きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

62. 2019年夏場所10日目を勝手に語る

大相撲夏場所も本日で中盤戦が終了。

優勝争いの先頭に立つ1敗3力士は皆白星を積み重ねた。

一人横綱鶴竜は、決まり手こそ叩き込みだが、普段の悪手である叩きとは異なり、喉輪に対してムキにならず、相手を見て体をうまく開いた。

悪いときの鶴竜ならば確実に悪手を見せる所だが、冷静に捌くあたり今場所の好調さが窺える。

そして大関復帰を目指す栃ノ心だが、私は昨日『不戦勝の影響はどうか?』など不安視していたが、要らぬ心配だった。

立ち合いしっかり踏み込んで左前ミツを引き付け、その後の寄りも磐石であった。

今場所はとにかく立ち合いしっかり踏み込み、その後の攻める気持ち、そして結果的に得意の右四つに組み止める強い相撲を取り続けている。

これで大関復帰まであと1勝である。

余程のことがない限り、大関復帰は間違いないと思う。
今場所の状態ならば大関復帰は通過点に過ぎず、優勝も十分に狙える内容である。

平幕唯一の1敗 朝乃山は本日も攻めの気持ちが全面に出ていた。

得意の右は差せずと見るや突っ張りに変更して攻め続け、最後は逆の左四つだったがしっかり体を寄せた。

あと一番で二桁に到達するが、審判部としては上位戦の割を組むのかどうかが鍵となる。

今場所は休場者なしの状態ならば、上位陣は『西前頭4枚目』までがいわゆる『上位圏内』であった。

しかし貴景勝逸ノ城の途中休場により、番付通りに割を組むならば『東西の5枚目』が上位と組まれることになる。

そして番付通り、鶴竜の明日の対戦相手は『東前頭5枚目の妙義龍』である。

西前頭5枚目の竜電はすでに大関と割が組まれた状態で、ここまで6勝4敗としている。

一方妙義龍は同じく大関と割が組まれているのは竜電と変わりないが、ここまで3勝7敗と星が挙がらない状態である。

ここらへんが後にターニングポイントとなる可能性が高い。

このままいけば鶴竜の終盤戦は
妙義龍→竜電→栃ノ心→高安→豪栄道
という順で割が組まれるだろうから、朝乃山と割が組まれることは無くなってしまう。

豪栄道と妙義龍が同部屋のため、豪栄道としては割が一つ空くため、『豪栄道ー朝乃山』という割は組まれるかもしれないが、私個人としては朝乃山は最悪栃ノ心と割を組んでほしいと願っている。

