決戦という形で千秋楽を迎えることになった。

終盤戦へ突入し、荒れる展開もみられたが、さすがは横綱といったところか。

落ち着くべきところに落ち着いたという千秋楽の迎え方である。

そして朝乃山は横綱戦連敗で4敗目を喫し、来場所以降の大関昇進は絶望的と言っても過言でない成績となった。

昨日も記載したが、中には『11勝でも』という意見もあるが、横綱に勝てなかったことがやはり厳しいと言わざるを得ない。

本日の内容に目を向けると、朝乃山は立ち合い踏み込み良く、右を差して胸を合わせることに成功した。

しかし左上手には届かず、左おっつけで圧力をかけてジリジリと前に出た。

鶴竜が巻きかえてきた所勝負に出たが、右上手は1枚であったため力は半減し、投げの打ち合いも僅かに早く肘をついてしまった。

昨日の一方的な内容と比較し、本日は力を出し切ったと言えるだろう。

評価できる内容であるが、結果がついてこなかった。

場所後の昇進は不明だが、いずれにせよ明日勝たなければ全てが水の泡になる可能性も高い。

水の泡は言い過ぎかもしれないが、10勝で終了してしまっては来場所の水準がさらに厳しくなる可能性が高い。

とにかく白星で締めたいところ。

一方2敗を守った鶴竜は、6日目で2敗目を喫したときは苦しい展開になると予想されたが、何とか14日目終了して2敗で迎えることが出来た。

負けた相撲以外は良い相撲内容だったため、我慢して自分の相撲を貫いた結果とも言える。

明日も自分の相撲を取り切り、復活優勝なるか。

2敗同士の取り組みである白鵬ー碧山は、白鵬が冷静に捌いて2敗を守った。

碧山の立ち合いからの突っ張りも悪くなかったが、やはり碧山が白鵬に勝つ姿を全く想像できない通り、地力、経験全てにおいて差が大きすぎた。

白鵬は12日目の正代戦において醜態を晒したが、この2日間は第一人者としての存在感を見せつけている。

明日も第一人者としての意地を見せられるかどうか。

明日の注目は
白鵬鶴竜
横綱同士の相星決戦である。

そして
貴景勝ー朝乃山』
朝乃山にとって大関昇進へ一縷の望みを繋げるために重要な一番である。

まず相星決戦だが、過去の対戦成績は白鵬が圧倒的にリードしている。

同じ右四つ得意の力士であるが、右四つの完成度、地力の違いにより大きな差が生じている。

簡単に言えば胸を合わせれば白鵬有利、前ミツ引いて食い下がるもしくはもろ差しで鶴竜有利。

巻きかえの応酬になるかもしれないが、その流れで左四つになったとしても、どちらかと言えば白鵬有利と言える。

鶴竜の場合、上手を引いても白鵬に切られる可能性が高いので、とにかく頭をつけて出し投げで崩したいところ。

ここまで14日間の相撲内容を考慮するならば、私は『鶴竜有利』だと考えている。

この両者の相星決戦は初めてのため、とても興味深い。

正直言い方は悪いが、モンゴル人同士の1差対決もしくは片方が優勝圏外となっている一番は盛り上がりに欠ける。

なぜなら『結果が見えている』からである。

立ち合いから四つに組み、巻きかえの応酬から最後は優勝に絡んでいた方が勝利する。

熱戦に見えても緊張感はなかった。

しかし相星決戦となれば、間違いなくお互い全力を尽くすだろう。

もしかしたら呆気ない幕切れになる可能性だってある。

期待していた一番が必ずしも熱戦になるとは限らない。

仮にそうなったとしても、無観客開催となった春場所を支えてくれた両横綱には本当に感謝である。

その中、千秋楽に相応しい熱戦になってくれたらそれだけで満足である。

はてさてどうなるか…

そして朝乃山だが、千秋楽の相手は番付通り大関貴景勝となった。

精神論はあまり好まないが、それでもこの一番は『勝ちたいという気持ちが強い方が勝つ』と思う。

両者ともに負けられない一番である。

上記の通り、朝乃山は両横綱に敗れ、私個人としては大関昇進が絶望的になったと思っている。

しかし来場所に繋げるためには、自身より格上の力士を最低でも1人は倒しておきたい。

初優勝を果たした昨年の夏場所から朝乃山は確実に力をつけ、成績は安定しており、間違いなく大関としての力量が備わっていると思う。

