きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

159. 2020年初場所12日目を勝手に語る

伝家の宝刀『右突き落とし』。

今場所の徳勝龍の象徴である。

注目の1差対決『徳勝龍ー輝』は徳勝龍が伝家の宝刀で輝を降し、1敗を死守した。

立ち合いすぐに徳勝龍得意の左四つに組み止めることに成功した。

とはいえこの形になっても徳勝龍は絶対的な強さがないため、むしろ上手を先に引いた輝の方が良い形を作って攻めていった。

しかしそこで輝に待ち受けるは右突き落としであった。

昨日も記載したが、輝としては土俵際に注意しなければならず、わかっていただろうが食ってしまったという内容だった。

終盤戦へ突入し、星を積み重ねているのは事実だが、やはり徳勝龍に対して強さを感じない。

なぜここまで白星を積み重ねているのか不思議なくらいである。

残り3日間も動き勝てるかどうか。

同じく1敗の正代は動きが固く、防戦一方だったが逆転で1敗を死守した。

昨日同様、相手のもろ手突きに対して顎が上がってしまったが、調子が良いため何が何でも残そうという気持ちが生まれているのだろう。

徳勝龍にも言えることだが、型にハマって白星に繋げているのではなく、動き勝っている内容であるため、これが残り3日間にどのような影響を及ぼすか。

それは2敗の大関貴景勝も同様か。

栃ノ心相手に右を差されたが、相手が攻め急いだこともあり、相手の攻めの勢いを利用して逆転の小手投げを決めた。

今場所の貴景勝は遠藤戦、隠岐の海戦など組まれても諦めない姿勢で白星に結び付けている。

その姿勢は素晴らしいことだが、一方馬力で圧倒する貴景勝本来の内容が少ない。

そのため今場所の貴景勝は白星を積み重ねていても安定感に欠ける内容である。

残り3日間、自分の相撲を貫けるかどうか。

2敗の豊山栃煌山に敗れ3敗へ後退。

突っ張ってはいるが、上突っ張りで軽く、また昨日の一番でも見られたが途中右張り手を繰り出して脇が大きく空いてしまっている。

まだ3敗のため、優勝の可能性も残されているため、明日の徳勝龍戦が重要になるだろう。

角番豪栄道が朝乃山に敗れ、33場所在位した大関から陥落した。

今場所の役力士で鬼門と言える朝乃山相手に胸を合わされてしまった。

立ち合いは悪くなく、上手にも手が掛かったが一枚であり、その後投げにいって呼び込んでしまった。

しかし負傷しながらも小手先の相撲に頼らず、最後まで自分の相撲を貫いた点は素晴らしかった。

まだ貴景勝戦が残されているため、千秋楽まで自分の相撲を貫いてほしい。

そして来場所の特例復帰場所に備えてほしい。

平幕下位では琴奨菊が負け越しを喫した。

前頭二桁台で負け越しを喫したが、正直見ていて苦しくも感じた。

先場所から見受けられるが、今場所も馬力の衰えはもちろんのこと、立ち合いですぐに上体を起こされ、あっさりもろ差しを許すことが多かった。

まだ3日間あるし何とも言えないが、このまま4勝で場所を終えたら十両陥落の可能性も生まれてくる。

琴奨菊十両で取る姿を見たくないし、むしろ取らない意思を見せてほしい。

ここ数場所で大関の価値観について論争が起こることもあるが、その背景には『大関陥落者が平幕で取り続ける』ことも挙げられるだろう。

琴奨菊も決断の時が迫っていると言える。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー高安』
『正代ー輝』
豊山ー徳勝龍』
優勝争いに関わる3番である。