審判部はどのような割を組むのか。
ファンを納得させる取り組み編成を行ってほしいところである。

さて明日の取り組みだが
鶴竜ー妙義龍』
栃ノ心ー阿炎』
1敗の上位陣が注目である。

かつて鶴竜は妙義龍を大の苦手としていた。

今場所の内容ならば問題ないと思うが、やはりいつ悪手が顔を覗かせるのかという心配がある。

調子の上がらない妙義龍とはいえ、決して油断ならない相手である(上記と矛盾する記載だが)。

栃ノ心は明日で大関復帰を決められるかどうか。

あと1勝ということで、否が応でも気にしてしまうところだろう。

それさえ気にしなければ、今場所の内容ならば負ける要素はほとんどないと思う。

第一の目標である大関復帰を早々決定させ、あとは思い切って優勝争いに臨むことが出来るかどうか。

明日から終盤戦。
優勝争いも目が離せない。

61. 2019年夏場所9日目を勝手に語る

大相撲夏場所9日目終了。
本日より後半戦が始まった。

昨日再出場した貴景勝が本日再休場となった。

結果だけを見れば『なぜ出場してきたのか?』と批判の対象になるものだと思う。

4日目に負傷し、ファンの間では『無理しないでほしい』『休場するべきだ』という意見が大半であり、5日目から休場を表明しても批判の声は聞かれなかった。

それを自ら潰す形を取ってしまったというのが頂けない点である。

とにもかくにも早く怪我を治してほしいところである。

しっかり治療して万全な状態ならば、来場所の角番は問題ないだろう。

そして本日注目していた『貴景勝栃ノ心』は栃ノ心の不戦勝となり、1敗を守るとともに勝ち越しを決めた。

今場所の栃ノ心は勝ち越しではなく二桁が目標だが、とりあえずは区切りの勝ち越しでホッとするだろう。

どんな形であれ、白星が最大の薬であることに間違いないと思うが、あくまで土俵上では『何も出来ずに敗れたあと相撲を取っていない』ことになる。

鶴竜は昨日の敗戦を引きずることなく、良い内容で勝ち越しを果たした。

現状栃ノ心は、取り組みにおいてリセットすることは出来ていない。
そういった心情はどうだろうか。

明日の対戦相手は『御嶽海』であり、7日目までの相撲内容ならば苦戦しない相手だと思うが、8日目の黒星、そして御嶽海自身も比較的良い内容でここまできているため、どう転ぶかはわからない。