だからこそ終盤戦3連敗で終わるわけにはいかない。

一方貴景勝大関としての意地があり、負け越すわけにはいかない。

そもそも近年の若手台頭の中、出世頭となったのが貴景勝である。

注目の若手力士の中で誰よりも若く、誰よりも早く出世したため、出世争いのライバルに負けるわけにはいかないだろう。

貴景勝の信念(押し)が勝るのか。
それとも朝乃山の信念(右四つ)が勝るのか。

最後に三賞予想だが
・敢闘賞:朝乃山(条件)、御嶽海(条件)、碧山
・殊勲賞:阿武咲(条件)
・技能賞:隆の勝
このように予想する。

碧山は下位で優勝争いを引っ張った功績から無条件と予想。

朝乃山、御嶽海に関して言えば『実力者だからこの成績は当然』という考え方から、条件付きでももしかしたら無しになる可能性もある。

殊勲賞は白鵬を下した正代、阿武咲が候補に挙がるだろうが、白鵬独走になりそうな展開から初黒星をつけた衝撃が強かったという点で阿武咲が受賞と予想。

しかしこの受賞も『白鵬が優勝した場合』という条件付きだろう。

三賞のゆくえも気になるところである。

184. 2020年春場所13日目を勝手に語る

『昨日の相撲は何だったの?』
これは白鵬、碧山に向けての言葉である。

まず白鵬だが、昨日『空振り張り手マシーン』と化していたが、本日朝乃山相手には目の覚めるような速攻相撲で寄せ付けなかった。

立ち合いはもろ差し狙いだった。

右四つの相四つであり、地力では白鵬の方が何十枚も上手だろうが、右四つがっぷりになる可能性を嫌ったのか。

立ち合いの踏み込み、圧力だけで圧倒した。

本当に昨日は何だったのだろうか。

最高の相撲内容で若手代表格に貫禄を見せ付けた。

一方の朝乃山だが、大関昇進のために後が無くなる黒星となり、さらには印象をかなり悪くさせる黒星にもなった。

一方的に敗れただけでなく、細かく見ると左上手の取り方も上から手を伸ばすだけのような取り方だった。

これで3敗となり、『3場所33勝』という考え方ならば残り2日間負けられなくなった。

中には『11勝でも』という意見もあるが、どちらにせよ両横綱のどちらかに勝たなければそれも白紙となるだろう。

そのため朝乃山にとっては、明日の鶴竜戦で全てが決まると言っても過言でない状況にまで陥ったということだ。

そしてもう一人『昨日の相撲は何だったの?』である碧山だが、立ち合いからすぐに叩きで呼び込み、あっさり土俵を割った。

昨日は実力者御嶽海相手に完璧な相撲を取った。
本日はまるで別人だった。

意識していないつもりで臨んでいるだろうが、単独トップに立ったことで色気が出たのだろう。

勝ちたいと思う気持ちが強くなり過ぎて、安易な叩きにいってしまったというところか。

いずれにせよ自分の相撲に徹することが出来ず、一日天下となってしまった。

一方の隆の勝は、昨日は地力敗けであり、今場所の勢いが途切れたわけではないという印象を与えたと言える。

地力も間違いなく付けているため、明日以降も楽しみである。

他の優勝圏内の力士に目を向けると、鶴竜が完璧な相撲で2敗を死守した。

貴景勝の当たりに下がらず、前ミツを引いて危なげない相撲だった。

昨日は立ち合いで中に入られたが、見事に修正した。

これで白鵬鶴竜、碧山が2敗トップグループとなったわけだが、落ち着くべきところに落ち着いたという感じか。

まだ2日間残っているとはいえ、白鵬が皆勤すれば白鵬鶴竜しか優勝できないということなのか。

本日の白鵬ー朝乃山を見せても世代交代はいつになるのだろうかという不安すらある。

もちろん白鵬鶴竜の活躍は素晴らしい。

両者ともに歴代でも高齢横綱でありながら結果を残しているのだから、本当に素晴らしい。

しかしいつまでこの両横綱におんぶにだっこでいるつもりなのか。

近年両横綱(特に白鵬)に対して『逃げるように休場するなら引退しろ』という旨の発言を耳にするが、逃げて戻ってきた横綱を倒すことができない方にも問題はある。

さらに言えばこのまま引退してしまっては、大相撲の質が大きく低下することは火を見るより明らかである。