貴景勝は力を発揮すれば全く問題ないと思うが、どうにも不安定な内容を晒しているため油断ならない。

高安の叩きに対して恐れず当たっていけるかどうか。

自分の間合いをしっかり保ち、土俵際も注意しなければならない。

正代ー輝は力量で言えば正代の方が上だろうが、ここ数日の内容で考えるならば輝の方が分は良いか。

とはいえ輝は比較的差しやすい相手のため、正代有利と言ったところか。

正代はここ2日間、顎が上がる悪い癖が見受けられるため、輝の突っ張りをまともに受けるのだけは避けたいところである。

豊山ー徳勝龍だが、今場所の内容だけ見ると豊山が断然有利と言える。

しかし本日輝相手にもそれをはね除けて白星に繋げた。

徳勝龍としてはとにかく左四つに組み止めることだろう。

豊山も左四つである程度相撲が取れるが、まず左四つに組み止めたら落ち着くことが出来るだろう。

明日の展開次第では3敗力士の優勝の可能性も生まれてくるため、豊山、輝にとっても重要な一番であり、またその展開になると不気味なのが北勝富士である。

残り3日間、目が離せない。

158. 毎場所の文句

大相撲初場所は終盤戦へ突入し、優勝争いも佳境を迎えている。

その中で重要となってくるのが『割』である。

明日の割で『輝ー徳勝龍』という1敗、2敗の優勝争いに関わる重要な割が組まれた。

この割自体は何一つ文句ないのだが、問題は貴景勝豊山の割が不可解であるということである。

貴景勝は明日栃ノ心戦であり、番付順からいくと『高安→朝乃山→豪栄道』と続くだろう。

明日の栃ノ心戦も不可解だし、この展開ならば高安戦も割り崩しして良いだろう。

仮に高安がここまで5敗でいたならば『上位と対戦せずに10勝に到達してもどうか』という問題も生じるだろうが、高安はもう7敗を喫しており、大関復帰は叶わなくなっている。

そんな高安と優勝争いを演じている貴景勝が終盤戦に対戦するのは如何なものだろうか。

そして上記の通り、明日の栃ノ心戦もである。

なぜここで優勝争いと無縁の平幕力士と割を組んだのか。

2場所前ならば栃ノ心大関であったが、いまは平幕である。

そしてここまで栃ノ心の成績はどちらかと言えば不振である。

こうなると私の嫌いな上位と対戦せずに優勝する『インチキ優勝』が生まれる可能性が出てくる。

今場所は上位力士が少ないため、残された上位陣は必然的に平幕との割が多くなるため、上位同士との割り崩しを行うよりも楽に取り組み編成が可能なはずなのに納得いかないのである。

平幕力士に目を向けても、今場所好調の豊山、輝、徳勝龍に関しては、まず3名の総当たりはもちろんのこと、正代、遠藤、北勝富士、御嶽海辺りと割を組むのがベストだと考えている。