本日の不戦勝がどのような影響を及ぼすだろうか。

平幕では好調の『朝乃山ー竜電』の割が組まれたが、両者好調なだけあって、短い時間ではあったが見ごたえのある一番だった。

本日は朝乃山の気迫を感じた。
立ち合い頭で当たり、廻しに拘らず攻め立てた。

並の力士なら朝乃山が叩いた時点で勝負ありだと思うが、竜電も足腰良くこれを残した。

それでも朝乃山は休まず攻め続けた結果、白星へと結び付けた。

朝乃山はこれで勝ち越しを決め、優勝争いでもトップタイだが、近年の割の傾向からすると上位戦が全く組まれることなく終わる可能性もある。

私としては『インチキ優勝』を見たくはないため、最悪栃ノ心戦だけは割に入れてほしいところである。

明日の注目は
鶴竜ー阿炎』
栃ノ心ー御嶽海』
この2番である。

単純に優勝争いを引っ張っていくであろう両力士に注目しているのだが、栃ノ心は上記の通り、不戦勝がどのような影響を及ぼすのか注目である。

鶴竜は阿炎の長いリーチの突っ張りに対し、ムキにならないことだろう。

前回の対戦では敗れているため、悪手を見せないことが絶対条件だろう。

阿炎は本日の豪栄道戦で肩に力が入り過ぎて、上体だけで行ってしまい、引きにあっさり落ちた。

本日の反省を踏まえ、肩の力を抜いて攻めてくる可能性も高い。

また前回勝利しているという点で良い印象を持たれている可能性も高い。

鶴竜としては、如何に自分の相撲を取ることが出来るかどうか。

明日で中盤戦も終了である。
優勝争いはどのような展開で終盤戦へと突入するだろうか。

60. 2019年夏場所中日を勝手に語る

鶴竜栃ノ心ともに敗れ、中日で全勝が消えた大相撲夏場所

そして『令和初の金星』は玉鷲となった。

まず『鶴竜玉鷲』だが、鶴竜の立ち合いは決して悪くなかった。

そして悪手を見せたわけでもない。

玉鷲の当たり、その後崩してからの右ハズ押しが強烈だった。

本日は鶴竜が悪いのではなく、玉鷲が良すぎたと言える。

鶴竜としてはこの敗戦を引きずらず、明日以降も相撲を取ってほしいところ。

栃ノ心ー遠藤』だが、遠藤の巧さに敗れた。

ケンカ四つの対戦だが、遠藤に右前ミツを取られ、栃ノ心としては右を差すことも出来ず良いところがなかった。

突き放しに変更して、前ミツを切ることも考えられただろうが、遠藤が素早く出し投げを決めた。

栃ノ心としては7日間完璧な相撲を取り続けていただけに、何も出来ず敗れたというのは後半どのように響いてくるだろうか。

そして本日再出場した貴景勝だが、碧山の立ち合い変化に敗れた。

膝を負傷した中で
『碧山の突っ張りを受けられるか』
『前に出ることは出来るか』
というのが注目であったが、肩透かしを食らうような内容だった。

本日の内容で状態を把握することは難しい。
しかし結果としては黒星である。

状態は不明だが、膝を負傷しているということは後ろに下がる相撲を取ることができないだろう。

そうなると今まで以上に前へ出ようとする気持ちが生まれてくる。

しかし本日変化されたことで、その辺の心情も変化が生じるかもしれない。

明日以降、気持ちを切らさず相撲を取ることが出来るかどうか。

平幕好調力士の朝乃山は、廻しに拘らず攻めて1敗を守った。

番付上、上位と対戦することはないため、そこまで緊張感なく相撲を取ることが出来ると思うが、割を変更する可能性もあるため、真価が問われるのはそこからだろう。

本日逸ノ城が休場した。

先場所14勝を挙げ、今場所は真価の問われる場所でもあったが、ここまでパッとせず結局休場に陥ってしまった。

場所前から怪我をしていたようであるが、結局殻を破れずに終わってしまう形となった。

三段目の話だが、本場所に復帰して2場所目の照ノ富士が本日敗れ、復帰後初の黒星となった。

番付は49枚目のため、残り全勝して6勝とすれば幕下へ返り咲くことは可能だろうが、元大関が三段目の力士に敗れるというのはどのような影響を及ぼすだろうか。

照ノ富士曰く『勝ったと思って力を抜いた』というのもあまりに雑な行為だし、この1敗により『2場所連続各段優勝なし』という事実をどう受け止めるのか(厳密に言えばまだ優勝の可能性が0ではないが)。