だからこそ本日朝乃山への期待は大きかったのだが、さすがは第一人者である。

明日の注目の取り組みは
白鵬ー碧山』
鶴竜ー朝乃山』
この2番だろう。

貴景勝との割が崩され、白鵬ー碧山の割が組まれた。

ある程度予想された展開ではあるが、相撲内容の展開をすると、正直碧山が白鵬に勝つ姿を全く想像できない。

不戦勝以外で勝ったことがないから当たり前と言えば当たり前なのだが、本当にどうやったら勝てるのだろうか。

碧山の持ち味は突き押しだが、それがまるで通じないから勝つ姿が想像できないのである。

碧山が勝つとすれば、碧山が完璧な相撲を取ることよりも、『白鵬が雑になって自滅する』ことではないだろうか。

まさしく昨日の正代戦がそれに当てはまる。

白鵬が雑に来た場合、碧山は焦らず対処できるかどうか。

白鵬の立ち合いに注目である。

そして鶴竜ー朝乃山だが、朝乃山にとっては大関昇進のために勝つことが絶対条件だろう。

勝つためには右四つで胸を合わせて左上手を引くことである。

相四つのため、右四つに組むチャンスはあるが、中盤戦以降の鶴竜の立ち合いは厳しく、前ミツを引かれる可能性が高い。

朝乃山としては本日のように、上から手を伸ばすだけのような上手の取り方では同じ轍を踏むことになるだろう。

とにかく立ち合いしっかり踏み込むことだ。

鶴竜も復活優勝のためには負けられず、両者ともに重要な一番になるだろう。

残り2日間。
どのような展開になるだろうか。

最後に、明日の割が本日の割の終了後に編成された。

本日別途に記載したが、やろうと思えば出来るのだから、今後は終盤戦以降全てそうするのが良いと思うのだが…

常に対応は遅いが、一歩でも前進したことは収穫と言えるかな…

183. 毎場所の文句③

無観客開催の春場所も12日目を終え、碧山が1敗で単独トップに立つ展開となった。

そして今場所もいつものように『文句』を言いたくなる。

それは何を隠そう『割の編成』である。

毎場所のように勝手に語るの方で記載しているし、先場所からは題名の通りシリーズ化(?)しているが、今場所も第3弾ということで記載したいと思う(余談だが、第1弾という考え方ならば47. 『割の編成』に関してかもしれない)。

今場所は白鵬鶴竜、朝乃山、御嶽海と上位陣に好調な力士が多く、御嶽海以外の3名は終盤戦の潰し合いという流れである。

その中平幕下位で碧山が好調を維持し、12日目にはついに単独トップに立った。

何度か記載しているが、大相撲ファンの多くが上位と対戦していない力士の優勝を嫌っている。

私もその中の一人であり、毎場所のように文句を言っているわけである。

ここまでの碧山の内容は素晴らしく、決して碧山が悪いわけではない。

先場所の徳勝龍の優勝もそうだが、審判部の対応が遅いのである。

先場所は両横綱が途中休場したことにより、残された上位陣は2大関のみだった。

そのため比較的割の編成も組みやすかっただろうが、最後はグダグダだった。

徳勝龍だけをみるならば14日目に1敗対決となる正代と組まれ、千秋楽は上位の貴景勝ということで悪くないかもしれないが、千秋楽の割崩しにより『貴景勝豪栄道』というこの場所唯一の上位同士の割が崩されてしまった。

確かに豪栄道はすでに負け越していたが、貴景勝にとって豪栄道は天敵とも呼べる存在だった。

さらに唯一の上位同士の割を崩すのも如何なものかと感じた。

早めに対応しておけば
貴景勝ー徳勝龍
貴景勝豪栄道
正代ー徳勝龍
全て組むことが可能だったはずである。

今場所に目を向けると、ここまでの活躍を見て碧山と横綱との割を組まない訳にはいかないだろう。

だからといって両方の横綱と対戦するのは不可能と言ってもいい。

理由は以下の通りである。
白鵬鶴竜横綱同士の割を崩すわけにはいかない
鶴竜ー朝乃山の割を崩すわけにはいかない
貴景勝の勝ち越しに関して

①、②により、鶴竜の14日目、千秋楽の割が決まっているのである。

①に関しては説明不要だと思うが、②に関しては朝乃山側からみると、鶴竜戦を崩された中で仮に12勝を果たしたとしても、大関昇進に関して批判の対象となる可能性が高くなってしまうのである。