正代以外の3名は、上位総当たりでここまでそれなりの成績を残している3名である(余談だが、ここ数年この役目を果たす事が多い力士は玉鷲のように感じる。)。

北勝富士に関してはまだ3敗のため、展開次第で逆転の可能性も残されている力士である。

ここ数場所取り組み編成に関して疑問が残りやすく、上位の割を逆算して編成するという考え方が明らかに欠けている。

昨年夏場所から『千秋楽の割は14日目が終了してから』と流れになっており、この考え方自体は素晴らしいが、その考え方があるから他が疎かになっている気がしてならない。

豊山、輝、徳勝龍の活躍は素晴らしいことだし、彼らに何一つ罪はないが、正直この3名の中で優勝力士が誕生しても私は素直に喜ぶことができない。

望むことならば貴景勝か平幕とはいえ上位総当たりした正代の優勝である。

残り3日間(割を組む日数)。

納得のいく編成をしていただきたいところである。

157. 2020年初場所11日目を勝手に語る

『調子の良い力士は身体が動くし、残せるもんだなぁ~。』
と感じさせた11日目。

1敗の両力士の内容がそうだった。

正代は顎を上げる悪い癖が見受けられ、大栄翔に攻め込まれたが、土俵際でうまく残した。

顎を上げながらも正代自身攻める気持ちがあったことが良かったのか。

とはいえそれだけではいつもの正代ならば残せなかっただろう。

好調な力士は何をやってもうまくいくということだ。

もう一人の1敗徳勝龍もそれが言える。

昨日私は碧山に勝つイメージが湧かないと記載した。

流れとしては碧山の突っ張りを受けて、叩かれて終わりというものだ。

しかし本日は立ち合い当たってから珍しく激しく突っ張っていった。

結果的に左四つに組み、徳勝龍の四つとはいえ、胸を合わせた状態のため、体格差で不利だと思われた。

しかしそこから狙い澄ましたかのような右突き落としであった。

2日間連続で記載しているが、今場所特段強さを感じることはないが、とにかく動き勝っている印象である。

そして本日の内容を見ると、そこに『気迫』もプラスされたように感じる。

終盤戦へ突入し、ある程度色気が出てきたということだろう。

明日以降も優勝を意識せず、固くならずに動き回れるかどうか。

2敗の貴景勝豊山、輝は全員前に出る相撲を取りきって完勝。

3名全員が文句のつけようのない内容だった。

優勝争いの力士からは逸れるが、朝乃山が本日も勿体ない相撲で黒星。

炎鵬が立ち合いで足を取りに来て、それは許さなかったが、勢いで前に出過ぎて腕を手繰られた。

昨日の栃ノ心戦もそうだが、焦りなのか不十分な体勢で攻めているため、墓穴を掘っている。

二桁勝利を目指しているという気持ちが焦りに繋がっているのか、ここ2日間の内容は数場所積み上げてきた良いときの朝乃山らしさが消え失せている。

これで二桁勝利のためには一番も落とせなくなった。

角番豪栄道が苦手高安を降し、負けられない終盤戦の初日を白星とした。

廻しは引けなかったが、今場所初めて得意の右四つに組んで白星を掴んだ。

自分の形に持ち込んでの白星ということで少しはホッとしただろう。

厳しい取り組みが続くが、明日以降どうなるか。

明日の注目の取り組みは
豪栄道ー朝乃山』
『正代ー阿炎』
『輝ー徳勝龍』
この3番である。

豪栄道ー朝乃山は優勝争いと無縁だが、両者ともに負けられない一番である。

大関在位に望みを繋げるか、それとも二桁勝利に望みを繋げるか。

本日だけで考えるならば豪栄道の方が厳しい相撲を取っている。

朝乃山としてはしっかり踏み込んで胸を合わせたいところ。

正代は本日のように顎が上がりっぱなしならば、阿炎の突っ張りをモロに受けて下がる可能性が高い。

立ち合いしっかり踏み込んで、顎を上げず圧力をかけていきたいところ。

輝ー徳勝龍の1差対決は、ここまでの相撲内容を見る限り、追う立場の輝の方が数倍良く感じる。

輝としては土俵際に注意しなければならない。

徳勝龍は変わらず身体が動くかどうかが鍵となるだろう。

終盤戦へ突入し、優勝争いも佳境を迎えるが、今場所も割に関して疑問が残りそうである。

その旨に関しては後程記載したいと思う。

156. 2020年初場所10日目を勝手に語る

本日で中盤戦が終了。

注目の『貴景勝ー炎鵬』は大関が意地を見せた。

貴景勝が冷静に捌いた内容だった。

昨日正代に内容面でも圧倒され、精神面の不安も示唆されたが、しっかり気持ちを切り替えて臨んだようだった。

先頭集団との星の差1つは変わらず、このまま食らい付いていきたいところ。

炎鵬としては中に入りたいところだったが、体格差こそ違えど身長差があまりないため、入りづらい様子だった。