明日の注目の割は
鶴竜隠岐の海
貴景勝栃ノ心
この2番だろう。

鶴竜としては、隠岐の海相手に引っ張り込まれて左四つとなる展開だけは避けたいところ。

また土俵際逆転も注意しなければならない。

決して調子の上がらない隠岐の海だが、過去何度か苦杯をなめているだけに油断ならない相手である。

貴景勝栃ノ心は、先場所記憶に新しい『大関入れ替え戦』となった一番である。

今場所も『再出場の大関』『大関復帰をかける関脇』という両者ともに負けられない一番である。

過去は貴景勝が圧倒しているが、栃ノ心の状態は先場所と大きく異なる。

貴景勝が万全だと仮定した場合、栃ノ心としてはとにかく雑な立ち合いは出来ない。

また貴景勝の独特な間合いに付き合って、上体だけでいくと引き技を食ってしまう可能性が高いため、注意が必要である。

明日から後半戦である。
全勝が消え、優勝争いの展開も大きく変化する可能性がある。

後半戦も注目である。

59. 2019年夏場所7日目を勝手に語る

夏場所場所7日目終了。

場所の話を進める前に、まずは貴景勝の話題から。

明日中日から再出場するとのことである。

大関の再出場は年6場所制となった1958年以降では初である。

本人、親方だけでなく、医者の診断があるから大怪我でないことは間違いないのだろうが、『日常生活を送ること』と『相撲を取ること』は当たり前のことだが全く異なる。

話の中に『膝は曲げられる』と情報があるが、相撲を取るにあたってそれは最低条件であり、あくまで『最高の状態』で相撲を取ることが望まれる。

来場所角番になりたくないから強引に出場したのか、それとも使命感か。

理由は何にせよ、出場するからには大関としての責任をしっかり果たしてほしいし、ファンを納得させる相撲内容を展開してほしいところ。

まだ鶴竜栃ノ心との対戦は残されているため注目である。

そして場所に話を進めよう。

本日注目の『栃ノ心琴奨菊

栃ノ心が雑な立ち合いを見せれば、琴奨菊に攻められる展開も予想された。

立ち合いは琴奨菊の方が低く、左前ミツにも手がかかり、一方栃ノ心は左上手が引けず、下がる内容となった。

しかし琴奨菊の左前ミツが切れ、栃ノ心が下がりながら左上手を取った瞬間、強烈な引き付けで圧倒した。

単純なパワーならば現役力士で栃ノ心の右に出るものはいないだろう。

引き付けだけで170kg以上の力士が浮いてしまうのだから驚きである。

これで初日から7連勝とし、大関復帰まであと3勝である。

この先もこの内容を貫いていくことが出来るかどうか。

もう一人の全勝鶴竜は、昨日の内容を反省したのか、立ち合い鋭く踏み込み、右上手を引いて圧倒した。

昨日初めて悪手が顔を覗かせたが、本日はそれを微塵も感じさせなかった。

全勝の両名がここまでほぼ完璧な内容である。

貴景勝が明日から再出場するため『鶴竜栃ノ心』は番付順で言えばおそらく11日目に割りが組まれるだろうが、そこまで両者ともに全勝でいけるかどうか。

平幕好調力士の朝乃山は、昨日連勝が止まったが、本日は嘉風を圧倒した。

この力士は『ツラ相撲』の傾向があるため、本日の取り組みは注目だったが、引きずることなく良い内容だった。

今場所は早くも1敗は朝乃山だけとなっており、阿炎、竜電など内容をみると好調に見える力士も2敗以上となっている。

大関陣も3敗以上(貴景勝が事実上4敗)のため、まだ場所は半分以上残されているが、優勝は早くも鶴竜栃ノ心に絞られたと言っても過言ではないだろう。

明日の注目は
鶴竜玉鷲
貴景勝ー碧山』
栃ノ心ー遠藤』
この3番だろう。

まず鶴竜玉鷲だが、鶴竜としては油断ならない相手である。

昨年初場所11日目、全勝の鶴竜玉鷲に敗れ、その後鶴竜は崩壊し、栃ノ心に優勝をさらわれた経験がある。

とにかく悪手を見せないことだろう。

貴景勝ー碧山は、優勝争いとは関係のない一番だが、貴景勝が再出場してどこまで相撲を取ることが出来るか注目である。

上記の通り、大関としてファンを納得させる相撲をとってほしいところ。

栃ノ心ー遠藤は、栃ノ心としては遠藤の前さばきの巧さに注意しなければならない。

右四つに組んだとしても、巻きかえの巧さ、そして廻しを切る技術は現役で白鵬に次ぐ巧さを持っている。

そして土俵際も注意しなければならない。

栃ノ心としては、立ち合いしっかり踏み込み、圧力をかけつつどっしり構えていきたいところだろう。

明日で折り返しとなる中日である。

全勝2力士は全勝ターンなるだろうか。

58. 2019年夏場所6日目を勝手に語る

夏場所も本日より中盤戦。

本日注目の『鶴竜ー大栄翔』。

今場所悪手の気配を感じさせない鶴竜相手にここ数場所成長著しい大栄翔が、悪手を引き出すことが出来るかどうか注目であった。

両者にとって重要な立ち合いはほぼ五分。

その後突っ張り合いにてよく手が伸びていたのは大栄翔だった。

そしてついに今場所初となる鶴竜の悪手『引き』が顔を覗かせた。

大栄翔としては狙い通りの展開だっただろうが、最後足がついていかなかった。

大栄翔としては悔やまれる一番だろうが、鶴竜としては命拾いした一番だった。

鶴竜の明日の対戦相手は千代大龍だが、本日のような相撲内容ならば一気に持っていかれる可能性も高い。

再度立ち合いの確認、その後の突っ張りに関しても修正が必要である。

大関復帰に向けて序盤戦無傷と最高の流れで中盤戦を迎えた栃ノ心は、逸ノ城との力相撲を制した。

この両者は毎場所のように『右四つがっぷり』になるため、栃ノ心としては安心して自分の形を作れる相手も言えるが、逆を返せば『相手も十分』という危険と隣り合わせである。