また①は説明不要と記載したが、平成12年春場所には曙ー武蔵丸横綱同士の割が崩されたことがある。

これは史上唯一の出来事であったが、この場所は両者優勝争いの圏内にいながらも割が崩される展開となった。

『過去にもあるなら別に良いのでは?』という考えの方もいるかもしれないが、本来ならば絶対あってはならない出来事である。

横綱同士の対戦というのは、それだけ重要である。

展開によっては千秋楽までに両横綱もしくは片方の横綱が優勝争い圏外となる可能性もある。

だからといって千秋楽の横綱同士の割を崩して良いということにはならない。

『千秋楽の割は14日目を見てから決める』
これは昨年夏場所から定着している案であるが、これに関しては素晴らしい案だと思っている。

しかしこれにあぐらをかいているように感じてしまう。

『どうせ千秋楽に帳尻合わせるからいいでしょ』というような考え方も否めない。

おそらく碧山は14日目白鵬、千秋楽朝乃山となる可能性が高いだろうが、上記の通り鶴竜にとっては『自力優勝がない』状況に陥っているわけである。

『格下に2敗した横綱が悪い』と言われたらそれまでだが、自力優勝の可能性が残っているのに事実上消滅してしまっているという状況が解せない。

そして③に関してだが、割崩しを行うことにより、必然的に成績不振の貴景勝が外されることになる。

これにより貴景勝の対戦相手は平幕相手ということになる。

ここまで貴景勝は6勝6敗であり、その中番付通りにいけば鶴竜白鵬→朝乃山の順に組まれていく。

鶴竜戦は確定しているため、14日目、千秋楽が崩されるが、これにより仮に勝ち越しを果たしたとしても『横綱と対戦していないから』『本来だったら負け越していた』などといった批判の対象になってしまう。

そのため、上位同士の割というのは安易に崩してはならないということである。

だから余裕を持った編成が重要である。

千秋楽の割の編成から考えると、終盤戦以降全てその考え方で編成するのはどうだろうか。

無理ではないはずだし、それだと労力が等という発言をするならば、ファンを納得させるためにそこは努力、改善すべき点だろう。

私だけでなく、多くの相撲ファンが毎場所のように文句を言っているわけであり、協会にも少なからず耳に届いているだろう。

何とかなることなのに何とかしていない状況に嫌気がさす毎場所の終盤戦である。

182. 2020年春場所12日目を勝手に語る

白鵬何やってるの?何がしたかったの?』
この言葉に尽きる。

雑なんてレベルじゃない。
あんなもの相撲じゃない。

近年白鵬の『張り差し、かちあげ』に関して物議を醸す事が多いが、白鵬はこの立ち合い後の流れがしっかりしているからこそ、うまく白星に結び付けていた。

それが本日は立ち合いから棒立ちの右張り手、その後もただビンタにいくだけのような数発の張り手。

それも空振りに終わり、あっさり叩いて呼び込み、正代にもろ差しを許して攻められた。

顎を上げる癖のある正代相手だからKOでも狙っていたのか?