かつて同じ小兵力士である宇良が貴景勝を苦手としていたことと同様と言ったところか。

1敗の正代は立ち合いやや高く、松鳳山に攻め込まれたが、相手の巻きかえに乗じて強烈な右ハズ押しが決まった。

好調なため、ある程度攻められても余裕があるし、相手の動きにもうまく対応出来ているのだろう。

終盤戦以降、立ち合いを修正してさらに加速していけるかどうか。

同じく1敗の徳勝龍は昨日記載した通り、強さを感じることはないが、動き勝った一番だった。

正直徳勝龍は明日の碧山戦で勝つイメージが湧かないのだが、動きの良さでどうなるか。

朝乃山が勿体ない相撲で黒星。

栃ノ心の変化には対応し、その後上手も引いたが、上手は一枚気味であり、さらに深かった。

寄りも腰高のため、栃ノ心の右下手を殺すことが出来ず、下手投げを食ってしまった。

元々朝乃山は上手よりも差し手に拘ることが多く、ここ数場所は改善傾向にあったが、本日は悪い面が顔を覗かせる結果となった。

昨日苦手に我慢して白星を掴み、流れに乗りたいところで痛い黒星である。

これで4敗となり、二桁勝利のためには黄信号となった。

そして遠藤の連敗が止まらない。

立ち合いで御嶽海に圧倒され、土俵際で凌いだが、不得手の右四つであり、巻きかえにいったところをうまく突かれた。

昨日といい、前半戦見せていた鋭い立ち合いが影を潜めてしまった。

やはりこの力士は同格に勝ちきれないのかとがっかりしてしまう3連敗である。

一方の御嶽海だが、本日のように相手の巻きかえに乗じて上手出し投げを打つ辺り、やはりセンスは素晴らしいものを持っていると感じさせる。

前半戦絶好調であった遠藤、逆に不調であった御嶽海が本日10日目を終えた時点で星は同じである。

相撲というのは本当に難しいと感じさせる。

角番豪栄道が7敗目を喫し、大関在位阻止のためには後がなくなった。

昨日私は役力士との対戦は可能性を秘めているという旨の記載をしたが、こうも簡単に平幕力士に敗れるようではさすがに厳しすぎる。

怪我の影響が大きいため、いなされると脆い。

昨日記載した通り、それでも今場所は立ち合いからの出足に賭けるしかないだろう。

残り5日間もそれを貫くしかない。

平幕では豊山と輝が勝ち越しを決めた。

輝は先場所から明らかに相撲が変わった。

無理に頭を下げず、圧力をかけつつ、四つでも相撲を取るという意志が感じられる。

一言で『前に出る』と言っても、その認識が変わったように感じる。

この内容でも現状上位に通用するかどうか不明だが、幕内下位で相撲を取る力士では無くなったように感じる。

豊山は正直何が良くなったかというといまいちわからない。

豊山ファンには申し訳ないが、私から言わせてもらうと2018年名古屋場所で12勝した場所も特段強いと感じず、その場所勢いがあったという程度の認識だった。

そのためその後十両にも陥落し、鳴かず飛ばずの成績だった。

押し相撲だが絶対的に押しが強いわけでもないし、四つでも絶対的な相撲を取ることが出来るわけでもない。

それでもここ数場所は連続で勝ち越しており、今場所も10日目で早々と勝ち越しを決めた。

これは地力が付いている証拠である。

同学年の朝乃山の活躍が刺激となっているのか。

この力士は相撲内容が確立したとき、上位で躍進するときかもしれない。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー宝富士』
豪栄道ー高安』
この2番である。

貴景勝は力を発揮すれば問題ない相手だと思うが、先場所不覚を取っている相手である。

宝富士の腕力は強いため、先場所のような突き落としに注意しなければならない。

星の差1つで食らい付いていくためには、平幕相手に落とすわけにはいかない。

大関維持のためにもう一番も落とせない豪栄道は、過去合い口の悪い高安である。

昨日も記載した通り、合い口は悪いが、立ち合いからの出足で圧倒したこともあり、今場所の両者の状態を加味すると何とも言えない対戦である。

仮に豪栄道が敗れれば、4場所連続大関陥落者の誕生ということになる。

明日の注目に記載したが、豪栄道の5日間は目が離せない。

明日から終盤戦だが、明日で早くも星が動きそうな予感もあるがはてさて…

155. 2020年初場所9日目を勝手に語る

1敗同士の注目の取り組み『貴景勝ー正代』は正代が1敗を死守した。

正代の立ち合いの踏み込み、圧力が凄まじかった。

貴景勝としては立ち合いで突き放したいところだったが、逆に圧倒されてしまい、その後立て直し突き放していったが、正代が立ち合いで当たり勝った分、攻められても余裕を持っていたため、突き落としが決まった。