そして先に上手を引いたのは逸ノ城だった。

その後栃ノ心が巻きかえる動きから左上手を引き、いつも通りのがっぷりとなったが『相手を不十分にさせる動き』が多かったのは逸ノ城であった。

栃ノ心は一度上手が切られてしまい、危ない場面も見受けられたが、何とか我慢して白星に繋げた。

今場所の栃ノ心は廻しが引けなくても、圧力をかけつつ組止める良い内容だが、『廻しを切る技術がない』という四つ相撲力士としての弱点を露呈する形となった。

白鵬に勝つことができない最大の要因とも言えるものである。

だからといって今場所の栃ノ心の力が全て否定されるわけではない。

これが栃ノ心という力士であり、栃ノ心の魅力を引き出すことの出来る内容である。

この内容で早く大関復帰を叶えたいところ。

大関陣2人は揃って黒星。

高安は玉鷲に力負けである。
玉鷲の右おっつけが強烈だった。

豪栄道は昨日の敗戦を引きずっているのか、立ち合い高く足も揃っていた。

場所前からあまり期待してはいなかったが、これで両大関ともに星の上で考えると優勝争いから早くも脱落である。

明日の注目は
栃ノ心琴奨菊』だろう。

このところ栃ノ心が4連勝中とはいえ、過去は9ー24の圧倒されている。

しかも直近の対戦は昨年の名古屋場所のため、期間が空いている。

今場所の栃ノ心の立ち合いならば、しっかり右四つに組止めることも難しくないと思うが、立ち合いが高くなったり、脇が開くような雑な攻めになると、琴奨菊の一気の攻めに屈してしまう可能性も高い。

栃ノ心にとって決して楽な相手ではない。

中盤戦最初の関門。
はたして突破することが出来るかどうか。

57. 栃ノ心が特例復帰場所にて唯一達成した記録

先場所大関で2場所連続負け越しを喫したことにより、今場所関脇へ陥落した栃ノ心

1969年名古屋場所より、現行の『2場所連続で負け越しで関脇に陥落、直後の場所で10勝以上を挙げた場合(厳密には取り組み日数の2/3以上)、特例で復帰できる』という規定が定着した。

年6場所制となった1958年以降、大関を陥落した力士は栃ノ心を含め、19名・22例である。

そして陥落直後の場所の成績は以下の通りである。

四股名 陥落決定場所 翌場所 備考
若羽黒 1961.九 9勝6敗 当時特例復帰制度なし
前の山 1972.春 7勝8敗  
大受 1974.夏 9勝6敗  
魁傑 1975.九 7勝8敗 後に大関復帰
三重ノ海 1976.夏 10勝5敗 特例復帰
魁傑 1977.秋 6勝9敗  
琴風 1985.夏 全休  
霧島 1992.九 全休  
小錦 1993.九 2勝13敗  
貴ノ浪 1999.九 10勝5敗 特例復帰
貴ノ浪 2000.夏 7勝8敗  
武双山 2000.名 10勝5敗 特例復帰
出島 2001.名 5勝10敗  
雅山 2001.秋 全休  
栃東 2004.夏 10勝5敗 特例復帰
栃東 2005.九 11勝4敗 特例復帰
千代大海 2009.九 0勝4敗 引退
把瑠都 2012.九 8勝7敗  
琴欧洲 2013.九 8勝7敗  
琴奨菊 2017.初 9勝6敗  
照ノ富士 2017.秋 0勝5敗10休  
栃ノ心 2019.春    

若羽黒は当時現行の特例復帰の規定はないが、参考までに記載している。

特例復帰にて大関復帰した力士は三重ノ海貴ノ浪武双山栃東(2回)の4名5回である。

前置きが長くなったが、今場所栃ノ心のみが達成した記録とは『序盤無傷の5連勝』である。

 

『初黒星を喫した日』を以下のグラフにまとめた。

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初黒星を喫した日

全休力士を除いているため全18例であるが『半分以上が2日目まで』に黒星を喫している。

ちなみに特例復帰成功者5例は皆『初日から2連勝以上』である。

そして初日から2連勝して、特例復帰できなかった力士は『大受』『琴奨菊』のわずか2名であり、当時規定のない若羽黒を含めても3名である(面白いことにこの3名は皆9勝に終わっている)。

まず特例復帰の場所にて初日から2連勝としているケースが少なく、且つ『たかが初日から2連勝』が『されど2連勝』となっており、特例復帰の場所においては重要な問題となってくることに驚きである。