それは無いと願いたいが、仮にそうだとしたら横綱云々ではなく、力士としてどうかしている。

本当に何がやりたかったのか?
意図を説明してくれ。

まぁ真意は不明だが、昨日完璧な相撲取り『さすが白鵬』と思わせただけに、本当に興醒めする黒星だった。

そしてこれにより単独トップに立った碧山。

注目の御嶽海戦だったが、自分の相撲を取りきったのが碧山だった。

御嶽海としては碧山の叩きを警戒しすぎたか、立ち合い踏み込むことができなかった。

さてこれで残り3日間、碧山の割がどう組まれていくか。

明日隆の勝との割が組まれたため、貴景勝と上位陣の割を崩し、横綱どちらか+朝乃山を考えているのか。

いずれにせよ今場所も対応の遅さは否めない。

はてさてどういう割を組むだろうか。

取り組みに目を向けると、2敗の横綱鶴竜が遠藤相手に辛勝。

立ち合いで中に入られたが、うまく体を開いて上手投げを決めた。

身体が動いているからこそ何とか対応出来たし、終盤でこういう一番をモノにするというのは大きいことである。

まぁ昨日御嶽海にも同じことを記載して本日敗れる結果となったが。

ここ数日内容は充実しているため、立ち合い修正していきたいところ。

大関取りの朝乃山は隆の勝を下し、一つの目標である二桁白星に到達した。

初顔合わせの勢いのある相手に圧力勝ちした。

隆の勝としては突き放してから流れの中で右を差して攻めていきたかっただろうが、立ち合い朝乃山の踏み込み良く、すぐに右四つに組んだため常時朝乃山の流れだった。

朝乃山としては完璧な相撲で二桁白星を挙げ、残り3日間上位戦に挑むことになる。

文句のない昇進とするためには残り3日間で2勝以上が求められるだろう。

ここまでの朝乃山の相撲を上位戦でぶつけられるかどうか。

明日の注目の取り組みは
白鵬ー朝乃山』
『隆の勝ー碧山』
優勝争いに関与する2番だろう。

白鵬ー朝乃山の一番は、優勝争いの観点からすると敗れた方が優勝争いから脱落することになる。

そして朝乃山にとっては大関昇進のために越えなければならない壁である。

近年若手の台頭が著しく、貴景勝、朝乃山はその筆頭とも呼べる存在である。

しかし朝乃山は白鵬に勝利したことがない。

朝乃山としてはこの壁を越えない限り、本当の意味での世代交代が訪れることはないだろう。

展開を予想すると、朝乃山としては右四つに組んで左上手を引くしか勝ち筋がないだろう。

右四つになってからの引き出しの多さに関して言えば白鵬は歴代最強である。

正直全盛期の白鵬ならば朝乃山に勝つ要素がないレベルであるが、現状の白鵬ならば胸を合わせて上手を引けば十分チャンスはある。

しかし上手を引いても白鵬の廻しを切る技術が最高峰のため、上手を引いても油断できない。

そもそも白鵬としては右四つではなく、張り差しからもろ差し狙いの可能性もある。

とにかく朝乃山は立ち合いしっかり踏み込み、左上手引くことだろう。

優勝争いだけでなく、この先の大相撲を見据えた上でも重要な一番になりそうである。

単独トップに立った碧山は、3敗に後退した隆の勝と割が組まれた。

碧山としては本日のように自分の距離を保ち突き放していけば圧倒すると思うが、隆の勝が踏み込み良く右差し速攻を果たすと苦しくなるだろう。

単独トップに立ったことで固くなる可能性も高いが、自分の相撲を取りきることが出来るかどうか。

そして14日目、千秋楽とどのような形で上位に当てられるのか。

優勝争いも佳境を迎える。

181. 2020年春場所11日目を勝手に語る

無観客開催の春場所も本日より終盤戦へ突入した。

1敗、2敗力士が皆揃って白星を積み重ねた。

まず昨日初黒星を喫した第一人者 白鵬は、しぶとい北勝富士相手に圧巻の内容だった。

昨年初場所の10連勝のあと3連敗の例もあるため、負けた翌日に過去苦戦している相手ということで注目していたが杞憂だった。

さすがは大横綱といったところか。
見事な修正である。

立ち合い踏み込み鋭く、右差し狙いだったが、踏み込みと圧力だけで北勝富士を寄せ付けなかった。

北勝富士が左おっつけにいったがお構いなしだった。

白鵬としては絶対に連敗しないという気迫を感じた。

終盤戦へ突入し、加速をつける内容だった。

もう一人の横綱鶴竜は正代を寄せ付けず2敗を死守。

立ち合いの踏み込みも良く、その後の突っ張りも威力十分だった。