貴景勝が取りたい相撲を正代が取ったという一番になった。

それにしても正代の立ち合いが素晴らしい。

昨日の私の予想とは異なる展開だった。

これで徳勝龍とともに1敗先頭集団に立っているが、まだ後半戦は始まったばかりであり先は長い。

残り6日間。
4人(小結2人、遠藤、御嶽海)との対戦はほぼ確定だろうが、同格相手に勝ち切れるかどうか。

一方敗れて2敗に後退した貴景勝だが、本日の敗戦は内容も完敗だったため、尾を引く可能性も高い。

まだ星の差は1つであり、6日間も残されている。

自力優勝は消滅しているが、気持ちを切らさずに食らい付いていきたいところ。

そして正代とともに1敗を守った平幕下位の徳勝龍だが、約3年ぶりに幕内での勝ち越しを決めた。

正直何が良いか全然わからないが、身体は身軽に動いている様子である。

突き押し、左四つで相撲を取ることが出来るが、いずれにせよ絶対的な強さを感じさせないため、後半戦以降も動きの良さでカバーすることが出来るかどうか。

どこで優勝争いに関わる力士と割が組まれるのか注目である。

気は早いが、貴闘力以来の幕尻優勝も少しはちらつくだろうがはてさて。

昨日敗れて2敗に後退した遠藤は苦手の阿炎に対して、消極的な内容で連敗。

立ち合いで腕を手繰ろうとしたが不発に終わり、一方的な相撲で敗れた。

昨日敗れ、そして本日苦手の相手ということで意識してしまったのだろう。

今場所の玉鷲戦のようにしっかり踏み込んでから手繰るならば良いが、変化気味に手繰りにいってしまった。

これで先頭集団と星の差2つになってしまった。

ただの連敗ではなく、前半戦見せていた素晴らしい内容まで崩壊していることが問題である。

今場所だけでなく、来場所以降を見据えた上でも、相撲内容を修正していってほしいところである。

関脇朝乃山は苦手の大栄翔を降した。

本日は大栄翔の突っ張りに対して顎を上げず、逆に突き放していった。

大栄翔に攻め込まれたが我慢して相撲を取り、土俵際で得意の左上手を引くことが出来た。

連敗阻止、苦手に勝利と朝乃山にとっては大きな一番である。

この流れで二桁勝利を目指してほしいところ。

もう一人の関脇高安は6敗目を喫し、特例復帰が叶わなかった。

お得意様の宝富士相手に為す術なく敗れ去った。

身体面も精神面も低下している様子である。

今場所の内容を見ていると栃ノ心同様、下降線を辿っていくような気がする。

今の高安からは残念ながら何も感じるものがない。

そして角番豪栄道は炎鵬に対して、出足で一気に片付けようと考えていたのだろうが、小兵の炎鵬相手にそれは悪手だった。

しかし今場所の豪栄道の場合、下手に色んなことを考えて自滅するよりも、今場所貫いている出足を信じたという点では良かったと思う。

信じたというか、現状これがどの力士に対しても最善ということだろう。

今場所は怪我の影響も大きいためか、とにかく廻しを引くことが出来ないため、出足に賭けるしかない。

これで6敗目を喫し、厳しい状況に間違いないのだが、残りの対戦相手から考えると不可能ではない。

残りの役力士との対戦は、貴景勝、朝乃山、高安である。

貴景勝には合い口が良く、豪栄道の好調不調に関わらず圧倒することが多い。

貴景勝にとっては鬼門とも呼べる相手である。

高安には合い口が悪いが、今場所の出来ならば出足で圧倒することも可能だろう。

過去にそういった内容で圧倒したこともある。

問題は朝乃山だろう。

今場所は結果がどうであれ、一気の出足に賭けるしかない。

正代戦のように気力を振り絞って奮闘してほしいところ。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー炎鵬』
この一番に尽きるだろう。