そのため過去の事例からすると、栃ノ心の初日から5連勝は『次元の違う好成績』と言っても過言ではないのである。

そして全体の黒星を喫した日の内訳は以下の通りである。

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黒星内訳

最も黒星を喫することが多い日は『5日目』であり、栃ノ心は過去最大の関門を突破したことになる。

関脇という番付は、周りの横綱大関の人数によって対戦日の変動が激しい番付とも考えられ、序盤から上位戦が組まれる場合もあれば、中盤~終盤戦に組まれることもある。

今場所の栃ノ心はどのあたりで上位陣と割が組まれるだろうか。

今場所は貴景勝が途中休場し、栃ノ心より番付上位は東関脇 逸ノ城を含めても4名のため、上位戦全敗しても大関復帰の可能性はある。

そして今場所の栃ノ心はその勢い・力量が十分に備わっている。

 

余談だが以下に『特例復帰に関する唯一の記録』を記載する。

三重ノ海大関陥落を経験しながら横綱へ昇進

栃東が特例復帰による2回目の大関復帰

栃東が特例復帰の場所にて11勝

千代大海が特例復帰の場所にて引退

 

そして栃ノ心が初日から5連勝である。

栃ノ心はさらなる記録を更新するのか。

それとも突如衰退してしまうのか。

はたまた『特例復帰場所にて優勝』という大偉業を達成するのか。

 

明日から中盤戦が始まるが『6日目』は過去のデータでは『最も黒星の少ない日』となっている。

中盤戦以降の栃ノ心に注目である。

56. 2019年夏場所5日目を勝手に語る

貴景勝休場。

昨日の時点では、どの程度の怪我なのか観戦者側としては認識できないものがあった。

私個人としては少しでも支障を来すならば早めの決断をしてほしいと考えていた。

休場に対して何一つ不服はない。

問題は協会だ。

稀勢の里栃ノ心、そして貴景勝

昇進したばかりの力士が怪我をする。

そして怪我をした力士に対しての解決案、具体案はない。

16. 協会よ。いい加減に考えるときだ。
でも記載したが、せっかく誕生した期待の新大関がこのような事態に陥った今、真剣に向き合わなければならない。

本来ならば今でも遅すぎる。

まぁ愚痴はここまでにして、場所に目を向けよう。

本日で序盤戦が終了した。

本日注目の取り組みは
栃ノ心北勝富士』である。

昨日も記載したが、ここ数場所苦杯をなめている相手であり、大関復帰のためには負けられない相手である。

今場所の調子ならば、立ち合いしっかり踏み込み、圧力をかけて組止めることも可能だと考えていたが、正にその通りとなった。

踏み込み良く、前ミツではなかったが、上手が早かった。
そしてその上手を絶対に離さないという強い意思を感じた。

今場所の栃ノ心は本当に良い。

優勝&大関昇進を決めた時とは異なる『荒々しさが少し控えめ』の強さを見せている。
しかしその中にも『攻めの気持ち』は全面に出ている。

これで序盤戦無傷だが、栃ノ心は『とある記録』を達成した。

これに関しては後に記載したいと思う。

一人横綱の全勝鶴竜は、お得意様相手に下から圧力をかけて圧倒した。

序盤戦は悪手を見せる気配もなければ、廻しを狙う気配もない。

元々『組んでよし離れてよし』の力士だが、どこか器用貧乏であった。

今場所はとにかく押し切るという強い意思を感じる。

このまま悪手が顔を覗かせることなく突っ走れるか。

高安は千代大龍に当たり負け、内容は完敗だが、何とか体を開いた。

今場所の内容を見る限り、優勝争いを演じるのは厳しいだろうが、まずは白星を積み重ねることが重要だろう。

豪栄道は悪い部分を全てさらけ出した一番だった。

先場所敗れた相手に安易な張り差し。
それが失敗に終わり、悪手の『引き』が出る。

何度も記載するが、何も考えず左前ミツに徹してもらいたいものだ。

明日の注目の取り組みは
鶴竜ー大栄翔』
この一番である。

先場所から着実に力を付けている大栄翔。
先場所も鶴竜相手に引かせる相撲を取った。

十分勝機はあるが今場所の鶴竜は、悪手が顔を覗かせる気配はない。

その鶴竜相手に引かせることが出来るかどうか注目である。