何度か記載しているが、ここ数日の内容は厳しさを増しており、悪手を見せる気配が全く感じられない。

この流れを保ち、千秋楽白鵬との直接対決を迎えられるかどうか。

大関取りの朝乃山は竜電相手に完勝。

5連勝中の相手ということもあり、自信を持って相撲を取っていた様子である。

竜電も工夫を凝らし、突っ張っていったが、朝乃山は下がることなく逆に突っ張り返し、もろ差しを果たした。

割の変更がない限り、明日で平幕戦が終了する。

明日もしっかり白星を積み重ねてほしいところ。

御嶽海は大栄翔相手に土俵際の逆転で辛勝。

御嶽海が下から押し上げて馬力で圧倒すると予想していたが、その逆の展開となり、大栄翔の喉輪、おっつけがハマる形となった。

土俵際で大栄翔の脇が開いたため、うまく掬うことが出来た。

御嶽海としては今場所初めての辛勝となったが、こういう一番をモノにするというのは大きいことである。

終盤戦以降も続く平幕との対戦を全勝でいけるかどうか。

平幕1敗の碧山は持ち味を発揮して二桁の星を挙げた。

ここまで自分の相撲を取りきっている印象だが、それと同時に『下位だから通用している』という印象も受ける。

何日か前にも記載したが、3年前に13勝を果たしたときも千秋楽以外は平幕との対戦のみだった。

だからこそ優勝争いを考えたとき、明日の御嶽海戦からが本番と言えるのではないだろうか。

真価が問われるのは明日以降である。

隆の勝も右差しから圧力をかける良い内容で完勝。

右差し速攻の相撲が確立されつつあり、これが終盤戦に突入しても貫けるかどうか。

世代交代はまだ見えないが、若手力士の台頭が著しいため、隆の勝も今場所をきっかけに化けることが出来るかどうか。

さらに平幕下位に目を向けると、栃煌山が11日目で初日を挙げた。

今場所はとにかく内容が崩壊しており、本日も内容は良くないが何とか白星を掴んだ。

とりあえず初白星を掴んだこと自体が何よりだろう。

一方敗れた玉鷲も今場所は精彩を欠いている。

上位で活躍していた力士が上位圏外で苦戦している姿を見ると、横綱はともかくとして世代交代は進んでいる印象を受ける。

明日の注目の取り組みは
『朝乃山ー隆の勝』
『御嶽海ー碧山』
優勝争いにも大きく関与するこの2番である。

上記の通り、朝乃山は割の変更がない限り、今場所最後の平幕戦である。

大関昇進のためには、とにかく格下に対して落とすわけにはいかない。

右差し速攻が持ち味の相手であるため、比較的右四つに組みやすいかもしれないが、相手は元々押し相撲なため、後手に回って流れの中で右差しから攻められると苦し紛れ苦しくなるだろう。

立ち合いしっかり踏み込み、相手の動きを止めることが重要だろう。

地力では朝乃山の方が数段上だ。

しかし隆の勝も相撲内容が確立されつつあり、勢いもある。

一発を食らう可能性はあるため、気を引き締めて臨んでほしいところ。

御嶽海ー碧山は1敗、2敗同士の対戦だが、順当にいけば御嶽海に軍配が上がるだろう。

御嶽海としては碧山の突っ張りを下から跳ね上げ、はず押しで一気に攻めていきたいところだろう。

御嶽海ならばその技量、力量が備わっている。

しかし今場所の碧山は好調であり、足も良く出ている。

御嶽海は突っ張りをまともに受けたら苦しくなるだろうし、また一気に行きすぎると叩きの餌食になる可能性も高い。

そこらへんの調節が難しいところだが、とにかく恐れず踏み込むことだろう。

朝乃山、御嶽海ともに上位総当たりの意地を見せてほしいところである。

そして明日の白鵬の対戦相手は正代となったため、番付通りの割となりそうである。

優勝争い圏内の上位陣は白鵬鶴竜、朝乃山、御嶽海だが、御嶽海以外の3人は13日目以降総当たりとなる。

割を崩すとしたら調子の上がらない貴景勝である。

仮にこのまま碧山が単独首位に立つようなことになれば、さすがに割崩しを行うと思うが、下手すれば碧山は大関以上との割を組まれずに千秋楽を迎える可能性もある。

三役に絞っても正代、遠藤、北勝富士といるが、この3名は優勝争いと無縁である。

平幕同士の割のためいつでも良いという考えを持っているのかもしれないが、そもそもまだ隆の勝と碧山の割が組まれていないのも気掛かりである。

毎場所批判の多い取り組み編成だが(特に私は毎場所のように記載している)、ファンを納得させる編成をしていただきたいところである。