貴景勝としては、絶対に連敗は避けたいところ。

そして相手は小兵力士だが、貴景勝は過去に小兵力士である宇良をカモにしていたことがある。

あまり考え過ぎず、立ち合いに集中していきたいところである。

一方の炎鵬も好調の遠藤、大関戦初挑戦で豪栄道に勝利と波に乗っている。

貴景勝はとにかく炎鵬の術中にハマってはいけない。

優勝を狙うためにもこれ以上落とすわけにはいかない。

明日で中盤戦も終了である。

平幕力士がこのまま逃げ切るか。

それとも大関の意地か。

はたまた優勝ラインが下がり、他の力士にチャンスが生まれるか。

どのような展開で終盤戦へ突入するだろうか。

154. 2020年初場所中日を勝手に語る

大相撲初場所も中日折り返し。

優勝争いの先頭集団にいた遠藤が黒星。

同格相手に勝ちきれないと何度も記載しているが、それが炎鵬とは思いもしなかった。

本日の内容は冷静に相手を見ていると言えば聞こえは良いが、相手に合わせた相撲を取っており、遠藤自身が何を狙っていたのかまるでわからない内容だった。

小兵力士相手に警戒するのはわかるが、警戒しすぎてしまい墓穴を掘った内容だった。

とにもかくにも優勝を考えたときこの黒星は痛手過ぎる。

ここからが踏ん張りどころであるが、明日が苦手の阿炎戦。

ここを乗り越えられるかどうか。

同じく先頭集団の大関貴景勝は、隠岐の海に右上手を引かれて危ない体勢だったが、何とか白星を拾った。

貴景勝は立ち合いの当たりもやや弱く感じた。

それとも隠岐の海の踏み込みが良かったのか。

今場所の隠岐の海は目立たないながらも上位圏内で2敗と健闘している(隠岐の海ファンに申し訳ないが、私の感覚的に4敗以上はしている印象だった。)。

そのためこの日も貴景勝相手に粘りの相撲を取ることが出来たということか。

貴景勝にとっては危ない相撲をモノにし、後半戦以降自分の相撲を取りきって突っ走りたいところ。

『朝乃山ー正代』という優勝争いの面でも重要な一番は、正代に軍配が上がった。

立ち合いは五分であり、その後朝乃山は突っ張りを繰り出した。

そこから流れを作って右四つに組みたかったのだろうが、正代が突っ張りに対して下がるどころか逆に攻め返して左四つに組んだ。

朝乃山は逆の左四つに組んで焦ってしまったのか、腰高のまま攻めてすくい投げを食った。

今場所の正代の前に出る圧力が本当に素晴らしい。

昨日の豪栄道戦も内容は申し分ないし、この流れで後半戦も突っ走ることが出来るかどうか。

一方の朝乃山はこれで3敗となり、優勝争いから大きく後退した。

今場所大関への足固めの場所にするためにも、気持ちを切り替えて後半戦臨んでほしいところ。

本日の取り組みで気掛かりな力士が御嶽海、玉鷲の2名である。

御嶽海は本日も不十分な体勢で攻めていき土俵際で回り込まれ、最後は寄り切られた。

元々この力士は体の寄せ方が巧い力士だったのに、今場所は貴景勝戦でもそうだが、土俵際の詰めが甘い。

常々稽古不足を指摘されており、それが一番の問題点だろうが、もう一つ気になることが『身体を大きくし過ぎ』という点である。

馬力は増すかもしれないが、今場所のように前に落ちやすくなり、また持ち味の機動力が失われてしまう。

大関候補筆頭から一転、今場所は平幕であり、奮起してもらいたいところだが、前半戦は結果を残すことが出来ていない。

正代戦、遠藤戦で意地を見せられるかどうか。

そして玉鷲だが、単純に衰えを感じさせる内容が多い。

立ち合いの当たりも弱く、突っ張る腕も伸びず、馬力不足も感じる。

2016年九州場所から遅咲きながら上位に定着し、昨年初場所には優勝も果たしたが、ここ数場所は年齢による衰えを感じさせる。

玉鷲らしい力強い相撲を見たいが、後半戦巻き返しなるかどうか。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー正代』
この一番に尽きるだろう。

数場所前までならば貴景勝の押しに対して正代は為す術なく下がっていただろうが、今場所の正代の圧力は凄まじいものがある。

立ち合いは貴景勝が勝るだろうが、正代がそこまで下がらず圧力をかけていくのではないだろうか。

そこで貴景勝が安易ないなし、引きにいってしまうと正代はそこを突いてくる可能性が高い。

貴景勝としては我慢強く押しに徹することが重要だろう。

どちらが1敗を守るか。
優勝争いを占う重要な一番である。

朝乃山、遠藤も連敗を避けたいところだが、両者ともに明日は苦手相手である。

はてさて…

153. 2020年初場所7日目を勝手に語る

正代が敗れ、初場所の全勝力士が消滅した。

その正代だが、立ち合いの踏み込みも良く、圧力をかけながら攻めていったが、豪栄道の執念が勝った。

豪栄道としては攻め込まれて苦しい展開だったが、うまく回り込むことに成功した。

昨日玉鷲に完勝したことで気を良くしたか。

身体も徐々に動けるようになってきたようである。

角番脱出にはまだまだ苦難が続くが、辛抱しながら相撲を取ることが重要だろう。

一方正代だが、昨日私はここで負けるようならばいつもと大差ないという旨の記載をしたが、本日は仕方ないだろう。

内容は申し分ないし、明日以降も攻めの姿勢を貫くことが重要だろう。

優勝を狙うならばとにかく連敗しないことだ。

1敗の大関貴景勝は考えた内容でうるさい阿炎を降した。

立ち合いもろ手突きを選択し、阿炎のもろ手突き、変化どちらにも対応できるようにした。

まだ半分以上残っているが、これで1敗のトップグループに立った。

この力士の場合、考えすぎず立ち合いに集中していくことだろう。

新関脇朝乃山は踏み込み良く、北勝富士を圧倒した。

朝乃山はここ数日立ち合いが甘かったため、この相撲で流れを変えていく事が出来るかどうか。

2敗のため、優勝争いを面白くするためにも白星を積み重ねてほしいところ。

逆に北勝富士は立ち合いが消極的だった。

右手を出して左に動いておっつけようと思ったのだろうが、全く踏み込めていないため朝乃山の圧力に屈した。

押し相撲が立ち合いを武器に出来ないのは致命的であり、本日は無駄に考えすぎたことが仇となった。

上位総なめの4連勝の後3連敗である。

この力士は『ツラ相撲』の傾向があるため、早く連敗を止めたいところ。

今場所注目の遠藤は、立ち合い踏み込みの鋭さが目立ち、難敵玉鷲を降した。

踏み込みが鋭いため、玉鷲に突っ張りを許さなかった(玉鷲が若干立ち遅れ気味だったのもあるが)。

今場所の遠藤は立ち合いがとにかく厳しい。

ここまで内容だけならば全力士の中で1位と言っても過言ではない。

何度も記載しているが、このまま同格力士相手に勝ち続けることが出来るかどうか。

十両の土俵に目を向けると『照ノ富士ー琴勝峰』という面白い割が組まれており、元大関が若手を降した。

照ノ富士の状態がかなり戻っている様子だが、まだ腰高、脇甘が目立つか。

現状は良いだろうが、幕内上位復帰のためには修正しておきたいところである。

明日の注目の取り組みは
『朝乃山ー正代』
『遠藤ー炎鵬』
この2番だろう。

朝乃山ー正代は優勝のために両者負けられない一番である。

先場所は千秋楽に顔を合わせており、朝乃山得意の右四つに組んだが、それでも構わず攻め続けた正代が勝利した。

両者ともに立ち合いが重要であり、朝乃山としては勝利のために右四つに組むことが絶対条件である。

しかし先場所のように、正代はもろ差しに拘らず攻めてくるため注意が必要である。

朝乃山は左前ミツを引いて攻めていきたいところだ。

優勝争いを占う意味でもかなり重要な一番になりそうである。

遠藤ー炎鵬だが、人気者同士の対戦ということでかなり注目を集めるだろうが、遠藤としては優勝のために絶対落とせない一番である。

炎鵬の動きに惑わされることなく、恐れず自分の相撲を取ることが出来るかどうか。

全勝が消え、優勝争いも混沌としてきた。

明日で中日だが、どのような星の並びで後半戦を迎えるだろうか。